受験は、お子さんにとって人生最初の大きな試練です。悩みつつも自分で進路選択をして合格を勝ち取らなくてはいけません。
親もまた、わが子の受験に不安やともどいも多く心も乱れる時期です。
こんな不安や悩みをお持ちな方に向けてまとめてみました。
この記事では、「受験生にとってストレスになる親」と「頼りになる親」の言動について解説しています。受験生に寄り添い方が理解できるように工夫しました。
私は元中学校校長です。数千人の生徒と親に接してきた経験のなかから、受験期の親子関係についてまとめています。
親の不安や焦り、動揺は子どもに伝わるものです。親のないげない言動が、子どもを傷つけたり親関係に溝をつくるようなこともおこります。
この記事で、受験生の心情を正しく理解して「受験生にとってのうれしいサポート」ができるようになります。
受験期を、一緒に親子で乗り切りましょう。
受験生のストレスになる親の特徴!
受験生を抱える親御さんの一番気を付けることは、たった一つです。子どもをサポートする前に自分自身にすることがあるのです。
1.子どものサポートの前に 親がすること
親自身が“わが子の受験を前に不安でいっぱいな自分を自覚する”ことです。はじめに、自分の落ち着かない心に焦点を合わせてください。それが良好な親子関係の出発点になります。
なぜなら、
親のNG行動のおおもとは(親自身)自分の不安やイライラを無意識に子どもにぶつけてしまうケースが実に多いからです。(自然に溢れ出てしまうものだからです)
親が自分自身の不安や戸惑いについて「自分は子どもの受験を恐れ、不安でいっぱい」と自覚して、“自分が今どんな感情なのか”を意識するようにしてください。
この意識ができれば「無意識に、きつい言葉をお子さんに投げつける言動」は必ず減ります。
2.受験生をイライラさせる親のNG言動の実際
【本人も色々考えているかもしれないのに…問い詰めてしまう感じの言葉】
「子どもを信じてないわけじゃないけど、つい、どうしても不安で言いたくなる」こんな感じよくあるのではないでしょうか?
これって「わが子を心配している」いるのは間違いないのですが、結局のところ「親の自分が一番心配で聞かずにはいられない」こんな表現が実態かもしれません。
つい言ってしまうこんなセリフは、受験生には思いの外プレッシャーや嫌悪感を抱くようです。
こんなケースの考え方は、言わないに越したことがないのですが、言ってしまった跡が大事です。
子どもの反応の仕方で、今の言葉マズかったなってわかりませんか?表情が一瞬にして変わってしまう感じです。
言わないに越したことはないのですが、こんなケースのアドバイスは二つ。
一つ目は「わたしを主語にして謝る」です。「ごめんね。お母さんも心配でつい言い過ぎてしまった」思春期からは一人前の大人にしたいわけですから、親もわが子を一人前として扱うのが一番です。つまり、自分が悪かったときは自分から誤ればいい、それだけです。
二つ目は「繰り返さない」です。人間だから失敗もあります。マズかった親自身が感じたことは「繰り返さない!」これだけは注意しましょう。
【逆に、少数派ですがこんな声もあるんですよ】
自分が苦しんで不安いっぱいなのに、親が何も言ってこないので…不安で落ち着かない感じになっているようです。「自分は、どうでもいいのかな?」って悩んじゃうことも。
このタイプの親は、自分が勉強や進路について話を聞くことで、プレッシャーを子どもに与えたくないとちゃんと考えているのかもしれません。子ども自身が乗り切るのが「受験」と、我が子自立を願って見守っている方だと思います。
どちらの親も「わが子の進路について心配」しているのに…子どもによっては
- 「もう、放っておいて!本当にうるさい!」になり
- 「もっと、不安な私を見ていて…助けて」
にもなります。一体どう振る舞うのが正解なのか、わからなくなることもあると思います。色々な親子関係があり、色々なお子さんの受け止め方があります。
そこでこんなふうに考えてください。
完璧な受験生の親になろうと頑張りすぎない。いつもと変わらないお母さん、いつもと変わらない家庭が一番受験生にはいいのではないでしょうか。
つまり、「受験生として特別扱いはしない!、でもちゃんと全力応援しているし気持ちは伝える」こんな考え方で
あなたのお子さんにピッタリした親子の距離感を探るしかありません。
ちなみに、思春期の特徴は一口に言えば「やっぱり、真逆な心理がある」のです参考にしてください。
