4月、生徒との初顔合わせや保護者との初顔合わせに、どんな内容の話をすればいいのだろうか?考え出すと一気に不安な気持ちが押し寄せてきませんか?
誰でも「初」は緊張するものです。もしかして
なんて、考え方は禁物ですよ。
「心をつかむ挨拶」には、技術と心構え(考え方)があります。しっかりと準備して臨めば結果も自ずとついてくるものです。
この記事では「挨拶に向けた最重要ポイント」を「3つの視点」から納得できるようにまとめてあります。
「そもそも挨拶の目的は?」から、今後の生徒指導に役立つ「指導テクニック」を解説しています。挨拶を例に生徒指導の手法を理解できるようにまとめました。
その他にも「初めての出会いの保護者会」の進め方と配慮事項もあります。
この記事で、4月は心を落ち着けて子どもたちや保護者の前に立つことができます。
私は元中学校の校長です。先生方や子育て中の親御さんへの応援ブログ「ワダチブログ」を運営しています。お力になれたら嬉しいです。
新任教師の心をつかむ挨拶! 挨拶の目的とは何か?
新任教師の心をつかむ挨拶の「内容を考える前」に、そもそも「挨拶の目的」は何でしょうか?この視点をおさえましょう。
質問です。
そもそも、はじめての保護者会で、なぜ学級担任は挨拶をしなければならないのですか? そんなこと「当たり前でしょ」という変な質問に、あなたはどのように答えますか?
この質問に対し、教師として出発する「先生」は、こう答えてください。
保護者で担任から挨拶するのは当たり前、だから挨拶自体が「目的」になってしまうのです。
新任の先生に伝授“挨拶”への力量アップの思考転換
保護者を前にしての挨拶の目的は「わが子を受け持つ学級担任の人となりを知ってもらう」ということです。
言葉を換えれば、「私のことを、知ってもらいたい」だから「私は〇〇を伝えたいことがある」こういう「心の向け方」をしてください。
この思考転換の心構えがポイントです。
保護者で「挨拶をすること自体を目的とする」先生と「自分から、このチャンスを生かして、伝えておきたいメッセージを伝えるんだ!」と考える先生の違いは果てしなく大きいとおもいませんか?当然、日増しに教師としての力量差に表れます。
新任の先生に伝授! 指導テクニック2選
指導テクニック1 指導とは生徒に価値観を伝えること
教師の指導とは「話すではなく、伝える」です。それは「指導しました…しかし、子供たちには、保護者には伝わっていません」では、指導ではありませんよね。
教師の一方的な話しかけは、指導ではありません。指導とは生徒に伝えたいことがあるので、伝えることなのです。生徒に届けるイメージです。
指導とは生徒に伝えたいことがあるので、「伝えること」「生徒に伝える工夫」をすることなのです。
「伝えることが指導なら」自分の指導後、「相手に伝わっているか確認すること」が重要になります。
では、どうしたら伝わっているかわかりますか?
それは、相手に聞き話させればいいのです。
私の話は「(指導)伝わりましたか?」と…この考え方を大切にしてください。
生徒の声に耳を傾け、話しを聞きとる力が教師には大切になります。
指導テクニック2 人間には感情があることを意識
相手の感情に注目するのです。
先生が「挨拶した結果」…お母さん方にどんな感情が生まれることを期待したいですか?
