中学生は年間の5回程度の定期テストがあります。保護者からは、こんな声を聞きます。
このように、お子さんの成績に不安や悩みを抱える親御さんに向けて書いた記事です。
特に中学1年生には「1年生特有の成績が下がる理由と原因」があります。ちゃんと下がる原因があるのだから、その子に合った対処法もあります。そのまま放置していてはいけません。
この記事では
中学1年生の成績が下がる主な原因をまとめました。そして、親にできるお子さんの理解の仕方と適切な接し方を解説しています。この記事の特長は「実際の親からの言葉かけ事例」です。成績が下がったときの親のNG行動も理解できるようにしました。
私は公立中学校の元校長です。親御さんとの長年重ねてきた会話の中で、子育てのご苦労とご心配はよく理解しております。
ぜひ、“漠然と心配することなく” “原因を見極め対策” を取りつつ、お子さんの成長を適切な親子関係の下で応援してあげてください。お力になれましたら、幸せです。
中学1年生成績が下がった時の言動は?課題を意識される親の言動と接し方
お子さんがが中学に入学され、成長を喜んできたところの「成績表」をみて“ガックリ”してしまったお母さん。
成績が下がってた時、成績のことで子どもを叱り責めても…子どもがやる気を出すわけではありません。では、親の対処法はどうすればいいか、順々に解説していきます。
1.下がった成績表をみてガックリ! 親の正しい対処法を提案
親御さんの対処法のポイントは
- 親としてテストの結果は気になりますが…「結果」だけに一喜一憂するお母さんにならないこと!これが一番です。「取り組み過程」を大事にする(努力を継続する価値観等、生き方を大事にする)そんな親御さんになってください。
- 「下がった原因」をちゃんとお子さんと振り返ることが、成績を伸ばす子どもの条件です。成績が下がったことを責めるお母さんではなく、「どんな結果にも、ちゃんと原因があるんだよ」と、取り組み過程を重視する考え方を持ったお子さんはたくましく強い子に育ちます。
- 親子で現状を正しく理解することが肝心です。正しく理解して、正しい対処法で努力を継続すれば成績は必ず上昇します。(物事は好転していきます)
実は、中学1年の成績は下がるにはいくつかの原因が必ずあります。徐々に下がっていくパターンもありますが、どこかのタイミングで急に成績が下がりはじめることもあります。
お子さんの「成績」を心配し嘆くのではなく、「我が子の成長に繋げて」こそのお母さんです。「今の成績だけ」に敏感にならず、「時間軸の長い成長」の視点から冷静に対処していきましょう。
2.親の言葉かけ事例と接し方を解説
親の言葉かけ1 厳禁「親が一気に話し始めない!」子どもに話させる。
例えば、がっかりした様子で成績表を親に見せた場合…
親が「心配する想いや考え」を言いたくなるでしょうが、やはり中学生になったら「子どもに自分の言葉で話させる」ようにしましょう。特に会話のきっかけは、子どもに話しを促してみましょう。
子どもが成績を「自分事」として受け止めるには、「自分で話す習慣、自分で考える習慣」は大切です。親がどんなに叱っても正論を話しても効果的ではありません。親の一方的な叱責は「耐えるか、無関心になるか、反抗するか、受け身になり」子どもは話を聞く意欲も考える意欲も薄れていきます。
お子さんの成績は、お子さんの問題です。そこで、次はこんな対応を提案します。
親の言葉かけ2 厳禁「結果だけ反応しない」 取り組み過程に注目させる
親の後姿は、子どもに見事に反映します。親が「結果がすべて」の価値観なら、子どものその考え方になるでしょう。
「結果を重視する」ことは、悪いことではなく大切な価値観の一つではありますが、中学生に偏りすぎてしまうと「結果がよいことがすべて」「結果が悪ければ意味がない」「結果のいい人は優秀で、結果の悪い人はダメなやつ、私は…」という考え方もなりかねません。
親の心がけ一つで…テストに臨む姿勢で「人生で大切なこと」を学べます。
長い人生を生き抜く考え方は「自分が望む結果を追い求める」そのためには「しっかり計画を立て実行にうつし努力を重ねる」
…もし結果が悪ければ…自分を振り返って原因を考え、改善策を決める…そして、自分が望む良い結果をつかむ!」です。
だから中学生なら取り組み過程を大切にして、反省と修正で目標や夢をつかむ体験をさせたいものです。
こんな話方なら、親子の会話が進んでいくと思います。
結果にはあくまでも、こだわる。しかし、努力しても目標を達成できないことも人生にはよくあることです。これも教えておくことです。
「しっかりと自分のいたらないところを目を向けられて修正する力」を中学生の時代に身につけたらすごくないですか。
良い結果を得るには「自分の望む結果に その取り組み過程をからめて」考えさせる親が賢いと考えます。
中学1年生「成績が下がる」タイミング
中学校1年生において、特に成績が下がるタイミングは二つです。
1.成績が下がる時期 「新1年生・入学後のとまどいの1学期」
実際に「1学期中間テストの成績表」を見たら…「えっ!」という感じで驚いてしまうケースです。中学校最初の定期テストが、自分の予想以上に悪く、思うように点数が伸びない結果に親子で“ガックリ”という経験をする方は、意外と多いものです。
このパターンは大きく二つ原因が考えられます。
- 成績が下がったというよりは、中学校の授業のスピードについていけてない等「中学校生活への不慣れが原因」と考えられます。
- 「小学校の時までは成績がそこそこ良かったと思っていたけど‥‥」という感覚の違いから、本来実力通りの結果なのですが、現実の結果を「下がっている」と感じているケースも考えられます。
特に、小学校と中学校の大きな違いは2点です。
- 一つ目は、小学校のテストは、そもそも100点を目指しながらできることを確認していく評価です。中学校の定期テストは、小学校とは比較にならないほど「範囲も広く」や「難易度の高い問題がある」ことが違いです。大きく勉強の仕方がよくわかっていないケースが考えられます。
- 二つ目は、4月下旬から部活動が本格始動して「新1年生は疲れ切ってしまい」…家庭では勉強どころでない状態です。新生活がはじまり、生活環境の激変に慣れない時期におこるスランプです。勉強時間がそもそも少ないことが考えられます。
2.二つ目の時期「夏休み後…2学期に急降下」
この時期は、「長期の夏休みののんびりした生活習慣」が尾を引いていることが、背景に考えられます。「中学校生活にも慣れてきて新入生の緊張感もなくなり、学習面では早くも中だるみ」に入ってしまいやすい時期です。
基本的に学習への興味関心が薄く、「マズいなあ」とは感じていてもズルズルと成績は下降線をたどっていきます。成績が急激に下がることもあります。
徐々に、勉強をしない…、できない…、当然、結果も悪い…、できないから意欲もなく…、授業の集中力も薄れていく…、勉強への第一歩が踏み出さない…
こんな悪循環がグルグルしていきます。下がる原因への対処法を解説していきます。
中学1年生「成績が下がる」主な二大原因への親の対処法はコレ!
