学校の先生

学級経営の大切なこと!クラスがまとまる先生の特徴は?学級目標の活かし方も解説

はじめて学級担任になったけど…どのように学級づくりを進めればいいんだろう?…

他の先生方はどういうふうに、学級目標をつくっているんだろう?

まとまりあるクラスになるかな?生徒指導に自信がない、誰か教えて!

新年度、こんな不安に駆られる先生方に向けて書きました。学級経営の大切なことや生徒指導のうまい先生の特徴とマズい先生の特徴をまとめました。学級づくりには学級目標や先生が語る言葉にコツがあります。学級目標の活かし方を通してを解説します。

この記事で学級担任が4月に大切にしたい学級経営の具体的な考え方と手法について理解できます。

私は元公立中学校校長です。先生方を応援する「ワダチブログ」を運営しています。実践から学んだ考え方や手法のコツをご紹介しています。

学級経営の大切なこと!クラスがまとまる学級目標の作り方

はじめに紹介するのは「言葉のカスタマイズ」という考え方と手法です。その効果は、3つです。

1.まとまる学級づくりのコツ!「言葉のカスタマイズ」3つの効果

言葉を丁寧に語ることで、学級づくりがうまくいく生徒指導のコツを解説していきます。最初は言葉のカスタマイズについてです。効果は3つです。

  1. 具体的・効果的な策がうてる 
  2. 生徒が何を目標にするのかがハッキリと理解できる。 
  3. 先生と生徒の意思疎通が深まる。

さあ、具体的に解説していきます。はじめますよ。

「まなぶ子 すなおな子 たくましい子」

小学校には、このような学校教育目標があって各教室に掲げられいますよね。知/徳/体を小学生にもわかる言葉で表現しています。

ところで「たくましい子」って、具体的にどんな子どもを思い浮かべますか?

「たくましい子」と言われても、人それぞれに思い浮かべる子どもの姿は、きっと違いますよね。目指す子ども像がハッキリしていません。

先生方と生徒たちに「目指す姿が共有されない」なら、学校教育目標に「たくましい子」と設定してもその効果は半減してしまいます。

そこで、学級経営の上手くいくように「たくましさ」という言葉を、中学生にわかる言葉でカスタマイズします。

2.「たくましさ」とは?「○○できることです」

「たくましさ」とは

  • 自分の意見をしっかりと持ち 責任をもって行動できること
  • 物おじせず 人前で堂々と表現できること

こうすることで、生徒も保護者も先生が

  • 何を目指したいのか、何を求めているのか
  • どんな生徒を育みたいのか 生徒にどこを目指させるのか

目指す理想の方向がハッキリとします。これが大切です!

スポンサーリンク

学級経営の“うまい先生”大切にしていること!

学級経営のうまい先生(生徒指導の力量ある先生)は大きく7タイプあげました。

  1. まず明るいです。基本笑顔が多い。優しい。(暗い先生により、いいに決まっています)
  2. いつも情緒が安定です。気分にばらつきがない。いつも落ち着いていて生徒に安心感が生まれます。(逆は、最悪!朝一番で教室に入ってくる表情が日によって違う先生。子供たちは先生の表情をくみ取り、“今日は機嫌が悪そう”と気づけば、行動を変えます)
  3. 話しが明瞭簡潔です。指示がわかりやすい。先生の想いが伝わる。(逆は、話しが長い、=何言っているか生徒は意味がわからない先生)
  4. 悪いことをしたら、しっかりと理由を言って叱ってくれる。そこは毅然とした態度がある。(叱ることが感情的、何が悪いか理由が不明瞭、叱る時間が長い先生)
  5. 誉めることは、認めること。些細な変化を見逃さず「いいことはイイ」といつも認める言葉かけで褒めてくれる。(逆は、誉め言葉がそれほど、うれしくない。なんとなく気持ちが伝わらない先生。)
  6. 休み時間、ちょっとしたすき間時間もコミュニケーションを積極的にとってくれる。会話が多い。先生と近い距離感を感じさせてくれる。(生徒から見て、近すぎて軽くみられる、近寄りがたい、近寄る必要もないと感じる先生)
  7. 基本私たちを信頼し、期待してくれる。そんな言葉かけが多い。(基本、横柄、偉そうにしていると生徒に映っている先生)

この中には、大きく二つの共通点があります。

  1. 一つ目が、言葉を丁寧に使う先生です。大切なのは非言語的なコミュニケーション能力の長けた先生が、クラスをまとめる力量ある先生です。「言葉の調子!明るい声の調子、明瞭でハキハキとした話し方」がポイントです。
  2. 二つ目が、生徒に理解しやすい言葉で語っている先生です。学級経営の下手な先生も「指導」しています。原因は、その先生は「・・・してはいけません」と話すことが指導と勘違いしているからです。話すことが指導ではなく、生徒に言葉を伝え理解させることが指導です。
  3. 三つ目が、生徒を長い時間軸で見つめ、期待する言葉をかけ続けられる先生です。学級づくりのうまい先生は「信頼される先生」ということです。なぜ、信頼されるかは、その先生の指導とは「中学生の君たちは、将来に向けてこんな力が身につくといいね。こんな力が将来必要になるから、真剣に考えてごらん」と生徒の未来に期待を込め言葉を語ることができる先生だからです。

クラスがまとまる学級目標の作り方・活かし方

学級目標は、気の利いた言葉が大切ではありません。

学級経営の言葉が「何を意味しているのか」「何を自分たちは目指すのか」「なぜ、大切なのか」このあたりの共通理解がとれるかどうかが、鍵となります。

「何を意味しているのか」「何を自分たちは目指すのか」「なぜ、大切なのか」って、教師が繰り返し繰り返し、伝えようと工夫して語る内容になります。

生徒側からみて

「私の学級担任は、いつも○○を大切にして、私たちに語り掛けてくれる」先生に映っているのかが勝負の分かれ目です。なぜ、学級づくりのカギかというと生徒の発達段階も関係してきています。

