学校の先生

教師に求められる資質能力の再整理!教員採用試験「面接対策」にも最適

今後求められる教師の資質能力について、あなたはどのようにお考えですか?

この記事は、この問いに対する目指す教師像の資質能力の考え方総整理をねらいにまとめました。教員採用試験の準備や経験を積んだ先生方の学び直しに参考となる記事です。

  • 文部科学省の考える理想の教師の資質能力
  • 今後求められる教師の資質能力とは何か?
  • 受験する方々の「面接に実際のやり取り」事例
  • 「自分の目指す教師像の考え方の総整理」に役立つように解説しています。

そもそも先生方各々は経験値が違うため、実践的力量にも差があります。しかし、どんなに経験値が高くても、表現力は別物です。頭の中の再整理をしないとうまく話せないものです。

例えば面接試験で面接官が「教員の資質能力を判断する決め手は何か」という質問に対する答え方は人様々です。唯一の「正解」はないのです。

一般的な模範解答はあるかもしれませんが、相手の心に響くかは別問題です。印象に残るものは「目の前に坐っている方の表情や口調等の話し方」から感じられる「教育への熱量」と「心から願うそう考え話しているのかどうか」がポイントなのです。

私は公立学校の元校長です。これまでの経験をもとに先生方と子育て中の親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。教員志望の方への情報も発信しています。

教師に求められる資質能力について、あなた自身の「考え方の再整理」にお役に立てると思います。

教師に求められる資質能力の再整理!文科省の表現を再確認

中央教育審議会(2022年12月19日)は、今後の改革の方向性をまとめた答申の中で「令和の日本型学校教育」というキーワードを使いました。みなさんの学校では話題になっているでしょうか?

以下、文部科学省のHPに掲載されている表現を転載しています。

何事も“おおもと”の考え方をしっかりと意識することが重要です。

“おおもと”とは、文部科学省であたり、都道府県教育委員会、市町村教育委員会ということです。ココを無視してはいけません。

さらにポイントは、その方針を理解したうえで、単に言葉を暗記するだけでなく、自分なりの言葉で表現できることが大切に思います。

文部科学省が考える未来の学校像・教師像

文部科学省では、学校教育・教員制度の改革について、2020年代を通じて実現を目指す学校教育を「令和の日本型学校教育」としました。

その姿を「すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」と定義しました。

 答申では、2025年度までに実施される改革は

  • 「新たな教師像と教師に求められる資質能力」
  • 「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成」
  • 「教員免許の在り方」
  • 「教員養成大学・学部、教職大学院の在り方」
  • 「教師を支える環境整備」の5項目。

 このうち、一番目に「教師に求められる資質能力」について5項目に再整理されて解説しています。次の5つです。

  • 「教職に必要な素養」
  • 「学習指導 」
  • 「生徒指導 」
  • 「特別な配慮や支援を必要とする子供への対応 」
  • 「ICTや情報・教育データの利活用」
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教員に求められる資質能力~不易と流行

教師の資質能力については、不易と流行という言葉でよく説明されます。不易(ふえき)とは、昔から変わらない教育の本質です。

一方、流行とは変化の激しい社会において大切にされる資質能力、変化する中で身につけなければならない能力とお考え下さい。

文科省HPでは、以下の内容でまとめています。

教育の不易:いつの時代にも変わらず、求められる資質能力

  1. 教育者としての使命感
  2. 人間の成長・発達についての深い理解
  3. 幼児・児童・生徒に対する教育的愛情
  4. 教科等に関する専門的知識と広く豊かな教養
  5. 上記①~④を基盤とした実践的指導力等

