学校の先生

終業式の挨拶例文(中学校)1学期の式辞の話し方と伝え方の工夫

この記事では、1学期終業式(学期末)に子どもたちに語り掛ける「挨拶=ことば」についての提案です。日々子どもたちに丁寧に語り掛け、言葉を大切に教育実践をしている先生方に向けてまとめました。

私は元中学校校長です。先生方や子育てを応援する「ワダチブログ」を運営しています。ここでは、「実際の1学期終業式の式辞内容」「指導項目」を提案しご紹介します。

そのうえで、子どもたちに向けて、どんな視点から誉めて認めて、夏休みに向けて目標を持って意欲的に生活できるような言葉は何か?その話し方・伝えからの工夫話ネタについて理解できます。

1学期の締めくくりの時期に、子どもたちの成長を認めたいと願い、自分自身の「言葉」を大切にしている先生方に役立てていただけたら幸いです。
(2学期終業式についても関連記事があります)

終業式の挨拶例文(中学校) 校長式辞例~冒頭の出だしの話し方と伝え方

では、実際の式辞例の冒頭部についてご覧ください。

終業式の挨拶の冒頭部分の話し方

今日は1学期終業式、4月の入学式、始業式以来、みなさんは日々の係活動や委員会活動、部活動をはじめ、運動会や修学旅行等の大きな行事にも責任ある態度で真面目に取り組み、活躍されていましたね。

私は、みなさんの必死に頑張る姿や楽しそうに学校生活を過ごしている笑顔が大好きです。みなさんの活躍する様子を見ると本当にうれしくなります。みなさんがこの学校の主役で、みなさんがこの学校を創り支えているのですね。

特に行事や部活動での3年生のリーダーシップは立派でした。また、一段とたくましくなって委員会活動で活躍する2年生の急成長は、目を見張ります。1年生も大きな環境の変化の中、ボランティア活動にもよく取り組み頑張しましたね。(略)

みなさんは、1日1日を積み上げ努力し、今日で102日です。1学期のまとめをする大切にしたい節目の終業式です。

生徒に伝えたい指導内容と工夫
例文では「終業式全体の時間と式辞のバランス」で具体的な生徒の活躍内容には乏しかった一面があります。わたくしの場合は約6分~7分を目安にしていました。

具体的な頑張りや活躍場面を取り上げて話す:一言でも「各学年」への言葉かけを入れて話しかけています。
感情表現を入れて話す:「よい面は、よい!」と繰り返し伝えるようにしています。「すごい、嬉しい、ありがとう」等、自己開示を自然と入れていきます。
スポンサーリンク

終業式の挨拶例文(中学校)話し方と伝え方の工夫~話題1「成長の実感」

終業式挨拶の話し方と伝え方~話題1

楽しかっただけの1学期ではなくて、一人ひとりの具体的な努力を取り上げ、認めて誉めてほしい…「自分の成長を実感できるかどうか」が、学校教育の勝負の分かれ目です。

先生方には、学級学年全体の成長と「生徒一人一人が自身の成長を実感できる」学校経営、学年経営、学級経営を目指してほしいと考えています。

一人一人が「望ましい人間関係の下、楽しい学級づくり」を基盤にして「自分の成長」に視点を向けさせることが指導の中心項目です。

ところで、みなさんには「自分が成長できた」という実感はありますか?今日は、みなさんのさらなる成長を期待して、「成長を続ける人」の特徴をお話します。

みなさんが見本にしてほしい特徴は3つ。自分に当てはまるか考えてみてくださいね。

  • 一つ目は、どんどんと成長する人は「こんなふうになりたい」という夢や目標を大事にしています。やればできる!と「前向きな考え方で生活」している人です。
  • 二つ目は、コツコツと継続して努力しチャレンジする「自分から行動」する人です。
  • 三つ目は、失敗しても人のせいにしないで、「人に優しく仲間の長所」がわかる人です。
それでは、成長できな人は、今お話しした3つの反対側にいる人です。こんな感じの人です。

  • 自分なんかできっこない…何やってもダメだ!もう無理」と、いつも後ろ向きの言葉をつかっています。
  • そう言って自分には甘く、授業も家庭学習も受け身で消極的。そもそも努力不足の人です。
  • 人には厳しく色々口実をつけて「何かのせいにしている人」です。

もしも、こんな一面が自分にもあるかな?と感じたら、これから話す私の話を参考にして夏休みを頑張ってほしいなあと思います。

もし親、大人、仲間から「お前にはムリ!できっこない」と言われたら、みなさんはどう思いますか?

誰でも「ふざけるな!」と、不愉快になりませんか?

人にそのような言葉で言われれば誰でも「バカにされた」と頭にくます。そもそも「大変失礼な言葉」です。

ココでよく考えてください。人に言われると不快になる言葉を、自分で自分自身に口にしていいのですか?「もう無理、できっこない」なんて言葉を自分で言ってはいけません。

「チャレンジもしないで、やりもしないうちから、ムリと決めてしまったら、自分で自分をばかにしていませんか?」

先生からのアドバイスです。「もう無理、できっこない」このような言葉は捨てなさい!そんな言葉で自分の努力を放棄するような真似はいけません。

よく心を入れ替えて…頑張る」という表現があるけど、大切なことは、前向きな言葉に入れ替えることです。

生徒に伝えたい指導内容と工夫

楽しい学校生活だけを求めず、意識するのは一人ひとりの「成長」、学級・学年の成長です。この視点を、子どもたちにも意識させます。
1学期間、積み重ねてきた重点項目への振り返りであり、普段からの指導している内容での視点からの話であることです。学校の又は自分自身の「大切にしたい価値観の継続性」であり、特別な話を用意する必要はありません。

