1年間の締めくくりの「修了式」は、学級担任を務めた先生方にも、生徒自身にもそれぞれ思い入れあるけじめの一日です。
この記事では、特別な日である修了式の日に、子どもたちに「どんな言葉をかけたらいいか」真剣に悩み考えて準備を進めている先生方に向けて書いたものです。
私は元校長です。修了式で実際にお話した式辞をご紹介します。そして、学級担任としての締めくくりの言葉の中に「どのような内容に触れてほしいか」について例をあげてまとめました。
参考にしていただけたら嬉しいです。
修了式の挨拶例文!中学校の校長式辞例(一部)
さっそく私の式辞の一部をご紹介します。
(事前に「修」と「終」の字を用意して、子どもたちに二つの漢字を示しながら式辞を進めていきました)
1.「修」と「終」の漢字の意味から、修了式の式辞を
講話のポイントは、はじめに「修」と「終」の漢字の持つ意味を比較してお話します。
みなさん、今日は修了式です。修了式と終業式は、漢字が違いますね。修了式は「修」の字、終業式は「終」の字を使います。
夏休み前の1学期終業式は、「1学期が今日で終わりましたよ」という区切りの意味で「終」の漢字を使います。終業式は1学期の頑張りをたたえ、夏休みもしっかりと生活してくださいという節目の一日です。
では、この「修」の漢字はどんな意味ですか?修学旅行では「修」ということ漢字を使いますね。修という漢字は訓読みで「おさめる」と読みます。「学業を修める」「身を修める」と使います。
この「修」という漢字の意味は、
- 「学業を修める」とは、「学業を学んで身につける」という意味です。
- 「身を修める」とは「心や行動が乱れず正しい行いができる」という意味です。
つまり、修了式とは、「今日で終わりです」という意味ではなく、この一年間、私たちは頑張り努力してきました。そして、いろいろなことができるようになりました。
私の(私たちの)成長した姿を見てください。
そういう締めくくりをする大切な日が今日の修了式です。
次に語ることは、成長の様子を日常の一コマから具体的に取り上げ認めていきましょう。
2.成長の視点から具体的に認める
みなさんの一年間の成長についてお話します。…特に、卒業式や3年生を送る会の準備には、2年生、1年生本当によく頑張りましたね。
何が立派だったかというと、生きるうえでの基本である「自分から進んで行動」よ言う主体性が大いに発揮されていた点です。
「言われたからやる、指示されたらやる」受け身人間ではいけません。どうしたらよりよくなるか、自分で考え行動(考動)する力が生きていく力として重要です。
準備を進めていくみなさんの行動一つ一つに「自分で進んで取り組む」精神をいきいきした表情から感じることができました。みなさん本当に成長しましたね。
ボランティアで始まった挨拶運動、部活動、毎日の授業、委員会活動も自分で成長したいと、前向きな気持ちでやり抜いてくれました。
学級担任の先生のお話ならば、日常の何気ない「言葉」「行動」に成長を見取ることができるでしょう。腕の見せ所ですね。
ちょっとまれな例ではありますが、先生方のことについて式辞の中で語りました。感謝できる力の重視を重点項目に設定していたからです。
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修了式の挨拶!校長式辞例と学級担任の伝えたい挨拶内容
1.感謝できる力「当たり前」から「ありがたい」と感じる心
みなさんと一緒に生活をしてきた先生方について、感謝とともにみなさんにも知ってもらいたくて、お話します。
それは3月15日卒業式の早朝です。私が朝6時30分に学校に到着したときはすでに多くの先生方がいらっしゃいました。私は、3年生の教室を最終確認に向かいました。
ふっと気が付くと〇〇先生と〇〇先生が3年生の廊下を無言で、二人で膝をついて掃除しているのです。本当に驚きました。そして有難さが込み上げてきました。
お二人の先生方は仕事として掃除していたわけでもなく、私が指示したわけでもありません。先生方もみなさんと一緒で「3年生のためにいい卒業式にしたい」「おめでとう、ありがとうと伝えたい」「最後の一日を大切にしてもらいたい」そんな卒業生への想いが自然と行動に表現され、自分の頭で主体的に考え、その結果の雑巾がけです。
みなさんの周りには、そんな素敵な先生方います。
先生がいて指導していただいていること、(親が働き衣食住を支えていること)何もかも「当たり前」なことではありません。
「有り難い」と感じる感謝の心で、先生や家族に言葉をかけられたらいいですね。
これから先も、みなさんの成長していく姿はいっぱい認めて誉めていこうと思います。誉められるからではなく、自分の頭でしっかりと考えやるべきことを行動に移していきましょうね。そんな主体的な行動に成長と誇りを感じます。
「ありがとうの伝えあい」ができるように、学級担任が生徒の良さを見つけ紹介し続けることで心が育まれていきます。
2.自分の命は自分で守る視点:年間を通して
そして、結びの部分では年間を通して重視する「生徒の命」の問題です。
自分の命についてです。みなさんは何回失敗しても、失敗の経験から学ぶことができるし、立派な人柄の人はみな失敗をエネルギーにして、成長していきます。
ただ失敗が許されないとするなら、その一つは交通事故です。交通事故の失敗は人生の取り返しのつかない失敗になる事もあります。
気を付けていても車のほうから突っ込んでくることも考えられます。せめて自分で「止まる、ルールを守る、ながら運転は絶対にしない」という自覚をもって、「自分の命は自分で守る」姿勢を身につけてくださいね。
また、全員でこの体育館で会いましょう。みなさんのさらなる成長を願い、○○年度終了式式辞とします
命の視点は最重要な視点です。ネタを変えながらも、繰り返し繰り返し語っていきます。
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成長をともに確認し合い、認め合うことのすばらしさ大切さを尊重していきたい。
日常の何気ない言動や気配り等に焦点をあてて、クラスの成長、一人ひとりの成長を認め合える時間を大切にしてください。
その努力をしっかりと認め、新学期への意欲につなげていきたい。
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