学校の先生

授業づくり・授業開きで大切なこと!ポイントを「教師の言葉」に注目して実例解説

「授業スタイル」についてお悩みの先生方に向けて提案します。

学校生活の中心は授業であり、その力量を高めることは教師の使命です。授業は、教師にとって一番大切にしたい時間です。

しかし、授業力を高める授業準備や自己研修に懸ける時間も少なく「先輩はどうやって学んでいるんだろう?」というようなお悩みありませんか。

この記事では「授業力を高め、子どもたちの“できた!わかった!”という笑顔を大切にしたい」と授業改善を考える先生方に向けてまとめました。

私は公立学校の元校長です。これまでの実践例と知識をもとに、先生方と親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。

ここでは、授業づくりの大切なこととして

  • 授業づくり・授業開きに役立つ大切な考え方3選
  • 授業に役立つ先生方の「具体的な言葉かけ:例」

についてまとめました。授業の流れの中での「教師の話し方(例文あり)」がわかります授業開きや授業準備の参考にしていただけたら嬉しいです。

授業づくり・授業開き大切なこと!「楽しい」授業の基本的な考え方

授業づくりで大切な考え方を解説していきます。

先生も子どもたちも一番望むことは「楽しい授業」ではないでしょうか?まず楽しい授業の目指し方についてご紹介します。

「楽しい授業とは」具体的にどのような授業か?

楽しい授業を具体的に3点で表現します。

  1. 授業の取り扱う学習内容そのものに興味関心が生まれ楽しい
  2. みんなと一緒に勉強ができて楽しい(意見を発表したり聞いたり、話し合ったり)
  3. 授業内容が理解できて「できた!わかった!」の瞬間が楽しい

この3点の実現に向けて、教師側からのアプローチです。

1授業は先生と子どもたちが一緒に作り上げるもの

学校の授業とは、同じ先生(学級担任)が子どもたちと関わりながら進めざれます。一緒に学んでいて気分の時間でありたいです。

先生が勝手に進めるものでもなく、主役は子どもたち。したがって子どもたちにも楽しい授業をイメージさせて、ともに作り上げる時間にしてほしい。この「考え方」を伝え続けて躾けることです。

はじめに、授業に対する心構えをお話します。

先生自身の心構えは、みなさんが一生懸命に勉強して、「できた!わかった!」がたくさん味わえる授業目指して頑張ります。1年間よろしくお願いします。

みなさん自身の心構えは、どうしたらいいと思いますか?「できた!わかった!」授業は先生だけが頑張るものですか?

それ、違います!

みなさん自身が、前向きに「理解したい、頑張りたい」と前向きに授業を受ける心構えが大切です。

つまり、先生とみなさんで授業はつくっていくものです。1年間楽しくわかる授業を一緒に目指してがんばりましょう。

それでは、頑張るコツを教えます。

2受け身では何も身につかない「自分から」の姿勢をつらぬく

勉強に限ったことではないけどありません。

  • 「何事も、自分からすすんでやる 前向きな人」
  • 「いわれたからなんとなくやっている人、嫌々やっている人」

みなさんは、どちらになりたい?どちらの人間が成長するとおもう?

人は、その学び方で実力は大きく差が出てきます。

挨拶も、係活動も、清掃も、そして勉強も「自分から」と前向きにチャレンジしてください。そういう心構えがあれば、みなさんは必ず大きく成長します。

その後、自身の授業スタイルとして「授業ルール」に関しても徹底していきます。

ポイントは「叱りながら厳しく躾けるイメージではなく、具体的な良い習慣を身につけていこう」という姿勢

繰り返し提案していく、期待して語り掛けていく話術がクラスの雰囲気をあたるくします。

良い授業習慣という観点から「椅子の座り方:姿勢」も大切にしてほしいポイントです。下記の記事が指導法の参考になると思います。語り掛け方のコツがわかります。

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では、ここから授業スタイルの改善に向けて提案していきます。

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授業づくり・授業開きで大切なこと!教師の言葉に注目した授業の進め方

方策1 この授業で何を学ぶかを理解させ見通しを持たせる

具体的な手だて:授業の冒頭(途中・まとめ)で、今日の授業のめあてをはっきりと伝える。 単元の始まりでは、数時間の授業の流れ等、何を学ぶか見通しを持たせる。

教師の言葉

・今日の授業では、○○について理解して△△ができるようにします。 ・めあては~です。 ・課題(目標)は~です。 ・最終的に~ができればOKです。

・前半は~について、後半は~について勉強します。 ・~について考えていきましょう。 ・~を目標に進めよう。 ・~について学習します。

・~を考えてください。 ・~を中心にやっていきます。 ・~ができるように頑張りましょう。

方策2 前の時間に学んだ学習内容について、覚えているか振り返えさせる

具体的な手だて

今まで学んだ学習内容を思い出す。そして、新しい学習内容に挑戦する。 導入時に、既習事項に関する発問をする。前時の復習問題に取り組ませる。

教師の言葉

前の時間に習った○○公式を覚えていますか。

・前の時間に習ったことを質問します ・前の時間(視覚的にわかるように)は~のことを学びました。 ・今日の授業では、その続きで~です。 ・前の時間に~をやりました。

・~はどうだったかな。 ・前回の内容を確認します。 ・~はどういう意味でしたか ・~とは、何でしょうか。 ・~について発表してもらおう。 ・~について聞いてみたいと思います。