終業式の挨拶例文(中学校)話し方と伝え方の工夫~夏休みの過ごし方

夏休みの過ごし方に対する期待を込めて述べます。

38日間の夏休みが始まります。普段の学校生活より、自由な時間が増える夏休みです。「目標を持たないで楽に生活するのか」、言葉を入れ替えて「しっかりと目標をもって努力しつつ、夏休みを思いきり楽しむか」決めるのは自分自身です。

毎日、目標の「言葉を意識」して「考えて」生活しなさい。
今日の生活、今日の努力、今日の意識で「なりたい自分になれるか」「自分の目標は達成されるか」考えてください。

「未来を想像して、今の生活を考えるのです」真剣に「考えること」は大切、即、実行です。みなさんは大人じゃない。でも子どもでもない。

その違いは、子どもは、夢は夢のままだけど、大人は、自分の夢を実現するには「今」どのようにしたらいいのかを考え努力していくのです。夢やなりたい自分に向かって行動を起こす!すごく大切なことです。

夏休みは「何か一つ成りたい自分に向かって努力を、一日一日続けてみてくださくい」何でも自分で決めたことを、こつこつと続けてみてください。

みなさんには一人一人に個性があり、よさがあります。その「よさ」とは、必ずしも人より優れていると言うようなものでもありません。友達との比較でなく、目指すはいつも「自分史上最高の自分」です。

生徒に伝えたい指導内容と工夫

子どもたちの将来の「自立」がテーマです。少々の壁にも負けないたくましさ、しなやかさ、人への優しさ温かさや豊かさを意識しています。
生徒の成長を「長い時間軸」で見通しながら、自分のよさを生かし、自分らしさの磨いてほしいと願っています。
中学生ためになる話(例文)学年主任や生徒指導主任の効果的な生き方指導学年集会、学年朝会は年間教育計画に「計画的」に設定されています。学年主任になられた方なら一度や二度経験があると思いますが… 最悪、...

年間を通して繰り返し伝える内容と結びの言葉:安全面と感謝

終業式式辞、「結び」の内容です。交通安全面等、命に関する項目は、全校朝会等「短い言葉」であっても繰り返し伝えています。

最後はいつもの命の話です。夏休み中も引き続き「交通安全」に気をつけてください。自転車の乗り方に注意して、一時停止やスマホ等のながら運転は絶対だめですよ。マナー面からも本校の生徒として恥ずかしくないようにしましょう。

次に、熱中症に気をつけましょう。

自分の大切な命を守るのは、自分です。寝不足は危険です。しっかりと睡眠をとり、みそ汁等塩分を考えて朝食をしっかりととりましょう。

仲間と声を掛け合い安全に部活動に取り組んでください。少しでもいつも違い異変を感じたら、早めに先生に申し出なさい。先輩のみなさん、1年生のフォローもよろしくお願いします。

最後に、先生方に申し上げます。子ども達に愛情を込めてたくさん、たくさん誉めて認めてくれました。たくさん叱っていただきました。

子どもたちの成長をたくさん感じられた一学期でした。ご指導ありがとうございました。

それでは、2学期始業式に、たくましくなったみなさんに合えることを楽しみにしています。子どもたちと先生方に感謝の気持ちを込め、1学期終業式の式辞とします。

生徒に伝えたい指導内容と工夫

交通安全の視点をはじめ、正しい知識と安全への意識を身につけさせるため、年間を通して話の結びは「自分の命は自分で守る」視点でお話を結んでいました。
大過なく区切りの日を迎えられることに対し、「感謝の言葉」で締めくくるようにしていました。
学校経営の大切なことは何か!校長のリーダーシップで明確な方針と目指す生徒像をせっかく校長になったのだから、自分らしく、理想の学校像を追及して実現したい! 学校経営とは、「校長の自分がすべての責任を負う」とい...
全校朝会の話ネタ!校長講話(例文)の心構えと効果的に語るポイントを解説毎月の全校朝会での校長講話、 どのような手順でネタを考えでお話をされているのでしょうか?校長先生になられてしまうと、他の校長先生の...
終業式の校長挨拶例文・2学期話ネタ!中学生への生き方・考え方の伝え方 この記事では、このような想いをお持ちの校長先生方に向けて2学期終業式の校長式辞(例文)をまとめてみました。また、学年主任や学級担...

人材育成論の記事です!

山本五十六の名言「やってみせ」から学ぶ人材育成の考え方を子育て論に活かす山本五十六(やまもといそろく)氏といえば、太平洋戦争時のアメリカとの開戦に“勝てる見込みがない”と最後まで反対していた人物であり、当時の...

終業式の挨拶例文(中学校)1学期の式辞の話し方と伝え方の工夫 まとめ

今回の記事は、「終業式の挨拶例文(中学校)1学期の式辞の話し方と伝え方の工夫」で、まとめてみました。

私は「言葉の力」を信じています。教師の指導力とは、子どもたちに「言葉を丁寧に伝える」ことだと考えています。将来に自立に向けて「正しい価値観」を提案していくことだと考えています。

わずか7分程度の与えられた時間。

言葉を届けることへのこだわりを持ちたいと考えて、ささやかな実践を積み重ねてきました。教師である以上、自身の影響力を自覚して「豊かな言葉をたくさん生徒に届けてほしい」と願っています。

少しでも、先生方のお役に立てれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。

「中学生の生き方授業」「子育て」等のカテゴリーもありますので「ワダチブログ」にもお立ちよりいただけたら嬉しく思います。