こんな感情が沸き起こってくれたらが挨拶は大成功ですよね。
それでは、その「理想のGoal」から考え始めればいいのです。「自分はどんな挨拶をすれば、○○が伝わり、お母さんたち(子供たち)が○○って感じてくれるだろうか?」
と考えるのです。
生徒指導力量アップの「考え方」 まとめ
- 教育活動(取り組み)には、目的がある。「やる」こと自体が目的ではない。
- 指導は「伝える」…「教師が勝手に“指導しました”という言いっぱなしではいけない」だから指導等は「相手に伝わったか確認すること」が大切です。
- 指導前に…指導後の相手の感情を想像する。私は「(相手を)どんな感情にしたいか、そのためにはどんな工夫をすればいいのか」この思考法をマスターする。
では、ここから挨拶の内容、最重要ポイントを解説していきます。
新任教師の心をつかむ挨拶のコツ!最重要ポイント1 非言語的コミュニケーション
みなさんは、挨拶の内容を始めに考えると思います。当然大事なのですが、その前に意識してほしいことがあります。
それは非言語的コミュニケーションです。
具体的には【話し方、声の調子、表情や視線、姿勢や態度、服装・頭髪や着こなし等】のことです。
- 話し方、声の調子…ハキハキとした口調になっているのか?聴き取りやすい声の大きさか、簡潔に理解しやすい話し方になっているか
- 表情…明るい表情か、さわやかに感じてもらえるだろうか
- 視線、まなざし…温かなやさしいまなざしを感じていただいているのだろうか、話しをしている時、教室中一人ひとりに視線が行き届いているか
- 姿勢、態度…堂々とした自信を感じる人柄に映っているか、好感を感じる態度になっているか
- 服装・頭髪・着こなし…清潔感を感じてもらえるだろうか
- 立ち振る舞い…礼の仕方等の礼儀、正しい所作になっているだろうか
細かいことですが、「礼の仕方」は、首からしないよう留意してください。首筋は伸ばしたまま自然にして、(お尻を少し後ろに出す感覚)腰をおって腰から礼をすると綺麗です。所作もきちんと練習しておきましょう。
印象は大切です。教師として保護者の前に立ち「見られている自分」を意識する。この見られている意識が教師という職業の第一歩です。
前段でアクションをおこしたら「どのように伝わっているか、感情はどうなっているか」に注目する手法を解説しました。
挨拶の内容はもちろん大事。(次で解説していきますね)
新任教師の心をつかむ挨拶のコツ!重要ポイント2 伝える内容・基本方針
学級づくりキーワード例
「目指す学級像」が保護者からみて納得できて、理解できる内容であるかが一番のチェックポイントです。
例、目指す学級像は「みんなが笑顔で成長」
- キーワード1は「誰もが楽しい」学級・・・安心安全、居場所のある 一緒にやろう
- キーワード2は「成長」が感じられる学級・・・自分からやります。~できるようになる
- キーワード3は「言葉を大切」にする学級・・・ありがとう、爽やかな挨拶を自分から ウザい、死ね等の乱暴な言葉とあたたかな言葉
- キーワード4は「授業を大切」にする学級・・・いっしょにやろう 教えて
担任の挨拶の一例
私は、この学級を受け持たせていただくにあたり「みんなが笑顔で成長」を自分の中で一番大切にしていこうと考えています。
これから、4つのキーワードで説明してまいります。
一つ目は「誰もが楽しい」です。
人間関係面ではいろいろな問題も起こるかとおもいます。問題がおこったら「しっかりと解決できる」ように全力で指導してまいります。
子どもたちの将来は壁もトラブルもあります。問題が起こらないように配慮して参るのは当然のことですが、問題がおきたら、みんなで納得して解決できるお友だちやクラスにすることが目標です。
保護者の皆様にとって、我が子が安心安全な居場所が教室内にあることが一番かなと察します。この視点を大事にして「誰もが楽しい」学級にしたいと考えております。
二つ目は「成長」がキーワードです。
成長とは、「○○ができるようになった。〇〇に気づけるようになった。〇〇のように考えることができるようになった」という自分自身のより良い変化です。
