学校の先生

子どもが大好きな先生とは?カウンセリングマインドの意味と効果から信頼される教師像を解説

子どもたちからの

「〇〇先生、大好き!」

子どもたちから、この言葉が生まれるまでには、その子なりのちゃんとした理由があります。なんとなく好きになったのではありません。

この記事では、中学2年生の修了式後の学級担任への感謝の言葉を集めました。その言葉から先生のどのような言動が子どもたちの心を動かすのか検証しています。

そしてカウンセリングマインドとは何か?その意味と効果解説します。子どもたちから信頼される大好きな先生の条件を明らかにしています。

小学生から高校生まで「先生」と呼ばれる方々に向けて書いた記事です。

私は公立中学校元教員です。中学生、先生方、子育て中の親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。先生という職業は、特別な「技」も大切ですが、実は「心配りや意識の向け方」に飛躍のカギがあります。

参考にしていただけたら幸せです。

子どもが大好きな先生とは?信頼される教師像を解説

3月修了式後、学級を閉じる最後の学級活動で、生徒から学級担任に向けて渡されたサプライズ!

「こっそりと用意してくれた冊子」の中には、子どもたちの先生への感謝の温かな言葉がいっぱいでした。

学級担任に向けて書いた生徒の言葉を紹介します。

1.先生大好き!生徒の感謝の言葉

1年間大変お世話になりありがとうございました。○○先生と一緒に過ごすことができて、とても楽しかったです。進級したばかりは不安でいっぱいだったけど、先生が優しく声をかけてくれたことで、慣れていくことができました。

とても楽しい2年生の生活でした。〇年〇組はものすごく明るく元気で面白かったです。みんな優しく話しやすいクラスだったので楽しく過ごせました。

私は○年○組はとても心地よく温かいクラスで安心しました。〇〇先生はクラス全員のことをよく考えてくれる先生だと思いました。

私は先生に会えて、そして先生のクラスになれて本当にうれしかったです。

〇年〇組!最高。〇〇先生、大好き。

この文章を書いている生徒の表情が浮かびませんか?本当に素直な言葉が並んでいます。かざらない言葉の中にキーワードがあります。

2.信頼される教師像のキーワード

注目のワードはこれです。

進級したばかりは不安でいっぱいだったけど、先生が優しく声をかけてくれたことで、慣れていくことができました。

この言葉から、中学2年生に進級するに伴う「不安」を感じます。「新しいクラスになじむことができるだろうか」このような一人の生徒の不安に、先生から優しく声をかけてくれたことへのありがたさと喜び。

先生の心配りが、「大丈夫!先生がいるから…一緒にいこう!」こんなメッセージとなり、この生徒を勇気づけたのでしょう。

ここでのポイントは2つです。

  1. 例えば、先生は徒数約30名の「○年○組」学級担任ですが、生徒側から見れば「たった一人の私の担任の先生」なのです。教師として「集団をまとめる視点」だけでなく「一人ひとりの生徒を見つめていく視点」をより一層、心がけていく意識です。
  2. アプローチは「先生」からです。進級、進学にともなう生徒の不安は「私たち教師が思う以上に緊張と不安を感じている」と考えてみてください。「このクラスになじめるか」これが最大の関心ごとです。先生の方からの「明るさ、やさしさ、あたたかさある言葉かけのアプローチ」が欠かせない条件です。

それを裏付ける多くの生徒の想いを紹介します。先生へのメッセージからキーワードだけを抜き取りました。

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子どもが大好きな先生とは?カウンセリングマインドを活かす

子どもが信頼する大好きな先生とは? 親しみやすさ

・「やりとり帳」のやりとりが、とても楽しかったです。優しくてかわいくて、明るくて生徒想いの○○先生、これからもずっと大好きです。

・「やりとり帳」でゲームのことを書いた時、どんなことが先生から返ってくるか楽しみでした。

・私は先生としゃべるのは苦手だけど、先生はしゃべりやすくて、「やりとり帳」も楽しかったです。

中学校ではいわゆる「やりとり帳」的な冊子があり、学級担任がチェックしているのが日常みられます。先生のわずか一言にも、生徒は心を向けて楽しみにしている様子が感じられます。

一人の大人として、日常の姿にも興味をもっているのでしょう。

この冊子には「先生は、ラーメンはしょうゆ派ですか?みそ派?それとも塩派ですか?ぼくはみそ派です」こんなメッセージもありました。普段の何気ない会話の中に「先生をもっと知りたい!一緒にいたい!先生とお話したい!」そんな想いが感じられます。

こんな会話が成立する背景には、この先生が普段子どもたちの目線まで下りてきて会話できる資質があるのだと思います。

日常の何気ないない会話が、関係性を高めるコミュニケーション高まりにつなげている教師の資質が肝心です。

日常の心の近さが、その先生のタイミングよい「誉めたり認めたり」「何がいけなくて、何が大切なのかを叱ったり訴えたり」する言葉だから生徒の心に届くのでしょう。

子どもが信頼する大好きな先生とは? 生徒の変化(ピンチ)に気づく

・何気ないことを気楽に話すことができてうれしかったです。

・私が悩んでいると先生が一番早く気づいてくれて“大丈夫”って声をかけてくれて本当にうれしかったし心強かったです。嫌なことがあっても「嫌!」と言える環境が大好きです。

いつも寄りそってくれて、ありがとう。先生大好き!体調が悪い時、心配してくれて嬉しかったです。

・先生がいつも私のことをほめてくれたおかげで「自分もこんなふうに誰かに認められているんだ」と思いました。

・わたしが困っている時も嫌な顔をせず「いいよ」って言ってもらえた時「この先生でよかった」と心から思いました。

・進級したばかりは不安でいっぱいだったけど、先生がやさしく声をかけてくれたことで慣れていくことができました。

・最初はクラスになじめるか心配だったけど、クラスのことを一番に考え行動する先生をみたら、このクラスでよかったと思えるようになりました。いつも私たちのことを想い、悩んでいたらすぐに声をかけて助けてくれる先生が大好きです。

