学校の先生

学年主任の仕事とは?役割とリーダーシップを解説!やりがいのチーム論

はじめての学年主任…学年職員がうまくまとまるだろうか?

リーダーシップは発揮できるかな?

そもそも、一番気を付けることって何かな?

生徒指導や授業には自信がある先生方でも、「学年リーダーの学年主任」を任されると、どのような意識で仕事を進めていくのか例年とは違う緊張で不安になるものです。

実際、学年主任ならではの悩みも多く、気苦労の多いポジションでもあります。

この記事は、はじめての「学年主任のポジションに不安を感じる先生方」や「もっと学年経営の力量を付けたいと考えている先生方」に向けて、まとめてみました。

学年主任の仕事を進めていくうえで「学年主任の考え方と役割」「プレッシャーやストレス解消への考え方」

学年職員をまとめる「心配り」等、「リーダーシップの発揮の仕方」について解説しています。

私は、公立中学校元校長です。学年主任、教務主任、教頭、県教育委員会と経験を積んできました。退職後、ささやかな経験を伝えたい気持ちが高まり、子育て中親御さんや先生方を応援する「ワダチブログ」を開設しています。

学校の要になる学年主任先生方の不安や悩みが、読み進めていきながらご自身で整理されることを目指しました。

この記事で、自分らしさを発揮する「考え方と手法」をつかんでいただけましたら幸いです。

学年主任の仕事とは?役割とリーダーシップを解説!「手のひら」組織論

「掌:てのひら」組織論で、あなたの役割をわかりやすく解説していきます。

「掌(てのひら)」を例に学校が組織体であることが的確に表現している橋本昭氏の『鶏肋覚書』から引用します。

指を見る。五本がそれぞれ長、短、太、細、そして向きや動きの微妙な違い。「パア」にすると五本が大きく離れるが、しかし向きは同じ方を向いている。指の間隔は自在に動く。

一、四になったり、一、二、三になったり、三、二になったり、二、三になったりする。「グゥ」にしても色々な形が生まれる。物を握る時も、握り方でそれぞれの指の握力も違う。

それでいて一つの指が傷つくと忽ちにして手の機能に異常をきたす程に連帯が強い。五本の指は個別に動きつつ全体としての機能を果たす。どの指一本たりとも傍観者はいない。まさに組織体である。

手に役割:役職を付けます。

  1. 「指」が、個性豊かで強み弱みをもつ先生方
  2. 「「掌(てのひら)」が、指(先生方)を結び付ける責任、教頭先生や教務主任
  3. 学校の方向付けをして導くのが「手首」の校長先生です。

学年主任は教諭なので「指」なのですが、期待されることは手のひらの教頭先生と教務主任と指の先生方をつなぐ役割を果たす、間接の部分なのです。

学年主任の仕事・役針は、学校全体がスムーズに動くかどうかは学年主任の力量によるところが大きいです。

校長、教頭の働き責任を「意識」して働くことです。学校全体からすれば、とっても頼りになる先生方なのです。

 

学年主任の期待される考え方と意識

  1. 他学年の学年主任、教務主任と連携協力すること。
  2. 教頭の役割を意識して掌の一部になることを考えて行動する。
  3. 手首の校長が示す「学校の方向性を考えて」行動すること。

また、この考え方を学年組織で考えると、こうなりませんか?

学年組織では

学年主任の先生が「掌てのひら」になります。そして、手首の役割も果たしているのです。

もちろん、学校全体の動き(校長先生、教頭先生)をよく理解したうえで、教務主任や各学年主任との連動した動きを心掛ければ、あなたはもうバッチリと学年主任の考え方ができています。

その中で「あなたらしいチーム」を目指してください。

ストレスや不安の解消の鍵は、自分自身の立場の変化をしっかりと理解して、受け入れることです。

そう、「ここまでよく頑張ってきた!自分もそれなりに成長したな…次のステージに挑戦だ!」と、肯定的な自己理解が大切です。

学年主任という重要な役割を「漠然」と察していたので、不安や戸惑いが起こっていたのだと思います。

しかし、今ここでハッキリとその役割と責任が理解できたと思います。

目指すところが明確になれば、一歩一歩自分らしく進んでいけばいいのです。校長先生が「あなたに学年主任をお願いしているのですから、あなたの教育実践と人柄に期待しているということ」です。

