学校の先生

校長試験の面接の質問例と回答の考え方と表現力!合格の核心を解説

この記事は、校長選考試験を受験される先生方に向けてまとめたものです。教頭選考にチャレンジする方にも「学校管理職の考え方」の参考になります。

受験すると決めたものの、日頃の学校現場の多忙感の中では勉強も進めることは困難なことです。

もう、○月かァ…勉強も思うように進まないし、辛くなってきたなあ

やる気があっても、現実的に時間が取れない…中途半端は嫌だし…土日も結構しんどい

勉強のコツを教えてほしい…効率的なやり方無いのかな?

なかなか相談する人もいないし…

やる気は十分あっても、現実的に「計画的な勉強や試験対策」が進んでいなくて、悩みばかりで、焦っている方々に向けて「合格する実力を身につけてほしい」と願いまとめた応援記事です。

面接対策に絞ってまとめてあります。この記事の特長は、予想される質問の羅列ではありません。予想は予想ですから…それより大切なことがあります。

  • 面接官は「何を見て評価しているか」「何を考えているか」
  • どのような「質問の仕方」をしてくるか
  • 面接試験対策の「正しい考え方、準備の仕方」

を詳しく解説しています。合格へのツボ、核心がわかる記事です。もちろん、必須の質問事項と一部の解答例もあります。

この記事で効率よく、勉強ができ適切な対策がとれるはずです。

私は、公立学校の元校長です。8年校長を務め「志ある方々」を指導し応援してまいりました。「面接官」も務めた経歴から志願者の特徴も熟知しています。退職して「先生方と保護者」を応援する「ワダチブログ」を運営しています。

あなたは、学校を支えている柱の一人です。是非、心身を整えながら準備してほしいと願っています。皆様には、まだまだ先が長い教育実践があります。どうかご健康に留意され、ご自愛ください。この記事がお役に立てれば幸いです。

校長試験・教頭試験対策!面接官は何をみて評価しているのか?

面接官が「何を期待して、質問をしているか」について、解説していきます。当たり前な話ではありますが…

面接官は「目の前に坐っている人が…校長・教頭の責務を全うできる人物なのかどうか」を観察しています。例えば、期待する人物像の参考例です。

  • どのような窮地になっても、態度を崩さず誠実に堂々としていられるだろうか。
  • 様々な個性がぶつかり合う「教職員集団」を活かし育てることができる「包容力、温かさと厳しさ」はあるだろうか。
  • PTAの方々と笑顔でコミュニケ―ションがとれて、良好な関係を築くことができるだろうか。
  • 様々な意見や考え方をしている「保護者対応」がうまくやっていけるだろうか。
  • 色々な性格や特徴を持ち合わせた「地域の方々」と仲良く調和を保ちながらリードしていけるだろうか。
  • 穏やかで温かく…明るい雰囲気で快活な声のトーンで…慕われる人柄かどうか。
  • 真剣に説明して協力を求めたり…理路整然とした話し方で、表現力に長けているかどうか。

面接官の期待する理想の管理職像の一例です。一般的には「誠実・情熱・識見」等の言葉で表現されるかもしれません。

ここでのポイントは「完全な校長像」を期待しているわけではなく、面談していると「この人なら、きっと校長先生が務まるはず、教頭先生として活躍できそうだ」等の「優れたバランス感覚」を探っています。

校長選考とは目の前の面接官に、上記のように感じてもらえる「管理職の表現力」を身につけることです。

質問に正確・簡潔に応えながら、「自分を見てください。」「まだまだ、未熟な面もありますが真摯に学んで実践しています。理想の学校像、校長像を目指し邁進します」と自分自身を謙虚に誠実にアピールする意識です。

面接官はあなたの優れた資質を「面接中のスムーズなやり取りの中」で感じ取りたいわけです。

逆に、この方は管理職として「危ういな」と感じ取れば評価しません。

一つ目は、各質問で目の前の方の本質をさぐり、校長にふさわしい温かさ厳しさ等のバランス感覚に優れた人物像です。

どのような表情で、どのような話し方で「目の前の面接官」とコミュニケーションを図ろうとしているのか?この視点を意識してください。

仮に、‥‥(学校のリーダーが)おどおどして不安そうな表情を浮かべていては、話しになりません。‥かといって我が強そうで、人の意見は耳を貸さないような、横柄さが感じられ雰囲気はいただけません。

つまり、話す内容も重要ですが、「話し方・伝え方」の要素が高いのです。

二つ目の視点は、やはり「校長としての識見の高さ」です。

一つ目が「面接中に人柄を見抜く」なら、二つ目は「校長にふさわしい識見の高さをもちあわせているかどうか」をチェックします。

つまり、しっかりと勉強していて「人格だけでなく、最高責任者の校長として、知識面でも恥ずかしくないレベルは担保してください」という話です。

どんなに人柄的に申し分なくても、知識面が劣っていたら学校の最高責任者として校長は任せられないでしょう。

教頭試験は、特に知識面を担保できないと管理職として不安です。もう教諭ではないのですから、「教諭の知識のままで、教諭を守ること指導することはできません。」

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校長試験の面接の質問例と回答の考え方と表現力!合格の核心を解説

