わが子が急に「学校に行きたくない」と言い出したら、親御さんには青天の霹靂、きっとひどく慌てますよね。親ならこれがあたりまえの反応です。
そこからどうするのか?これが難しいです。
なぜなら、お子さん一人一人の原因や想い、性格が違うわけで、対応の仕方もまちまちです。誰にでも当てはまる公式のような対応があるわけではありません。しかし、基本的な考え方はあります。
そこでこの記事では、保健室登校って何?どんな効果とねらいがあるのかについて解説しています。さらに
- 保健室登校3つのメリット
- 保健室登校3つのデメリット
を通して、メリットとデメリットを一緒に把握すれば、「保健室登校」の適切な活用方法が理解できるようにきっとなります。
心のトラブルで教室に入りずらい時、「保健室なら入れるかな?」と、提案されても「保健室登校って何?」と、なりますよね。この記事で「保健室登校」の疑問や不安を解消できます。
私は、公立中学校の元校長です。現在、先生方と子育て中の親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。
心にトラブルを抱え不調を訴えたわが子に、ベストの対応を一緒に探してみませんか?お力になれたら幸いです。
保健室登校って何?(○○相談室登校って何?)3つのメリットその意義やねらい
ここでは保健室登校とは何か、その意義やねらいを解説していきます。
保健室登校とは
様々な理由で「教室で授業をうけるなど集団生活に抵抗があり、学校にいけなくなった児童生徒」に対して、「学校の生活の場を“保健室”で過ごすことを認める」対処法です。
教室に入らず、授業には参加していませんが一般的に「出席扱い」になります。
保健室内の「過ごし方:対応」は学校ごとに違います。
それでは、保健室登校の3つのメリットをあげていきます。
「学校に登校」=「教室に入る」ことです。集団生活の中でいろいろな人間関係がくり広げられています。教室での生活に抵抗感がある児童生徒には、保健室は、安心できる居場所になれる可能性が高いのです。保健室の先生である養護教諭が、心強い味方になってくれることもあります.
保健室登校メリット1 格段に学校に登校しやすくなる
特に保健室登校が効果的にケースは2つ考えられます。
1つ目は 学校への抵抗感が出始めた初期段階での保健室登校
特に、「このままずっと、不登校になってしまうかもしれない」といった学校に拒否反応がでてきた初期段階での一つの対応として効果的です。
2つ目は 学校のへの復帰段階での保健室登校
一般的な不登校のお子さんの心理ですが、一気に教室に入るには抵抗感が強いけど…保健室なら、ぐっとハードルが下がり学校に行ってみようとすることができるものです。
このように、不登校生徒だったお子さんが、再び心が動き始めて「登校したい」気持ちが沸き起こったとき、久しぶりなので、「いきなり教室はハードルが高いな」という子どもにも「保健室登校」が教室復帰へのワンクッションとなり、大変効果的な対応になることもあります。
保健室登校メリット2 生活のリズムが整いやすい 最大のメリットです
不登校の児童生徒の大きな課題の一つに「家庭での生活習慣の崩れ」が起きやすいことがあげられます。
まじめなお子さんほど、学校や休んでいる自分を肯定的には認めにくいものです。結果的に、昼間は寝込んでいるケースもあります。そのまま進むと、昼夜逆転の生活をするお子さんもいます。
保健室登校をすることで、一定の学校生活のリズムを大きく崩すことなくできる点は大変大きなメリットになります。
また、自分自身の心の中でも、ずっと家に閉じこもっているより、一歩踏み出している感覚があります。お子さんのペースを大事にしてステップを踏んでいくことで、学校復帰を目指します。
保健室登校メリット3 先生や子どもたちとの交流や個別対応が可能になる
保健室登校をしている子どもの所に、休み時間に先生や友達がいくことがあります。「教室への復帰に向けて」休み時間等に、保健室で仲のいい友達と会話したりすることができます。
意図的に設定したり、自然発生的に交流を持つ場合もあるでしょう。このような取り組みの下で、徐々に保健室登校から教室復帰を探っていくことができます。
しかし、そうそう保健室登校がうまくいくとは限りません。
教室復帰を目指す「保健室登校の3つのデメリット」って何?
デメリット1 学校ごとに事情が異なる
3つのメリットが効果的に実行させているとは限りません。学校ごとに受け入れる体制と実情の違いがあります。
大規模校等で、頻繁に怪我や体調不良のお子さんが保健室を利用している場合、保健室の先生は、優先順位は怪我等の処置です。
養護教諭にはやるべき仕事があり、必ずしも、個別に対応できる状況ではないということもおきます。
デメリット2 授業には出ていないので、学力向上にはつながりにくい
保健室登校では、授業を進めるわけではないので、基本的には自習です。
一日中保健室で一人で自習って「つまらないですよね」「集中力やモチベーション」的にも難しいです。
保健室登校の場合、保健室に一日中いることは一般的には少ないと思います。午前中のみ、あるいは朝の2時間だけというケースもあるかもしれません。
毎朝、保健室登校後出席の確認をして30分ほどで帰宅するケースもあるかもしれません。
逆に、夕方4時過ぎやお子さんが誰もいない遅い時間帯に、保護者と一緒に登校して数分間の会話をして下校ということも可能です。
お子さんの希望や実態と、学校のできる範囲内での対応になります。
ケースバイケースのその場に適した対応とも言えますが、学力面でのサポートは細々になることもあります。
デメリット3 特別な対応例で、長期間の継続はしないことも
メリットで説明した通り、初期の段階や復帰への一時的な対処例としての活用が多いようです。きめ細かな対応ができないケースも起こります。
長引くと「甘えやわがまま」等の別の問題も出てくる可能性があり、居場所を保健室から図書室等別室に移動することもあります。養護教諭との相性もあります。
学校側にも、限度や限界もあることを頭の片隅に入れておいてください。また、同じクラスの仲間や保護者から理解をされない場合もあります。
こんなふうな感じ方をする仲間もいるかもしれません。すべて学校の対応次第の内容ですが、保護者の方も知っておくべきことでしょう。
保健室から教室に戻れるお子さんもいます。その一方で、先生方から「無理しなくていい…保健室登校でもいいから…頑張ってみない…遅れてもいいから…」との言葉を都合よく解釈してしまうお子さんもいます。
先生方の最大限の配慮ある言葉かけがあるかもしれません。お子さんにしてみると、大変ありがたい言葉には違いないのですが、こんな望ましくないケースも想定されます。
次のステップを迫る段階で、「無理しなくていいといった…」「遅刻していいから登校しようといったはず…」このように自分自身の困難な状況から、言い訳を作り人のせいにして、自分の課題からは逃げ出す行動も見られます。保健室登校が万能なわけではありません。
保健室登校って何?教室復帰を目指す小中学生にメリットとデメリットを解説 まとめ
今回の記事では「保健室登校って何?教室復帰を目指す小中学生にメリットとデメリットを解説」についてまとめてみました。
色々な問題が、子どもの身の回りにはよく起きます。心配で心配で心が締め付けられてしまう親御さんもいることでしょう。
少しでも、お子さんの成長を「長い時間軸」で見てあげてください。お子さんにとって、親御さんが一番の理解者と感じられたら、こんな幸せなことはありません。
保健室登校のデメリットについてもよく理解していただければ、教室復帰へのステップを踏む考え方はとても効果的で試してみる価値はあります。
「ワダチブログ」では、色々な子育てについての関連記事があります。参考にしていただけたら嬉しいです。