中学1年生は、やり方さえわかれば成績もすぐに伸びるというケースもありますので、まずは親子で勉強の仕方について今一度確認してみるとよいでしょう。
原因可能性1 勉強方法をそもそも知らない
多くの子どもたちは、家庭でどのように勉強すればいいのかがわかりません。
勉強の仕方自体を詳しく教わっていないのです。これでは、そもそもスタートラインに立っていないですよね。
ただノートにきれいにまとめたり、いつも同じ教科をやっていたりと、自分なりの工夫がないため、「机に座って勉強をする」が目的になっています。(親もそれで安心は危険ですね)つまり、非生産的なやり方ですので「勉強しても成績があがる」ことを難しく、やがて「やっても無理、おもしろくない」と勉強から心が離れていきます。
このような子にはまずは勉強の方法を教えてあげる必要があります。
原因可能性2 勉強より楽しいものに心ひかれ、そもそも時間が足りない
スマホやSNS、ゲーム類がその代表です。
多くの大人もとり付かれてしまうほどの魅力ある媒体です。一般的には完全シャットアウトは現実的ではないかもしれません。
反抗期になる中学生時代は、無理やりの姿勢は大きな反発を招くこともあります。そこで妥協案は「共存」です。我が家の一定のルールが必要です。その作り方は、子どもにもルール作りに参加させることです。
こんな感じでどうでしょうか。
お金を貯めるには、「もっと働いて稼ぐか、無駄使いをやめて節約するか」この二つを例にすれば、中学生にも納得の論理です。
「成績が下がる」周辺環境にこんな原因もあるかも?
さらに、こんな原因も考えられます。
原因可能性3 集中できない生活環境
例えば、家庭生活で兄弟姉妹が騒がしいと気がちってしまうとか、夫婦の仲が悪く険悪なムードを感じて、勉強が手につかないケースも考えられます。
家庭内では「勉強を始める時間と勉強する場所」は一定の方がリズムになって習慣化されやすいです。
または、家庭で元気がない場合などは「学校生活の中で友人関係で悩み」で頭の中が混乱していて、勉強どころではない心理も考えられます。気になったら何気ない会話を通して、よく観察をしください。
原因可能性4 勉強だけでなく、生活全般に自信がない
例えば、親から兄弟姉妹の間柄で「比較」され、嫌な思いをした。先生からのある言葉が気になって足かせになっているなど、「自分は褒められたことがない、取柄がない」とチャレンジ精神に欠ける状態のお子さんもいるかもしれません。
こんなケースは「親御さんからの直線的なアプローチ」は逆効果になってしまいがちな状態です。じっくりご夫婦でもお話されてください。ちょっと回り道に思えることが、その子の長い人生では一番の近道になることもあります。
例えば、
成績の結果の「ねばならぬ」から解放して、努力過程に注目して「認める」機会を増やしていくことをお勧めします。日常の生活の中に、人間関係の中に「小さな成功体験」を増やし認めていく言葉かけを増やしてみてください。
大切にするのはお子さんのなかに「やったら、できた!、こんな感じなら、もっとやってみたい…」この感覚です。
想いのほか、効果ありますよ。
中学1年生の成績が下がる原因は?親の言葉かけ事例と接し方 まとめ
今回の記事は「中学1年生の成績が下がる原因は?親の言葉かけ事例と接し方を解説」についてまとめました。
中学生になって成績が下がりやすいタイミングや主な原因と対処法について、親の接し方の実践例をいくつか取り上げながら解説してきました。
勉強の仕方を確認し定期テスト対策に徹底して取り組むことが挙げられます。
中学1年生は、部活動などに慣れ生活面が落ち着き、やり方さえわかれば成績もすぐに伸びるというケースもあります。学校の先生とも連絡を取り合いつつ、まずは親子でよく会話のできる状態にしておくことです。
そのためには、記事で触れましたように親は「しゃべりすぎない」ことです。親の一方的な注文や叱責だけの会話では、お子さんの心は離れていきます。
是非、お子さんの成長を「長い時間軸」で考えていきましょう。「今」「今の成績」だけの視点では、お子さんの本当のよさに気づいていないのかもしれません。焦らない、焦らないです。
思春期中学生の子育てを応援する「ワダチブログ」にまで、またお越しください。よろしくお願いいたします。