この記事では、このような想いをお持ちの校長先生方に向けて2学期終業式の校長式辞(例文)をまとめてみました。また、学年主任や学級担任の先生方には、学期末に行う学年集会や学級会での話ネタにもなります。
私は、公立中学校の元校長です。現在、今までの経験を伝えたいと願い“子育て中の親御さんと先生方”を応援する「ワダチブログ」を運営しています。
実際にお話した式辞例文から校長式辞の「考え方」と「指導内容」について、参考にしていただけたら幸いです。
終業式の校長挨拶例文・2学期話ネタ!…「人生の主人公は自分」
2学期終業式の式辞の実際です。
今年も残すところ一週間。いろいろなことがありましたね。
今日は「二つの世界」というテーマで2学期の振り返りと新年に向けての心構えについてお話をします。
私達が生活するこの世界は、大きく分けると「2つの世界」で生活しています。
一つ目の世界は「私の世界」です。この言葉は、「みなさん一人一人、誰もが自分の人生は自分自身が主人公だ」という意味です。
自分自身が主人公なのだから‥‥自分を輝かせるのは自分自身だということです。
つまり、
「何事も人任せはいけない」ということ。「自分の責任で自立して生きる」ということ、「できない理由やうまくいかない時、人のせいにしない」ということです。
学校生活で考えるなら、自分がしっかりとよく考え、判断して、決断して、自分の責任で行動を決めていくということです。
このような「私の世界」をみなさんは生活しているのです。
ところで
私は今、三年生一人ひとりと「校長面談」をしています。その時、「将来の夢について尋ねています」
学校の先生、保育士、警察官、看護士、動物の調教師、ピアノの先生、家の仕事を継ぎたい、~について研究する学者になりたい人も、国連で働きたい人も・・・物作りをしたい、人の役に立ちたい等、まだはっきり考えがつかない人もいます。
まだ決まっていない人には、「焦ることはない、きっと見つかるから何事にもチャレンジして頑張って」と、伝えました。
私は、3年生の一人一人の熱い想い、真剣な思いに触れ、本当に嬉しかったです。ぜひ、1・2年生も「私の世界」を大事に、大事に育てていって欲しいと思います。
3年生の2学期の振り返りには、受験の辛さを書いた文章がありました。3年生は、卒業を前に「進路決定」という中学校最大の、最後の試練があります。
辛いでしょう。不安でしょう。怖いでしょう。それは、「受かりたい」と心から思っているからくる感情です。自分と真剣に向き合っている証拠。だから大変なのです。
その辛さに向き合うことで、人は多くのことを学び成長します。今、3年生の心が苦しいのは、「私の世界」を生きているからです。
「私の世界」を意識し、自分と向き合い生活を充実させながら、人は成長するのです。3年生のみなさん、頑張ってください。応援しています。
「私の世界」の楽しい一面もあります。それは、自分が本当にワクワクすることを大切にしてください。大好きなことをする時間を大切にしてください。
自分が落ち着く時間がイイです。ワクワクする…きれいだなあ、すごいなあ…と感動することがイイですね。
花を育てる、体を動かす、何かを創る、ランニングをしたり、動物を愛情をもって育てたり、読書したりと‥‥
何でもチャレンジしてください。冬休みには、是非自分一人の落ち着いた時間にもって楽しみを見つけてください。
校長の言葉で伝える「自立した生き方・考え方」の伝え方1
校長の話は年間を通して心掛けていることがあります。それは将来への自立をGoalにしているところです。
例えば学校づくりの中核的な目標は
「(いじめがない)安心安全な学校 誰もが楽しい学校 学力を身につける学校」
このような学校づくりですが、教育の最終目標は「生徒一人一人の未来を考え、自分らしく自立した生き方をすることでないでしょうか。
つまり、自分自身の支えとなる考え方を身につけることと考えています。考え方とは「言葉」でできています。
- 「みなさん一人一人、誰もが自分の人生は自分自身が主人公だ」自分自身が主人公なのだから‥‥自分を輝かせるのは自分自身だということ
- 「何事も人任せはいけない」「自分の責任で自立して生きる」「できない理由やうまくいかない時、人のせいにしない」
- 自分がしっかりとよく考え、判断して、決断して、自分の責任で行動を決めていく
このような言葉は、式辞だけでなく全校朝会等、機会あるたびに繰り返し繰り返し、言葉を届けていました。
