学校の先生

心に響く話し方のコツ(先生用)子どもを惹きつける手法と自分の魅力の引き出し方とは?

みなさんの学校には、子どもたちを視線をくぎ付けにさせ、魅力的なお話をする先生はいますか? 心を惹きつけるお話で「うまいなあ!」と感心してしまう先生っていますよね。

私も、先生方からいい話だった、話しがうまいねと言われたい。

子どもたちがキラキラした瞳で聴いてくれるような話し方ができるようになりたい…

こんな願いの先生方に向けてまとめました。

話す前には準備が必要です。自分の話し方を振り返ることも大切。そして話し方の手法理解すれば、あなたもきっとステキな話術を身につけることができます。

この記事では、

  • 「話が下手な先生」「話がうまい先生」の特徴
  • 子どもの心を惹きつける話し方のコツ5選

について、解説します。

私は、公立学校の元校長です。これまでの色々な場面で子どもたちや保護者の方々に向けて指導支援やお話をしてきました。現在その経験を活かして先生方と親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。

話し方のコツ5選を実践し、自身の話し方を見直しあたらな視点で工夫するだけで、あなたの魅力はきっと高まります。

心に響く話しができない!話が下手な先生の特徴とは?

「話がうまくない」先生方には、特徴があります。ここでは4つに分けて解説します。その傾向を自己理解して、ポイントを意識した話し方をすれば、あっという間に改善されます。

話が下手な先生の特徴4選

子どもたちは2学期にもなれば、学年の先生方の話し方の特徴も理解しています。自然とどの先生が「話しがうまい先生、下手な先生」ということもわかってきます。

大人でも、話しの内容より「どんな話し方をされ方か」の方が鮮明にわかりますよね。

残念ながら話が下手な先生には、ある共通する「話し方」があります。

  1. 話が長い。何がはなしたいのか要点がぼやける。‥‥わかりやすく話せないので、自分の話で迷子になってしまい、その結果長くなってします。(話の筋道にまとまりがなく子どもたちの集中力が切れてしまう)
  2. 話がうまくないという自覚がある先生、(自覚のない先生も)…ともに、事前準備に懸ける時の少ないか、準備時間をかけない。確かに話すことに慣れているのでお話はできますが、うまく伝えたいという努力はしないから長年ずっと同じ話し方をする先生です。(自分の話しが下手と自覚している先生で、克服への努力している先生は極めて少ない)
  3. 1と2に比較すると、ここでつまずく人はぐっと減りますが…非言語的なコミュニケーション能力が低い。明るい表情、ハッキリとした口調、聞きやすい話し方、話す熱意、態度服装等で課題がある。☆話し方も単調でリズムがない。こんなところにも改善の鍵があります。
  4. 子どもたちの方で、あの先生の話は“長い”“わからない”ことを経験上わかり、モチベーションも下がるという悪循環もでてくる。子どもたち自身の「聞く構え」に違いがでてきてしまいます。

実際に子どもたちは、心をつかむ話し方ができる先生と比較してしまい「差」を感じてしまいます。

そこで、子どもの心をつかみ、集中して話に引き込むにはいくつか条件があります。

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子どもの心に響く「話し方のうまい先生」のコツ6選

子どもの心に響くコツ1 うまい先生の話は、長くない。

講話ではありません。A4版1枚程度の分量で充分です。話す時間は6分ぐらいを目標にしましょう。ダラダラ話は禁物です。

challenge ご自身の持ち時間を自分で設定して、時間を意識してその中で話しをまとめる工夫をしてから、臨む。

6分間で子どもの心を惹きつけるお話ができる先生なら、15分話してもきっと内容の濃いまとまりある話ができるのです。

なぜなら、6分間が筋道がきとんと整っているので、各部分を例を挙げるなどして話を膨らませることが簡単にできるのです。つまり、短い話でしっかりと内容を伝えるほうがずっと難しいのです。