今まで通りあなたらしく進むしかありません。ただし、掌論の考え方を常に意識した行動と責任が期待されていることを前向きに考えていきましょう。

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学年主任の仕事とは?役割と心配りとは?チームワークの要は“敬の心”

学年主任は、学年内の教師同士が良好な人間関係を築くことへの心配りが大きな仕事です。「人間関係の調整」…学年主任の気苦労とストレスのおおもとを考えていきます。

学年主任は「別次元のステージ」に生きる

今までは「授業づくり」と「教育活動」に実力を発揮していたと思います。また、生徒指導問題が発生すれば、適正に課題解決へ指導され頼られ活躍されていたことでしょう。これを一口で表現すると「自分自身の仕事に専念できた」ということです。

学年主任は、この立場が一気に変わります。

学年主任の意識は「子ども」だけに向けられなくなります。それは、「学年内の先生方」に意識を向ける割合が急激に増えていきます。

そこで、学年の先生方に目を向けてみます。すると大抵こんな感じです。

学年を構成する教師チームは、基本「異」の集団なのです。

男性と女性、20代から50代の年齢差、生徒指導等の力量差、例えば、保護者対応等の経験不足、性格も長所も苦手もみんな違います。

このような先生方のコミュニケーションを促進し、一体感をもたらす手腕は、想像しても大変難しいことがわかります。つまり、学年主任の仕事と役割は「誰れがやっても、大変な役割」なのです。

身分は同じ「教諭」ですが、明らかにその求められるものは「次元の違うステージ」なのです。だからこそ、そこに苦労とやりがいがあり、教師としてのステップアップがあります。

それでは、どのような「心配り」でまとめていくかについて解説していきます。

学年主任の仕事は「敬の心」で「自分から」アプローチ

一番厄介な感情は、勤務してきた地域や学校の進め方が、微妙に違い、働いてきた軌跡がみんな異なります。すると一番厄介な感情が経験を積んだベテランほど沸き起こります。

「今までとは違う…」「自分には、できないかもしれないかも…」

「今までと、同じようにしたい」「それならできる」

「初めての方法では自信がない‥‥そもそもやる必要ある?」

こんな感情の教職員を「ダメだなあ」と感じる前に、自覚してほしいことがあります。

学年主任は、一般的には学年内教員より「生徒指導等対応」や「多様な教育実践」で一歩リードしています。

この事実を自覚してください。(もし仮に、他の教員の方が優れていたら、中心になってもらい一緒にやればいいだけです)

以前なら、「自分ができます」と快諾し実践していたかもしれません。しかし、

今は立場が違います。自分が学年職員をリードして共通理解と統一行動が求められます。

その時、欠かせない資質が「敬の心」と「自分からのアプローチ」です。

それでは、敬の心から説明します。

頼りにされる学年主任の「敬の心」

「敬」の字は、敬意の敬です。敬の心とは「誰に対しても」分け隔てなく、年齢や地位や社会的な肩書に関係なく、お互いが敬愛し合うことです。

敬の心の反対側は、人を見て態度を変える人です。相手を敬うことをせず上から見下す心です。相手によって、状況によって、自分のとる態度が変わる不安定な人です。人をまとめるリーダーは、公平公正が原点であり、精神の不安定さは禁物です。素直さと謙虚さが欠かせません。

若い初任者にも、生徒指導の力量面で不安があっても、誰に対しても同じように接する心のことです。たとえ厳しい注意や助言であっても、「敬の心」がある方なのかどうかは、人はみな伝わるものです。

人はうまくいっている時には、みんなニコニコして大差ありません。大きく異なるのが、「自分の思うようにならないイライラな状況や苦しい時の対処の仕方に、教養の差が顕著に表れます」

リーダーを歩まれ始めた先生方は、是非、自戒の言葉として「敬の心」をとどめてほしいと思います。人はあなたの言動、あなたの表情、立ち振る舞い…、みんな仲間は見ているのです。

あなたの、その人柄の「違い」はチームに敏感に感じ取るものです。裏を返すと、学年主任の敬の心は、信頼に基づくチームの核になります。親しい中にも礼儀ありです。

学年主任の「自分からのアプローチに救われる」+傾聴

学年主任は、常に視野を広くして、「目配り」「気配り」「心配り」を意識するようにしていきます。

あなたの言葉は「こころ」に包まれて、はじめて相手に伝わる言葉となります。リーダーの学年主任からの折に触れての一人一人の先生方にかける「あたたかな“気にかけている”言葉かけ」は、弱気な心を元気にさせます。