不易に流行もプラス:今後、特に求められる資質能力

  1. 地球的視野に立って行動するための資質能力(地球、国家、人間等に関する適切な理解、豊かな人間性、国際社会で必要とされる基本的資質能力)
  2. 変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力(課題探求能力等に関わるもの、人間関係に関わるもの、社会の変化に適応するための知識及び技術)
  3. 教員の職務から必然的に求められる資質能力 (幼児・児童・生徒や教育の在り方に関する適切な理解、教職に対する愛着、誇り、一体感、教科指導、生徒指導等のための知識、技能及び態度)
  4. 得意分野を持つ個性豊かな教員
     画一的な教員像を求めることは避け、生涯にわたり資質能力の向上を図るという前提に立って、全教員に共通に求められる基礎的・基本的な資質能力を確保するとともに、積極的に各人の得意分野づくりや個性の伸長を図ることが大切であること

個性豊かな子どもたちは、画一的な教師集団では活かしきれないという考え方教師自身も自身の強みを理解し伸長し学び続ける個性豊かな教師像が求められています。

もちろん教師としての授業や生徒指導、教育相談、特別支援等の基礎的基本的な資質能力を身につけたうえでの話です。

流行と呼ばれるものの中には、ICT活用能力、プログラミング的な思考、発達障害への深い理解等をはじめ、子どもたちが活躍する未来を想いうかべて、未来につなぐ能力を身につけさせたいものです。

優れた教師の条件とは

平成17年10月の本審議会の答申「新しい時代の義務教育を創造する」においては、大きく集約すると以下の3つの要素が優れた教師の条件として重要であるとしています。

  1. 教職に対する強い情熱
     教師の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感など
  2. 教育の専門家としての確かな力量
     子ども理解力、児童・生徒指導力、集団指導の力、学級づくりの力、学習指導・授業づくりの力、教材解釈の力など
  3. 総合的な人間力
     豊かな人間性や社会性、常識と教養、礼儀作法をはじめ対人関係能力、コミュニケーション能力などの人格的資質、教職員全体と同僚として協力していくこと

※教師の仕事とは、日々変化する子どもの個性伸長に携わり、子どもの可能性を開く創造的な仕事です。

この実現のためには教師はプロフェッショナルでなければなりません。「学び続ける教師」です。常に研究と修養に努め、専門性の向上を図ることが求められている。

学校を取り巻く社会状況が急速に変化しています。子供たちの未来は本当に先行き不透明です。

学校教育が抱える課題も複雑・多様化する現在、教師は、常に最新の専門的知識や指導技術等に関心を高め学び続けていくことが重要となっています。

以上、ココまでは文科省HPの表現をそのまま引用してきました。それを踏まえてここからは、私なりの表現で、教師のやりがいと資質能力を表現していきます。

教師に求められる資質能力の再整理!面接で「自分の言葉で語れるか」

ここまで教師に求められる資質能力について、文部科学省のHPから引用してきました。この知識を自分なりに消化しないと、あなた自身の資質能力の向上にはつながりません。

ココでは、面接を想定して目指す教師の理想像をどのように表現されるかまとめました。

面接官の質問「あなたの理想の教師像は何ですか、その資質能力について」あなたならこの返答を、文部科学省の示す教師像を反映してどのように応えますか?

回答のポイントは、短い言葉で力強い声の調で「つなぐ」ことです。一例を示します。いい回答は、面接官と受験生とのリズムがでてきます。

長い話は、よく理解していないわけです。本当に深く理解が進むと、自分なりに短くキーワードを使って表現できるものです。

  • 面接官「あなたは教師に必要な資質能力をどのように考えていますか」
  • 受験生「はい、教師という仕事に携わるという情熱と考えています。」
  • 面接官「なぜ、そう考えいるのですか?もう少し具体的に話してください
  • 受験生「はい、教師に必要な資質能力を情熱と考えたのは、一人一人の子供たちの可能性を伸ばす大切な仕事なので、情熱とは、子どもにを対する愛情であったり、仕事に対する責任感が大切と考えているからです。」
  • 面接官「教師の愛情ってなんですか?