「鉄則は短く」を意識して心に届く可能性がグッと近づきます。

しかし、短い話で心をつかむには、理路整然としていて、かつ、わかりやすい内容でなくては子どもの心には伝わりません。事前準備なくして、短くは話せません。

子どもの心に響くコツ2 うまい先生は事前に原稿を用意している

原稿なしでも、うまい先生もいます。個性的で味のある話をします。しかし、その話し方はその先生のオリジナルで真似のしようがありません。

そこで、この記事では「努力」で話し方の向上を目指します。

私の経験談で失礼します。校長8年間、校長の仕事は挨拶の連続ですが、私は朝会等で必ずA4枚の読み原稿を用意していました。(実際の挨拶場面では原稿はほどんど見ません)

話すことに慣れ、特段緊張もなく原稿なしでも、校長講話はできます。しかし、自分自身への戒めと要点整理のため、十分時間をかけて推敲してきました。

challenge 先生方におススメしたいことは、実際に話す形で読み原稿を用意する、手間をかけてください。原稿を書く作業を通して、自分自身の話を推敲してください。どうすれば簡潔にわかりやすくここに届くか、訓練が必要です。

この地道な作業を教育のプロとして、あなたはどう判断しますか?

子どもの心に響くコツ3 話のうまい先生の「話し方は、真剣でも明るくユーモアも」

相手に届く話とは、内容のすばらしさはもちろんですが、大きな影響力を子どもたちに与えるいる条件があります。

それは、話し手の「表情」「声の調子」「立ち姿」です。非言語的コミュニケーションと言われるものです。話す内容は言うまでもなく重要なのですが、この話し手の「話し方」は実に大きな影響力を及ぼします。

どんな「話し方」をしているか先生なのか、この視点が子どもを惹きつけるポイント

challenge 自己チェックしてみてください

  • 先生の立ち姿はいつも真剣、堂々としている
  • 時々冗談も言ったりして‥‥先生の笑顔はホッとする
  • 先生の声はいつも元気があって、明るい(聞き取りやすい)
  • 先生の表情やまなざしは、いつもやさしく温かい

子どもの心を惹きつけるカギは、話しの内容だけでない、先生の人柄のパワーが大きいのです。伝えたいという熱量です!

子どもの心に響くコツ4 子どもの心を惹きつけるコツは「ゆっくり・考えさせながら」

「マシンガントーク」という話し方があります。

早口で聞きにくく、聞き手が受け取る情報量が多すぎるため集中力を欠いてしまいます。講話の話は情報というより、考えてもらうネタを提供するわけです。

聴いて「考える」ということは、話し手の言葉を理解する時間が必要です。子どもたちに話しをするときは「しっかりと話を聞いて考えてもらう」場面です。

先生の話を聞きながら考え、理解しなければならないのに、どんどん話が進んでは「分からない もういいや」と聞く気が失せてしまいます。

先生は話慣れているから早口が多い! ゆっくり話すようにしましょう。

話し手にはクセがあります。クセは自分では気づきにくいもの、また、教員同士で指摘し合う文化はあまりありません。

challenge

「自分が感じる以上」に「ゆっくり」にすることを心掛けてみてください。

程度がちょうどいいでしょう。話し手はこれから話すことを理解した上で話しているので、話が早くなっても気付かない傾向があります。しかし、聞き手はそうではありません。

また自分で意図的に「間」をつくって、5秒ほど黙ってみるとイイです。「あれ…」と集中力が増すこともあります。逆に言えることは単調な話し方はダメと言うことですね。

途中に、質問をして挙手を求めたり、考えさせ意見を求めたりすることも効果的です。一工夫を考えてみてください。自分の話し方の型ができてきます。

子どもの心に響くコツ5 子どもの心を惹きつけるコツは「誰が話すのか」

意外かもしれませんが、これも心を惹きつける大切な要素です。「誰が話すか」です。

たった一度の話なら、内容と話術で完結です。それは講演会やゲストティーチャーのケースです。

challenge 学年主任や生徒指導担当等、学年担当の先生方は、子どもたちと1年間生活を共にする先生です。築き上げた信頼関係を土台にしてお話をするわけです。ともに生活するから「ぜひ、話したいという内容も気づくわけです」