方策3 一つの方法で問題が解けても、他にも解き方がないかを考えさせる。

具体的な手だて

解き方の考え方は複数あることを伝える。複数の考え方を示し、違いに着目させる。 別の視点から考えられないか促す。

教師の言葉

資料からわかることは、いくつあるかな。何通りの解き方があるかチャレンジしてみよう。

・他に、私はこう思うという人はいますか。 ・今の答えも正解だけど、まだ他にも正解があるよ。  ・もっと違う方法はないかな。

・他の解き方もあります。 ・1つ考えられた人は、2つ3つと考えてみよう。 ・~の違いは何かな。 ・いろいろな考え方で~できるだけ多く挙げよう。

具体的な手だて

視点を変えて考えさせる。

教師の言葉

「○と△の同じ点をみつけよう。」「違いを説明しよう。」 「○と△にはどんな関係があるかな。」

・~を自分の言葉で言い換えてみよう。 ・~の視点から書き換えてみよう。 ・違いを表にしてみよう。分類してみよう。・気づくことは何かな。

・~と~で比べて違いを挙げてみよう。 ・比較して関連づけて読み取ろう。

具体的な手だて

解き方や考え方を説明し合う場面を設定する。

教師の言葉

「なぜ、○○の方法がよいと考えたのですか。」 「一番わかりやすい方法はどれかな。」 ・~さんの考えのよい点はどこですか。

・自分のやり方と比較してみよう。 ・なぜ~のようにやると記録が伸びるのかな ・理由がわかる人は発表してください。 ・なぜ、そう考えたのですか。

方策4 自分が今日の授業でどこまでわかっていて、何がわからないのかに気づかせる。

具体的な手だて

つまずきに気づかせる、一緒に確認する。自己評価カードを活用して、課題を書かせる。

教師の言葉

「~の箇所は、理解していますね。」「もっと速く走るには、どんな練習をすればいいかな。」

・○○のここまではわかる。では、△△のところはどうだろう。 ・~について確認しよう。 ・~のミスが多いかな。この箇所の問題をやり直しましょう。

・どこが違っていたかな? ・何を意識すればいいかな。 ・ねらいを踏まえて考えてみよう。 ・できている人と比べてみよう。 ・よく間違えやすいところは~。

・どこまでできて、どこから分からなくなったのだろう。

方策5 一番大切だと思う学習内容を繰り返し練習して、学習内容の定着を目指す。

具体的な手だて

学習内容からキーワードを示し、重要なポイントに気づかせる。

教師の言葉

「今日の授業で大切な箇所は、どこだと思いますか。ポイントは○○です。」 ・ここが今日の授業の大切な部分なので、繰り返し練習しましょう。

・ここを間違わないように気をつけて、練習していきましょう。 ・ここが大切!ここをしっかり押えておこう。 ・必ず身につけたいことはこれです。

・一番聴かせたいところ、伝えたいところはどこですか。 ・大事だからもう一度説明します。

方策6 「わからないことを」そのままにしない!自分で調べてみる。友達(先生)に質問してみる。

具体的な手だて

疑問をそのままにせず、「わからない」と、言えるようにする。

教師の言葉

「疑問に思ったことやわからないことは、教えてください。」 ・わからない箇所を、みんなで解決できたらいいね。 ・アドバイスをもらおう。

・○○だけでなく、△△を使って調べてみよう。 ・わからない所は教え合おう。 ・いい質問が出たね。・周りの人と相談しながら進めてみよう。

・どんどん聞きに来いよ。質問してくれば、それによって助かる友達がきっといますよ。

方策7 今日の学習内容が、他の教科で学んだこととどのように関連しているか考えさせる。

具体的な手だて

他の教科等との「つながり」を意図的に紹介して気づかせる。

教師の言葉

「今日、学習した○○の内容は、 △△の授業でもやったことありませんか。」 各教科との関連を意識した言葉かけ

・○○は、△△科の○○でもやったこと覚えていますか。 キャリア教育の視点を意識した言葉かけ ・この学習内容は、○○の△△につながっています。

方策8 今日の学習内容が、日常生活においてどのように関連しているかを考えさせる。

具体的な手だて

今日の学習内容と日常生活とのつながりに気づかせる一言を伝える。 また、教師が自分の専門教科の魅力について紹介する。

そもそもなぜ学ぶか、なぜ勉強が大切か等、学ぶ意義にふれて話をしたりする。

教師の言葉

今日の調べ方は、~に活用できる大切な方法です。今日の学習は、知っているだけでなく行動にうつすことが大切です。

・今日の学習は、将来どのようなつながりで役立つと思いますか。 ・○○は~に使われています。 ・○○は~に利用されています。

・~はこれから生きていくうえでとても役に立つことです。 ・○○は~のような場面で役に立ちます。 ・自分自身の生き方として考えることが大切です。

・生活の中に~がいきている場面があります。 ・~のような例は、身近にたくさんあります。

授業づくり・授業開きで大切なこと!「教師の言葉」に注目 まとめ

今回の記事では「授業づくり・授業開きで大切なこと!ポイントを教師の言葉に注目して実例解説」をテーマにまとめてみました。

全国の先生方が忙しい毎日をお過ごしのことでしょう。教師の仕事の中心は「授業力」です。一番学び続けなければならないはずですが…なかなか難しいものです。

授業づくりに向けて長い研修時間が取れませんが、日々+1の姿勢を心掛けてチャレンジしてみるのもいいですよ。

授業関連では

  1. 生徒の考えに即座に正誤の評価をしない。 疑問(質問)を受ける機会を重視。
  2. 間違った発言をしても、先生が受け止めてくれる安心感:信頼の関係性。
  3. 付け足しや違った方法、説明、質問等で授業ができあがっていく授業像。
  4. よき人間関係、居場所がある安全・安心な学級、ともに学ぶ学級像。 教師の姿勢 ・発言をバカにする笑いがない。丁寧に聴く姿勢、発言中に割り込まない。

このような視点から実践されるのもいいかもしれません。

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