自分の発する言葉に責任をもつことです。愛情と言えば、愛情とは何ですかと聞かれます。

芋づる式ですね。一問一答ではありません。

そもそも、正解はないのです。面接官は、「の方の正解をどのように考えているのか」について知りたいのです。

  • 受験生「一人一人の子供の成長を願い信じ、“関わり続けること”“関心を寄せ続けること”が愛情と考えます。」
  • 「たくさん遊んだり、たくさん話しを聞いたりして子どもたち一人一人をよく理解することと考えています。係活動などで活躍の機会をつくっていきます。褒めたり認めたり、叱ったりしながら愛情をもって関わり続けていきたいと思います。」
  • 面接官「教師に必要な資質能力で情熱以外でありますか?」

「他にはありますか?」この問いかけで、その方の考えの深さが判断されます。このレベルの質問には、一問一答で準備している受験生には歯が立ちません。

  • 受験生「教師として専門性や仕事への責任感が大切と考えます。」
  • 面接官「仕事への責任感って何ですか?」
  • 面接官「教師の専門性って何ですか?」

このように回答は短く、爽やかに快活に答えていきます。何を答えるかはもちろん大事、それ以上に「話し方」を意識しましょう。

教師の仕事はコミュニケーション能力が長けていないとできません。明るい口調で明るい表情で応えましょう。

目の前の面接官の質問に答える(正解を言わないといけないと考えないで)だけでなく、短時間で温かなコミュニケーションを取ろうと考えてはどうでしょうか。あなたの人柄がきっと表現できると思います。

  • 受験生「教師としての確かな力量」がなくてはいけないと考えます。
  • 面接官「確かな力量とは何のことをいっていますか?」
  • 受験生「例えば、授業を楽しく、わかりやすく教えて、確かな学力を身につけさせる力と考えます。」
  • 面接官「他にはありますか?」
  • 受験生「学級づくりや基本的な生活習慣を身につけさせたりする生徒指導、児童生徒理解もあります。」
  • 面接官「授業をうまくやっていく自信はありますか?」
  • 受験生「教育実習をやってきましたが、大変難しく正直不安です。先輩の先生方にもアドバイスを積極的にお聞きしながら、身につけていきたいと思います」
  • 面接官「こどもたちから、信頼される教師とはどんなせんせいですか?」
  • 「信頼されるには、授業が分かりやすい、授業が楽しいといった確かな授業力身につけた先生と考えます。」
  • 面接官「あなたは、自分の中で教師に向いているなと思うところはどこですか?アピールしてみてください」
  • 受験生「強みは情熱と責任感です。まだまだ生徒指導や授業への力不足で不安がありますが、何より前向きで明るい性格だと思いますので、先輩の先生方に助言をいただきながら、子どもたちとたくさん遊び話を聞いて日々学び続けながら成長しできると考えています。」

教師の仕事を支える資質能力とは、

  1. しっかりと伝えること:表現力:コミュニケーション能力です。子供や保護者とよき関係を築き、影響力を与えることを目指しているわけですので、基本、信頼を得る言動:人柄でないと務まらないです。
  2. その人柄を支えている基盤が、教師が持つ情熱、愛情、使命感、責任感等ではないでしょうか。

この考え方は「私の中の正解」であって、「あなたの正解」とは限りません。あなた自身が教師の理想像を追い求める中で、日々成長し変化していくものだと思います。

教師に求められる資質能力の再整理!教員採用試験「面接対策」にも最適 まとめ

今回の記事では

「教師に求められる資質能力の再整理!教員採用試験“面接対策”にも最適」をテーマにまとめてみました。

教員採用試験を目指している方の、再整理になっていただければ幸いです。

教育携わる者は「信頼」なくしてやっていけません。

その信頼を勝ち取るには、その方の人柄です。では、人柄とは「人の品格」のこと。人柄とは、その人の言動、基本的な生活習慣から醸し出される真実です。責任ある行動であったり使命感、愛情等です。

それを支えるのが、その方の「考え方と意識」ではないでしょうか。「どのように考えているのか、何を意識して教育・生活しているのか」です。教師は忙しい毎日ですが、自省して自分自身で考え方を再整理することが大切に思います。

「ワダチブログ」では教育関連記事が多数掲載されておりますので参考にしていただけたらありがたいです。