この他にも「〇〇の時、心配そうに私を支えてくれて…」「最初のころ、慣れない私をあたたかく支えてくれて…」「進級したばかりは‥‥その時先生は…」が多くありました。先生は「一人の生徒のピンチ」に気づき、駆けつけるヒーローです。

一人一人の表情や言動に敏感で、小さな変化に気づき「先生からアプローチ」をさりげなくできているところが素敵です。

生徒自身が「ピンチ」な時、いち早く「どうしたの?」と気づく感性が生徒を勇気づけます。

子どもが信頼する大好きな先生とは? いつも生徒と一緒で前向きな姿

先生はいつも元気で明るくて、見てて笑顔になれました。いつも優しく接してくださるので、先生のクラスでよかったと思います。またこのクラスがいいなあ。

・いつも行事を全力で盛り上げてくれて先生のおかげでとても楽しく過ごせました。

・先生のハイテンションにいつも救われました。先生のおかげで落ち込んでいる時も前向きに過ごせました。先生の授業が楽しみでした。

・「いつも味方だよ」と言ってくれる先生が大好きです。顔見るだけで安心できる親のような存在です

生徒の感謝の言葉の中で特に気になった「二つのキーワード」は(ちゃんと心配してくれ)「先生から声をかけてくれた、先生から話しかけてくれ…」このフレーズと「いつも生徒のことを一番い考えてくれて‥‥」この二つです。

この教師の凄い点は、いつも笑顔が似合う明るい先生(先生だって人間で日々辛いこと苦しことだってあると思いますが、少なくても子どもたちの前に立つときスイッチを入れ直しているのでしょう)です。

「私たち一人一人のことを常に心にとめてくれている」

この表現から、このような気持ちは先生方なら抱く気持ちです。問題は、その先生の想いが伝わっているかだと思います。信頼される生徒の大好きな先生は、「想いを素直に語り、伝えるのがうまい先生」ではないでしょうか。

ここからは、カウンセリングマインドの一般的な定義から「生徒から信頼され、生徒の大好きな先生」の要素について解説していきます。

カウンセリング・マインドの意味と効果から信頼される教師像を解説

先ず初めに、カウンセリング・マインドについてのある県の表現です。

カウンセリング・マインドを活かした指導の在り方

まずは一般的に理解されている言葉で表現してみます。

一人一人の成長の力を信じて、それを引き出そうとする指導のあり方を工夫していく教育相談的な考え方や態度をカウンセリングマインドという。

  1. 単なる技法を超えた、人間としての在り方を問題としている
  2. 理解し理解される教師と生徒との人間関係をつくることを大切にすること
  3. 生徒の自主性・自発性・自己決定力を尊重し、伸ばす指導援助としての姿勢を大切にする

ちょっと言葉がイメージしにくいかと思いますので、私の言葉を引き出してみます。

三尺の童子に拝す

この言葉の直訳は「90㎝の小さな子どもを拝む」ということになります。別の言葉で表現すると

敬の心

「敬」の字は「尊敬の敬」「敬意の敬」の字です。「うやまう」の敬です。教員最大の資質は敬の心だと考えます。なぜなら、教員はコミュニケーション能力に長けた、誰とでも信頼関係を築く力が求められるからです。

それでは、コミュニケーションのカギはなんでしょうか?私はこの敬の心だと考えます。相手を敬うことがコミュニケーションの大前提であり第一歩だらです。

コミュニケーション能力はテクニックもあることでしょう。しかし、根幹は人を信じるところからはじまるのではないでしょうか。

カウンセリング・マインドの意味

 

  • 生徒とのコンタクトを意図的に持とうとしている…指導や支援の前にありのままを受容する意識が大切。教師は、指導のプロの前に「望ましい関係性を築くプロ」
  • 生徒の声に耳を傾け、生徒の心をわかろうとして
    いるか…言葉や行動の背景ある情緒面を重視する。「生徒をわかろうとする心配りで生徒を言葉と行動で寄り添い勇気づけられるプロ」

  1. 成長する力を信じ、可能性を見出すことを大切にする…「十人十色の生徒、目の前の生徒の可能性を見出すことができるプロ」
  2. 関わり続けることを大切にする‥‥「あきらめない、関わり続けることを信条とする教育愛と情熱を秘めたプロ」
  3. 非言語コミュニケ―ションを心掛ける…見られている自分を意識する、自分の言動が生徒に良い影響も悪い影響も与えることがあることを認識している。人柄が価値観を伝える、伝え方のプロ」

子どもが大好きな先生とは?カウンセリングマインドと信頼される教師像 まとめ

今回は「子どもが大好きな先生とは?カウンセリングマインドの意味と効果から信頼される教師像を解説」をテーマに記事にまとめてみました。

先生方はどんな先生になりたいですか?

言葉で書き出して、思い描くことは大変大切なことです。「こんな先生になりたいなあ」と具体的な理想像が言葉で表現できるなら、その先生は必ずそんな理想に近づける人です。

なぜなら、散歩していてもいつの間にか「日本一周していた」「富士山の山頂に立っていた」なんてことは絶対におこらないですよね。

本気なら口に出して書き出しましょう。本当に「日本一周したい」なら、あなたはその実現に向かって何をすべきは、毎日が明確になります。

理想を思い描く力は、そうなりたい自分への第一歩となるはずです。

ここまでお読みいただきあリがとうございました。みなさんを応援する「ワダチブログ」又お立ち寄りください。