可能性豊かなお子さんたちです。生活の中で、様々な体験や努力して、楽しい学校生活の中にも
「○○ができるようになった」と自分の成長を少しでも実感できるような学級を目指します。
私は「子どもたちの頑張りを見つけて、認めて、誉めてあげたい」と思います。
今から楽しみにいしています。
3つめのキーワードは「言葉を大切」にする指導に力を入れていきたいと思います。
ウザい、キモイ、死ね等の刺々しい言葉からは、よりよい人間関係は築けません。楽しい学級にするためには、学級内の言語環境には注意させていきたいと思います。
特に「ありがとう」の感謝の言葉と「さわやかな挨拶」を大切にしてまいります。
4つ目です。「授業を大切」にです。
授業は学校生活の大きな柱ですので、授業の時間を大切にしていきます。授業の中で「わからない…」を言えることと「教えて…」を言えることを大切にしてまいります。
みんなで学び合う楽しい雰囲気づくりに努力していきます。
★新年度の学級開きをテーマにした記事がありますので、参考にしてください。その中で学級経営4か条として解説しています。
新任教師の心をつかむ挨拶のコツ!重要ポイント3 相手の立場を慮る挨拶
人から、大事にされて嫌な思いをする人はいません。相手への「敬の心」です。
保護者への「ねぎらい」「感謝」の気持ちを意識しましょう。教師の立場、学校の立場からだけでなく、保護者側から自分を見てみる意識です。
例えば、
こんな様々な感情や意識で参加している“かも”しれません。
保護者会冒頭の挨拶例
繰り返し練習して、慣れる、初々しくも言葉は、明瞭に明るいトーンで、きちんと話すのです。
「、」で一呼吸置くぐらいゆっくと丁寧に教室中を「視線を右から左へ1往復半で」お話しください、笑顔ですよ!
年度当初、保護者会の流れ
- 教室環境(最低限で)を「清潔」に整えます。お花などあるとベターです。学級名簿の」お子さんの番号順に席についていただく。
- 黒板には、保護者会次第(担任の名前も)を書いておく。もちろん丁寧な字です。
- タイムスケジュール(学年内で話し合っておく)
〇担任からの自己紹介(3分) 〇保護者自己紹介(名前+一言)
〇学級づくりの方針(10分~15分) 〇質疑 - 「ロの字」型に机をしておく等の雰囲気づくり。自分のお子さんの席についてもらうことが多いです。
- 廊下から誘導するなど、積極的に明るい声をかけていく。
- 担任の話の長さ10分程度で、どうでしょうか? A42枚程度です。学校や学年でイメージを共有してください。
話しの原稿は用意しておきます。もちろん、保護者前で「原稿」を読んでいるようでは、信頼されませんよね。
でも手持ちに原稿を置いておくことはできます。その方がもれなく、落ち着いて伝えられます。
【学級づくり:生徒指導に役立つ記事です】
【音読指導を家庭にお願いする時、参考になる記事です】
新任教師の心をつかむ挨拶の重要ポイント まとめ
今回の記事では、「新任教師の心をつかむ挨拶(例文)保護者会の準備と心構えポイント3選」でまとめてみました。
新任の先生方には、すでに何校は臨時的任用教員としてお勤めしていて経験を積んでいる方もおいでですし、大卒、企業等からの転職で「初めて」の教壇に立つ先生もいらっしゃることでしょう。
経験不足は事実ですが、教育の仕事は「人の心」を相手にしています。
三尺の童子に拝す
という言葉をご存じですか?
直訳すれが「小さなちいさな子どもを拝む」です。教育の相手は「子ども」への敬の心を常に意識してほしいです。
親御さんには「敬の心」に加えて、日頃の子育てへの「ねぎらい」の心も加えてください。
相手を大事にする「謙虚な心」が教師には必要です。俺様にならないように自分自身を律していただければと思います。
あなたには、20数年も生き抜いた人生があります。辛いことも喜びも經驗していたことでしょう。その「素」の自分を大事に育てながら教育の仕事についていただければ大丈夫です。応援しています。
また、「ワダチブログ」にまで来ていただけたら嬉しく思います。ありがとうございました。