学校の先生

中学校卒業式の校長式辞の例文!晴れの日に「生き方」を語りかける

中学校卒業式、それは卒業生と親御さんのみならず教師にとっても3年間の教育活動の集大成であり「特別な一日」です。教師は皆、3年間の日々を思い返しつつ、巣立ちの日に「勇気づける言葉」を贈り、生徒り一人の子どもたちへお祝いの言葉を贈りたいと願います。

この記事では、まず卒業式の校長式辞を全文紹介します。

私は公立中学校の元校長です。キャリア教育、生き方指導を中核に据え学校経営の集大成、この特別な日、新たなステージで大きな飛躍を願って「私の中の大切な生き方」について語った内容を記事にしました。考え方を参考にしていただけたら嬉しいです。

中学校卒業式の校長式辞の例文!「生き方」を語った一例

令和元年度○○中学校卒業証書授与式 式辞

やわらかな光の中で大地の鼓動が確かな春の訪れを伝える今日。多くの保護者のみなさまのご臨席のもとに、○○中学校第○○回卒業証書授与式が挙行できますことは、このうえない喜びであります。心からの感謝とお礼を申し上げます。

さて、ただいま、卒業証書を手にした卒業生のみなさん。「卒業、おめでとうございます。」みなさんが手にした卒業証書には仲間とともに過ごした様々な思い出が刻み込まれており、かけがえのない中学校三年間の重みを感じていることと思います。

みなさんは、本当に明るい笑顔の似合う学年でした。行事にはいつも全力で取り組みました。常に下級生の手本となり学校の先頭に立ちリードしてくれました。みなさんの成長を心からうれしく思います。三年生の背中を追った二年生、一年生も立派に成長しています。みなさんは、あこがれの先輩を目指すという文化を東中に築いてくれました。

この三年間を振り返ると、辛く何もかも放り出したくなる時もあったことでしょう。しかし、みなさんは粘り強くやり抜きました。そして、物事は結果だけではなく、「努力の過程」や「感謝の気持ち」が大切であることを学びました。

ぜひ今日は、「ありがとう」の言葉を素直に表現して、支えてくれた仲間や家族、先生に自分の気持ちを言葉にして伝えてください。

1.中学校卒業式の式辞例 勉強について

この卒業という節目に当たり、みなさんに期待を込めて申し上げたいことがあります。一つ目は、勉強についてです。

みなさんは、それぞれの目標に向けてがんばってきました。たくさん勉強したと思います。その勉強というと「内容を理解する」そして「繰り返し練習する」「覚える、暗記する」という自分の中に入れるとか、詰め込んでいくイメージを持っているかと思います。

私が考えるもう一つの大切な勉強とは、自分から出していくイメージです。それは「行動する」とか「表現する」といったイメージです。

例えば、「学んだ知識を生かして、しっかりと考え行動する」「自分の意見をしっかり言う、表現する」等、積極的に外に出してみる行動力と表現力がとても大切です。

人生はクイズ番組ではありません。知っているだけでOKではなく、知識を知恵にかえて、自分らしい個性輝く素敵な生き方を見つけてください。

2.中学校卒業式の式辞例 自分の生き方について

二つ目は、織物の織り方を例にして話します。織物を織るとき、まず初めに縦糸をまっすぐピンと張ります。そこに横糸を通していかなければ、いい織物にはならないといわれます。

この「縦糸をピンと張る」とは自分にとって「どのようなことを指すのだろう」と考えてほしいのです。

私は「縦糸をピンと張る」ことを「多くの仲間と信頼関係を築くこと」と考えています。だから「嘘をつかない。約束を守る。相手のよさに気づける人になる。「ありがとう」という感謝の心と「ごめんなさい」と素直に謝ることを大切にする。丁寧な言葉をつかう等、とても当たり前のことを心がけています。

縦糸さえピンと張った生き方をしていれば、あとは「毎日がんばること」で横糸一本一本を丁寧に織り込むことにつながると思います。日常の生活を重ねていくことで、一人ひとり違うけれど味わい深い、自分らしい絵柄の織物がきっと出来上がることでしょう。

自分の人生です。何事も「人のせいにしない」と自分で決めて、自分で責任をもって行動することです。みなさんにとって「縦糸をピンと張る」とはどのようなことを指しますか。自分で考えるのです。そして、チャレンジしていってほしい。

失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れなさい。これからの生活では、うまくいくことも、うまくいかないこともあるでしょう。でも、みなさんにはオンリー1の‘よさ’があります。チャレンジこそが成長の糧となると私は信じています。道は一本ではありません。失敗は怖くありません。ダメだったら、止まって戻ればいいのです。相談して考え直せばいいのです。

縦糸をピンと張った人には、応援してくれる人や一緒に進んでくれる仲間ができるものです。みなさんは一人じゃないのです。温かく見守ってくれている家族がいます。人の運命は決して敷かれたレールを行くかのように決定されているのではありません。喜びや幸せは誰かが運んできてくれるものではありません。

卒業生のみなさん、

人生の主人公は自分なのだという気持ちでチャレンジしてください。

スポンサーリンク

中学校卒業式の校長式辞の例文!保護者への感謝を伝える

保護者のみなさまに申し上げます。お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。本日、お子様の晴れの姿に、感慨もひとしおのことと存じます。子育てはもうしばらく続きますが、もう最終局面です。

どうか、子どもと生活する何気ない日常をお楽しみください。親のゆとりとおおらかさが子どもにエネルギーを蓄えさせます。その家族の温かなエネルギーが、一人ひとりのたくましく豊かな自立につながると思います。

この三年間、本校の教育活動に深いご理解とご支援をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

結びに、令和という新しい時代、○○中学校は地域と共に歩み、地元から親しまれる学校を目指してまいります。それでは、みなさまと共に卒業生の輝かしい未来に夢を託し、校長式辞といたします。 令和二年三月十三日

中学校3学期始業式の校長挨拶文例!式辞に込める想いと生き方指導を解説お正月は初詣などで家族で過ごし、楽しい冬休みが終わり、学校が再開される3学期始業式。 子どもたちは、学校の再開を楽しみにしている一...
学校経営の大切なことは何か!校長のリーダーシップで明確な方針と目指す生徒像をせっかく校長になったのだから、自分らしく、理想の学校像を追及して実現したい! 学校経営とは、「校長の自分がすべての責任を負う」とい...

中学校卒業式の校長式辞の例文!生き方を語る まとめ

今回の記事は

「中学校卒業式の校長式辞の例文!晴れの日に“生き方”を語りかける」をテーマにまとめてみました。

校長として学校を代表しての式辞です。卒業生に語ることは教育者としてもちろん優先しますが、

公立学校公式の行事である性格から公立学校の責任者として「来賓や地域応援団、保護者の方々への感謝の言葉」等、バランスを整えて行いたいものです。この記事では、一部略しています。

学校経営で大事にしてきた「生き方指導の集大成」としての言葉かけを心掛けました。

先生方と親御さんを応援する記事や、季節イベント等をカテゴリーにみんなの笑顔を大切に運営している「ワダチブログ」です。これからもよろしくお願いいたします。