終業式の校長挨拶例文・2学期話ネタ!中学生への生き方・考え方の伝え方
式辞の続きになります。二つ目の世界について…
二つ目の世界とは「ともに生きる世界」です。みなさんは、一人で生きているわけではありません。
私達は、この「○○中学校」を舞台に「ともに生活」しています。
2学期は、学級の仲間や部活動の仲間、生徒会や各委員会等、役割を果たし責任ある一人の生徒ととして「ともに生活」してよく頑張りましたね。
運動会や合唱祭等、いろいろな楽しい行事がいっぱいありました。仲間とともに生活することで、喜びが2倍3倍にふくれあがったり、悲しみが半分になったりしたことでしょう。
その一方で、良かったことばかりではなく、時には友達とトラブルがあって苦しかったこともありませんでしたか。その都度、仲間とともに生活することの意味を考えたことでしょう。「ともに」生きていく大切な力を身につけてほしいです。
2学期を「ともに生きる」視点から振り返り、考えてみましょう。
- 相手の立場に立って考えることができましたか
- 乱暴な言葉を使いませんでしたか
- 「ありがとう」等、優しい温かい言葉ではなせましたか
- 相手の話をしっかりと聞くことができましたか
- 爽やかな明るい「挨拶」ができましたか
- 時間等、約束を守ることができましたか
一つ一つが「ともに生きる」大事な言動です。
これからの社会で、自分の先輩、後輩等仲間とともに生きていくためにも、人に優しく思いやりの心や、言うべきことは言って表現したり時には謙虚に耳を傾けたり、コミュニケーション力を発揮し「ともに生きる」力を身につけて活躍して欲しいと思います。
本校の大切にしている言葉の中に「絆」と「成長」がありますね。2学期、みなさんはともに生活する中で「絆」を深め、大きくたくましく「成長」しました。心から嬉しく思います。
仲間がいる、先生がいる。そして、みなさんを愛する家族がいるのです。年末年始という特別なお休みです。ぜひ、「家族とともに生きる」ありがたさに、感謝して楽しい年末年始をお過ごし下さい。
校長の言葉で「価値観を伝える」~生き方・考え方の伝え方2
学校生活とは、集団生活です。子どもたちは、将来に向けて「望ましい人間関係づくりの知恵」を学ばなければなりません。
「違いを認めある価値観」が大切です。一人一人の違いを「変」と感じるか、「個性」として認め合えるかの違いは、その生徒の人生を大きく左右する「考え方」です。
さらに、ともに協力し合って…役割を自覚し、責任を学びつつ成果を挙げる経験は、学校教育しかできない学びです。
コミュニケーション能力の大切さについて、語り続ける姿勢を校長として持ちたいものです。楽しい学校生活の先にある、生徒一人一人が成長を実感できる学校生活を目指させたいものです。
終業式の校長挨拶例文・2学期話ネタ!中学生1・2年生に向けて
最後に、1、2年生のみなさんにお話します。みなさんには「あこがれ」という言葉をおくります。
「あの人に、近づきたい、追いつきたい…」そんな気持ちは、人を成長させます。2年生の皆さんが、○○中の主役になって学校支えるのです。準備は整って来ましたか?
一人一人の成長に合わせ表情がとても豊かになってきましたね。
1年生のみなさん、先輩になる準備はいいですか。
たくましくなった。自信もついてきたでしょう。今こそ、生活を充実させて○○中の生徒として成長の時です。
最後の最後に、命に関わる、交通安全だけには十分気を付けて生活してください。新年にまた元気に会いましょう。以上で、2学期終業式式辞とします。
具体的な成長を取り上げたり、
「あこがれの連鎖」をキーワードにして、3年生が最高の姿を見せる学校づくり。そして「目指せ3年生、追い越せ3年生」をテーマにあこがれの連鎖で学校に対する誇りを育む狙いで語り続けます。
人材育成論の記事です!
終業式の校長挨拶例文・2学期話ネタ! まとめ
今回の記事では「終業式の校長挨拶例文・2学期話ネタ!中学生への生き方・考え方の伝え方」についてまとめてみました。
校長の言葉は、生徒に語るだけではなく「先生方」も聞いています。先生方に、校長として何を大切にしていくのか、そのベクトルを合わせるうえでも「こだわりたい言葉」です。
私は、「生き方、考え方」を語り続けました。その内容は、言葉でできています。どのような言葉を校長として語るか、楽しみながら考え続けたいものです。
「ワダチブログ」では、「入学式や卒業式、各学期の始業式、終業式に修了式」と例文をまとめてあります。参考にしていただけたら嬉しいです。