自分の話は呼び水にして、話しを聞き出す、話しがしやすい学年主任を目指してください。ここにチーム愛の鍵があります。

「自分がリードすることだけを考えず」…相手の話に耳を傾けましょう。

大人にとっての信頼の鍵は「自分の話を聞いてくれる存在」です。

耳を傾ける「傾聴」という言葉には、こんな意味もあります。

  • 「学年主任は…私の話を、いつも真剣に聞いてくれる」
  • 「学年主任は…笑顔で、楽しく聞いてくれる」
  • 「学年主任は…私が言いにくいことでも、話を待って丁寧に聴いてくれる」
  • 「学年主任は…未熟な私の話の真意を見抜き、補ってくれる」

こんな聴き方は、学年主任い「余裕」がないと無理ですよね。たとえ仕事は忙しくても、立ち振る舞いの余裕が仲間の安心感を導きます。

学年主任の愚痴やマイナス言葉に表情や目が疲れていては、そもそも話しかけないです。仲間のほうが気を使ってしまいます。

学年主任からの「いつも変わらない」元気な声掛けや、何気ない「会話」「いつも変わらない温かな聞く姿勢」にきっと、一体感が生まれます。

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学年主任が見守り意図的な活躍の機会を

きっとあなたが集中したら、学年主任のスピードに仲間は敵いません。時には、自分でやってしまった方が「確実で早い」ことは多いです。しかし、それではチームが育ちません。(もちろん、緊急時は別です)

「チャンスを与えて」結果をださせ、「感謝の言葉で労をねぎらう」ことを意識してください。

「チャンスを与えて」を大げさに考えなくても、日常でこんな場面はありませんか?自分が取り掛かっている仕事、頑張れが終わるめどは立ってますが…

○○先生、この仕事、手伝ってほしんだけどお願いしていいかな?

私は、急遽○○を始めていきたいのだけど…力貸してくれる?

…の最後の詰めをやってくれると助かるんだけど頼めますか?

どんどんと、仕事を振り分け頼むのです。(大きな仕事はしっかりと分担しますよ。仕事を振られてばかりでは、つぶれてしまいます)

適切な量、適切な内容のできる仕事です。適切なタイミングです。

そして、仲間の「やっておきました」の声に「ありがとうございました。嬉しい。助かりました」学年主任とのこんな言葉のやりとりが、チームの一員という自覚を育てていきます。

大きな仕事も、最後が見えだしたら「みんなで一気にやること」ができたら、最高ですね。

学年主任としての責任を背負うことは大切ですが、一人で抱え込み過ぎるのもよくありません。適切に助けを求めることが、必要です。「しっかりと、感謝の心が届くようにお礼の言葉をかける」この当たり前が大きな信頼とチームの一体感の元になります。

もちろん、業務分担に偏りがないように配慮することが「第一配慮事項」に違いありません。

さらに、仕事ぶりを見ながら、あえて業務に集中できるように臨機応変に会議等も調整も有効です。

先生方の立場になり、助言が必要なのか助けをもとめているのか、静観すべきなのかは、いつも見極められるように心を配ってください。時には二者面談終了…等時々、学年全員でスイーツでも食べながらの雑談できたらいいですね。

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学年主任の仕事とは?役割とリーダーシップを解説!チーム論 まとめ

今回の記事は「学年主任の仕事とは?役割とリーダーシップを解説!やりがいのチーム論でまとめてみました。

学年主任は所属職員への心配りは、

  • 各先生の特長や長所を気持ちよく発揮され、生き生きと活躍してもらうこと
  • ホウレンソウの関係で言葉を交わし合い、各学級の課題を直ちに互いに共有、一体で課題か解決に臨む学年(孤独感を感じさせないチーム)

(時間の経過とともに自然な形で)私生活を含め人柄を理解し合い、人間関係に安心と信頼を感じられる学年

このような、やりがいの教師生活を送れる環境の鍵は、先生方にとって一番身近な存在の学年主任の力量にかかっています。

これは大変な仕事であり、この役割は「校長の立場」を変わりません。それだけ、やりがいがある立場であり、あなたは今までとは違うステージに立っているのです。経験を評価され期待されている存在です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。学校教育や子育てを応援する「ワダチブログ」には、様々な考え方の記事があります。参考にしていただけたら幸せです。

細かな考え方や手法は「学校の先生」「中学生の生き方授業」「子育て相談」の各カテゴリーにまとめられています。

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