あなたは、役割で仕方なく話しているのですか?話したい、是非伝えたいことを語っていますか?この違いを自己点検してみましょう。

もし、あなたの学校で話のうまい先生が話をするとき、子どもたちの聞く構えは、先生が話しだす前から整っているはずです。

○○先生の話…これだけで。まぎれもないこれまで共に過ごしてきた経験が導き出した結果です。正直に子どもたちの態度に現れます。積み重ねの信頼関係ですね。

子どもの心に響くコツ6 内容は褒め認める事柄 事実を具体的に

話を聞いている内容は、否定的な「ダメだ、できていない、しっかりやろう」という内容を避けてみましょう。(もちろん、言わねばならない時もありますが、その時はコツ3で示した通り“真剣”に伝えてください)

「最近ココが良くなってきている。」

「みんなにはこんな良さがある。」「ココを伸ばしていけ場、きっと○○もできるようになる。」

こんな話し方がやる気を高めます。

コツは事実を例に話しを構成することです。従って、子どもたちと一緒に生活していることが条件にもなってしまいますが、当然と言えば当然ですよね。

「こんな行動が光っていた。こんな言葉をしてくれた。」事実の積み重ねが心を引き込んでいきます。

企業のように、魅力ある話し方(テクニック)が、独り歩きする学校現場ではありません。子どもと共に生活する、先生自身の人柄そのものが教師の話し方テクニックです。

子どもの心に響くコツ7 内容は将来につながる、成長の視点

しかも継続性があるテーマです。おススメは、生き方指導です。生き方指導と言うと慣れない方は、大げさで敷居が高く感じられるでしょう。生き方指導には理由があります。

まず中学生の年代は、もう子どもじゃないという意識の芽生えです。しかし、経済的に自立していないため、大人でなないことは自覚しています。でも、絶対もう“昔のような子どじゃない!”これが中学生の一般的な意識です。

生き方指導とは、大げさなことではなく、

「こんなふうに考えるとためにならないか、カッコいい自分いなれないか、大人はこんなふうに考えるんだよ。ちょっと得した考え方だよな…」

こんな感覚の話のキャリア教育であす。

challenge「生き方指導、自分のあり方、こんな大人になりたい」と考える中学生とって、「なるほど」と感じてもらえる内容になります。簡潔に分かりやすい言葉で伝えることを心がけるようにしましょう。

自分の魅力の引き出し方とは?

テクニックの上達には、真似をすることも大事です。上手い方の真似は、上達への鉄則と言ってもイイかもしれません。しかし、真似だけではあなたの魅力は開花しません。

魅力的な話し方は、断然、個性優先!真似より、自分らしさの追求です。

表情も、声の張りも、目の輝きも、その先生ならではものがあります。話し手が

「私は本気でこう考えているの!みんなどう思う!」

こんな心から発する言葉は、優しくても迫力があり、子どもの心に届くものです。

challenge  どんなにきれいでスマートに話しても、その人に似つかわしくない真似では、真実は伝わらないのではないかと私は考えます。自分のスタイルを磨き続けることが、その先生の味となり、子どもたちの心に寄り添える話し方に、きっとなると思います。

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心に響く話し方のコツ(先生用)子どもを惹きつける手法と自分の魅力の引き出し方とは? まとめ

今回の記事は「心に響く話し方のコツ(先生用)子どもを惹きつける手法と自分の魅力の引き出し方とは?」をテーマにまとめてみました。

話し方は教師のプロの技です。教育実践家として、こだわり研鑽し高めていきたいものです。

教師は、決して話せないわけでないから、自分自身に甘えと油断が出てきてしまいます。教育の実践家としてのプロ意識をもって高めていきたいものです。

「ワダチブログ」では教育関連記事を多数掲載しています。みなさんのお力になれたら幸いです。