校長試験:学校管理職試験「合格への考え方」

「面接官に見られているところ」を解説します。

校長や教頭に「必要な能力や資質」をどう考えているかを問う質問としては、こんな質問が一般的です。

あなたが考える、校長(教頭)に求められる資質を3つあげてください。

多くの場合、この質問には多くの受験者がハキハキと即答します。(面接官からすれば、極論“この時点では、どんな答え(表現)でもいいのです”

なぜなら、次からの質問で、受験者の真価がわかるからです。

面接試験では、すぐに次の質問が飛んできます。

今、あなたが答えたなかで、最も重要だと思うものは何ですか。
そう考えた理由は何ですか。

なぜ○○より△△が大切と考えるのですか?

この三つ以外には、どのような資質が教頭には求められていると考えますか?

考えられるだけ挙げてみてください。

このあたりまで来ると、「一問一答だけで対策」をしている方は、一気に不安な表情が現れたり、しどろもどろになっていきます。

きちんとした表現で自分の考えを伝えることができません。勉強で重視する点は、「質問に応えながら、私は自分を表現しているか」という視点をもつことです。

校長試験・教頭試験対策!面接試験の合格への効果的な勉強法

一問一答での勉強は、自分の良さは表現できません。(もちろん「識見を問う質問」では「それは、○○です」と簡潔に答えを言う場面もあります。)

「〇〇は何ですか?」等の質問に、簡潔に応えるクセを付けてください。「ハイ、▼と△の二つです」短く的確に応えます。

なぜ、短く答えるか。それは、すぐに次の質問が来るからです。

「簡潔に応え質問を待つ」…「簡潔に応え質問を待つ」…「そして、また答える」このリズムを想定して頭の中でイメージしてください。

個人練習では、「その後、質問されるであろう、面接官の次の言葉」を思い浮かべてください。例えば、次の言葉を想定してみましょう。

 ①なぜ、そう考えたの? もう少し、詳しく具体的に話してみてください。③他には、どういうことを考えていますか

なぜ? 詳しく具体的に例をあげて… 他には何かある?

この3語の後に、あなたの真価が問われます。

堂々と 笑顔で 落ち着いて、わかりやすく 簡潔に 付け加えてください。このあたりのあなたの素の表情や態度に、

面接官は、校長としての適格性をあなたから見出そうとしています。

面接官は、芋ずる式に「質問」を繰り返していきます。

(単発の一問一答は、教育法規等)テンポよくこなすことを考えます。表現は端的にハキハキと。長い答え方は“表現力なし”とみなします。

長く話している方は、思考がまとまっていない方です。厳禁です。

詳しく述べてと言われたら、的確に表現します。これも長いのは厳禁。なぜなら、面接官の方でもっと知りたいと思えば「次の具体的な質問や他にはない?」と聞いてきます。この面接官とのリズムあるやり取りが「コミュニケーションが取れている状態」です。

このような面接官とコミュニケーションが取れれば、合格圏はもう近いはずです。

別の質問例でおさらいします。

「次の質問の後に 面接官がどんな質問をするか想像できますか?」できたら…OK!あなたの面接レベルは、格段に上がる可能性があります。

1:校長(教頭)としての資質の中で、あなたの最も優れていると思う点をあげてください。

2:または、課題があるとすれば、それは何ですか。

例のごとく、個々の答えは何でもいいのです。

その後の質問例を紹介します。

あなたのその「よさ」を学校経営にどのように活かしていきますか?

あなたが、まだ不十分だと考えている点は、どのように克服しようとしていますか?

このような面接官の質問を思い浮かべるのです。ココが面接練習の大きなツボになります。

次の質問を常に意識して練習を構成すると、以前の一問一答から考えられないほど、頭の中が整理されていきます。

校長試験と教頭試験の「面接の質問例の違い」とは何か?

校長試験と教頭試験では、重きを置く「質問」が違います。これをつかむとグッと自信がつきます。それぞれの違いをご理解いただけるように解説します。

学校管理職「校長」試験で「カギとなる質問」を攻略

校長試験で「面接官が“なるほど”と納得」してくれたら、凄くないですか?