中学生は大きく言えば、「大人に従いたくない…反抗期、しかし、現実はまだ反抗しきれない一面も認めたくないが…理解している。もう子どもじゃない!(けど大人でもない)」こんな心理です。こんな中学生に効果がある言葉は、「もう大人扱いをする。子ども扱いをしない。」ということです。

「これが大人の考え方だよ」「こういう考え方ができるようになると、もう大人だね」こんな考え方で学級づくりを「先生の丁寧な言葉」で進めてください。生徒は目を輝かせて話を聞きます。それは、聴くに値する将来の自分い価値ある話だからです

信頼される学級担任には「こんな言葉」はどうでしょうか?

言葉を生徒に分かりやすく伝えるには、やはり言葉を自分流にカスタマイズ(言い換え)が必要です。それには、前提条件があります。

それは、(生徒の卒業後、数年後の活躍を思い願い考えるのです)生徒の将来を見つめて、「中学生時代に身につけておきたい価値ある能力は何か?」の視点で考えてください。キャリア教育の視点です。

「たくましさ」も自分流のカスタマイズによって、生徒に向かってこんなふうに語るのはどうですか?

たくましさって、将来を自分らしく生き抜く力のことだよ!大人になるって、「自立すること」です。

自立って「自分が、自分の人生の主人公」になることだよ=自分が主役だということです。まずは、「自分から進んで行動する」ことを大切。「自分から」行動する人は成長も早いですよ。

人生の主人公って「自分で考え、正しく判断して決めること、自分の行動には責任を持つということ」です。自分が大事!

社会は、多くの人の協力で支えあって成り立っています。人と積極的に関わり、コミュニケーション力をつけていきましょう。自分から、挨拶するなどの習慣は、きっと将来役立つ力です。

「自分の考えを伝える力」が大切、それと同時に「相手の意見をしっかりと聞き取る、聴く力」も大切ですよ。

自分自身の考え意見を、人前で堂々と「たくましく」発言し、自分を表現できる力は、将来必ず必要な能力になります

学級づくりのポイント 「~を目指せ」と価値観を語り続ける

学級づくりのポイントを一つお話します。それは、生徒から見られている自分を意識することです。いい意味でも悪い意味でも、教師の言動は生徒に影響を及ぼします。

特に、教師の言葉は影響力を持ちます。学級担任は、いつも私たちに「どんな内容の話」をするか、ちゃんと聞いています。生徒は「〇〇を大切にする先生」という見方もします。

大人の世界も子どもの世界も、注意や失跡だけでは信頼は築けませんよね。「子どもたちの将来に欠かせない大切な“新しい価値観”」を語る先生でありたいものです。

  • 「私の担任の先生はいつも、○○が大事だぞと言っている」から次第に
  • 「私の担任の先生はいつも、○○が大事と私たちに語り掛けてくれる」

こんなふううに「目指す生徒像、目指す学級像」を堂々と「語る」ことができれば学級担任として生徒との信頼関係の基盤が築けます。話すイメージじゃなくて、想いを込めて語る!語りかけるイメージです。

あなた自身の熱い想いのある言葉をカスタマイズして、子どもたちに丁寧に語り続けてください。「自分の意見を持ち責任を持って行動する力」「堂々と人前で表現できる力」をみんなで目指そう!!と、先生が宣言すれば、

やさしい言葉である「たくましさ」が、どこにも負けない芯のある素晴らしい学級目標・学年目標にもなります。

https://wadachiblog.com/seitorikai-3point2022/

学級経営の大切なこと!クラスがまとまる先生の特徴は?学級目標の活かし方も解説 まとめ

今回の記事では「学級経営の大切なこと!クラスがまとまる先生の特徴は?学級目標の活かし方も解説」としてまとめました。

冒頭でカスタマイズ効果を、

  1. 具体的・効果的な策がうてる 
  2. 生徒が何を目標にするのかがハッキリと理解できる。 
  3. 先生と生徒の意思の疎通が深まる

3点と紹介しました。振り返ります。このカスタマイズという表現は

  1. 「私はこんな学級をつくりたい、こんな生徒を目指したい」と、考え抜いた、私の理想の姿、目指す姿です。
  2. つまり自分の教育観・指導観につなげて考えて進めていきます。考える視点は、子どもたちにとって、将来身につけたら、きっと生き抜く武器になるような能力です。

だから「絶対にこれが大切なことなんだ」と、生徒に熱く語れるのです。 繰り返し語れる、本気で語れることができるのです。だから、先生の熱い思いが子どもたちに伝わるのです。

ここが大事なのですが、

私たちの先生は「いつもこれが大事だよ」と繰り返し繰り返し語ってくれる。・・・この内容がどんなふうに、生徒に伝わっているか、ご自身でチェックするのもいいですね。

カスタマイズの方向性は、子どもたちの将来を見据えた身につけるべき人間力です。キャリア教育の視点から考えてください。

生徒の目指す力が思い描けるなら、何をやるべきかはアイディアが浮かんでくるはずです。

ここまで、読んでいただきありがとうございました。「教育には 100%正解 はない」と考えています。この記事をヒントにしてご自身で考え抜いて、堂々と子どもたちの前で語ってくださいね。

応援しています。日ごろの実践を振り返るヒントになればと考えています。

「中学生生き方授業」もあります。合わせてご覧いただけたら幸いです。読んでいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。