その質問は、「目指す理想の学校像」と「その実現に、あなたはどのような“策”をお持ちですか」こんな感じの設問です。つまり、自分が実現したい学校づくりへの「実行可能と考える具体策」です。

わたくし個人の印象ですが、ちょっと失礼な表現で言うと「策が、ありきたり」な方が多いような感じです。つまり、どこかで聞いたことのある常識的な策なのです。これでは迫力に欠けます。

校長試験は、教頭試験との違いは「より人物重視」のように感じます。つまり、どっしりと構え、この方なら学校課題も真摯に向き合い、学校の総力を挙げて解決に導いてくれる感じかする方‥‥

この「策」なら、何か実現しそうで楽しみ…そんな表現力と堂々と語る校長の姿を見せてほしいと思います。それを面接官は期待しているのです。

重視することは「あなたが校長になったら、是非やってみたい策」です!常識的なものの集約から、自分の経営理念から生まれた策を「楽しそうに語ってほしいな」と希望します。

校長選考ですから、自分の「理想」を語ってほしいのです。ただし、誰もが実現可能と思える話し方が肝心です。

一方、教頭選考では特に重視される観点は…

学校管理職「教頭」試験で「カギとなる質問」を攻略

教頭試験は、もう教諭とは違う考え方と知識を持ち合わせた「管理職」にふさわしいかどうかを判定する試験です。

つまり、教諭の考え方かた、「管理職の考え方と知識」がポイントになります。

質問】あなたが考える目指す教頭像とは、どのようなものですか?

このような質問に、自分の想いを述べるのではなく、教頭の職務「学校教育法第37条第7項、第8項」を踏まえて考えていくことが求められます。法令上の表記はこれです。

  1. 「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。」
  2. 「教頭は、校長に事故があるときは校長の職務を代理し、校長が欠けたときは校長の職務を行う。この場合において、教頭が2人以上あるときは、あらかじめ校長の定めた順序で、校長の職務を代理し、又は行う。」

目指す教頭像についても

  • 「校長を補佐する」役割を踏まえること
  • 「校務を整理する」役割であること

この2点を「踏まえて、理想の教頭像を考えている」ことがわかるように表現しなければなりません。

「何よりも校長を補佐するという教頭の第一の使命について、私はしっかりと意識して答えています」このような表現が大切です。

自分の夢を自由に語るわけではありません。ココは教頭試験の場、「私は教頭の職を正しく理解しています」この視点をアピールしてください。

関連の質問では

】校長の意見と教頭の意見が大きく食い違う場合、あなたはどうしますか。

校長の意見と教職員の意見が違う場合、教頭としてどう対応しますか。(様々な人間関係の中で板ばさみになった場合、どのように対処しますか。

法規を踏まえた、自分らしい回答が求められます。一例です。

教頭は決定する立場ではなく、「校長を助け、校務整理する」ことが職務です。校長を助ける中には「進言」のありますので「自分自身の持つ情報と考え」を伝えますが、大切なことは校長の方針をしっかりと理解し、その実現に向けて校務を整理することに集中します。

このような趣旨のことを、考えていればいいのではないでしょうか。

その他、校長と同じように具体的な策もポイントです。教頭試験の場合は、実際に自分自身が取り組んできた特色ある教育実践例などまとめておいてください。
【人材育成論の参考記事です】

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最近の話題から!予想される校長試験・教頭試験の質問例

一つ目は待ったなしの「働き方改革」も大きなテーマです。

  • あなたは今、多忙感を感じていますか?
  • 教職員の超過勤務についてどのように考えていますか?
  • 勤務時間の管理において、あなたが実際に気をつけることは何ですか?

二つ目は、危機管理と「教職員事故防止」関連の質問

  • 学校の危機管理とは何ですか。教職員にどのような指導を行いますか?
  • 台風の接近情報があった場合、教頭として行うべきことは何ですか?
  • 熱中症への防止対策には、どのようなことを考えていますか?
  • 教職員事故が「なぜ無くならない」と思いますか?あなたは校長(教頭)として、行うべきことは何ですか?

三つめは、「GIGAスクール構想や学力向上」関連の質問

時間の許す限り、多くの設問にあたり。自分らしい校長像・教頭像を明確に考えておきましょう。

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校長試験の面接の質問例と回答の考え方と表現力!合格の核心 まとめ

今回の記事は「校長試験の面接の質問例と回答の考え方と表現力!合格の核心を解説」についてまとめてみました。

管理職を目指しているわけですから、「教諭」の思考から一段高い見地からの「考え方や意見」が大切になります。

面接練習については、やみくもに勉強するのではなく、「面接官側から考える」ことで能率がグンと高まります。この記事で

  • 面接官は「何を見て評価しているか」「何を考えているか」
  • どのような「質問の仕方」をしてくるか
  • 面接試験対策の「正しい考え方、準備の仕方」

この3点を理解したわけですので、これからの勉強も的を得て取り組めるはずです。

お体を大切にして、学校教育の高みを目指しご活躍ください。ここまでお読みいただきありがとうございました。

多数の学校関連記事と子育て記事を掲載する「ワダチブログ」を参考にしていただけましたら幸いです。