もともと思春期の対応は難しいものです。生徒本人がもがきながら自分をつくっているのですから。だから親の言動の「受け止め方」も、子どもによってまちまちです。
「私も自分の子どもに言っちゃったことあるわ…!」そんな言葉もあったと思いますが、神経質になることもありません。事例は必ずしも不正解と言うわけでもありませんから。
親御さんの不安やイライラはぶつけないようにしましょう。
進学とは関係のない話もたくさんお話したらいいと思います。そう、肩の力を抜いて接することが受験生には一番うれしいのです。
3.受験生をイライラさせる親のNGタイプ まとめ
受験生をイライラさせる親のNGタイプをまとめてみました。
- ともかく、口数が多い、なんでも聞いてくる親。もっと頑張れと焦らせる親、干渉してくる親。子どもは反抗するか無視するかしかなくなります。
- 自分を他と比較した見方をする親、兄弟姉妹の中で比較してくる親。この対応は家族関係に深い溝をつくる可能性も高くなります。
- 親の価値観を決して、ゆずらない親。子どもの考えを尊重できない。親の方がよくわかっているのだから、親の意見に従え的な親、抑圧やあきらめ、将来根強い不満と反感にあうかもしれません。
- 成績がすべての親、親の価値観が成績面が中心にしか話さない。成績の高い低いが人の価値判断・せまい見分け方を教えているようなものです。
- 過保護・過干渉な親‥‥放任、無関心な親 両極端は子どもにストレスを与えることになります。バランス感覚をもってコミュニケーションをとりましょう。
受験生の頼りになる親のタイプとサポートの仕方
実際のところ、多くの中学生にとってほぼ100%進学するため、「中学生にとって高校受験は、覚悟の事実」です。避けて通れないものという認識がほぼ全員あるため、生徒が「受験なんてやる気がない」と本心で思っている子は、ほとんどいません。
実態は、「やらねばと思いながら、手がつかない子、どうしていいのかわからない子」の表現がピッタリです。ご家庭では、あたたかな雰囲気が受験生のきっかけづくりには欠かせません。
特別なことではなく、一緒に受験を支える自然な振る舞いが、お母さんにはピッタリなのです。「鬼監督」より「やさしいマネージャー」です。いつも見守って陰で自分が動きやすいように支えている存在が効果的です。だって、受験勉強や進学は「生徒本人の問題」ですから。
ここで受験生が頼りにする親のタイプをあげてみます。
受験生が頼りにする親のタイプと言動
- 食事サポート‥‥‥受験期の子どもにとって生活面で特にあたたかな食事を“いつものように”用意されていることは、強力なサポートです。食事を一緒にできたら、お子さんは気持ちが落ち着くと思います。
- 生活面サポート‥‥何気ない会話の中に普段から変わらない体調を気遣ってくれる親の存在もまた心地よいものと感じることでしょう。特別なことをしなくても、いつもと変わらぬ快適な雰囲気が受験生への応援になります。
- 精神的サポート‥‥親の励ましは大きなサポートになります。もちろん、過干渉や口うるさい感じではぐ悪効果ですが、親がどっしりと落ち着いていることが大切です。受験生は、親の感情を敏感に察します。時にはうるさがれても、やはり親が一緒に考えてくれたり、応援してくれる言葉が励みになります。
- 一緒に行動(同伴)でサポート…一緒に高校見学、高校説明会に参加してくれる。自分のために行動して付き合ってくれる親には、きっとありがたさを感じています。
- 子どもの考え方をサポート 子どもの話に耳をしっかりと傾け最後まで聞ききる親。親が「自分が正しい」と聞く耳を持たぬ態度は、いけません。親は自分の考えや意見を堂々と言って構いません。よく伝えるように話してあげてください。ただ押し付けないことです。「参考にして」と自分の経験を話してくれる親に信頼を寄せます。
受験生のストレスになる親と頼りになる親の違い!親のサポートの仕方を解説!まとめ
今回の記事は「受験生のストレスになる親と頼りになる親の違い!親のサポートの仕方」についてまとめてみました。
初めて受験生の親になる方はもちろん、すでに上のお子様で経験したことがある方でも、受験生を抱える親としての不安や悩みは尽きません。そのような中で
親自身が自分の不安を、しっかりと処理することです。
親のイライラや不自然ないい親になろうとする努力等、力みすぎてしまうのは危険です。無理をしている姿は受験生には必ず伝わるものなのです。それが本人の負担となってしまうのです。
お母さんの自然体が受験生には一番有難いものです。心が不安なのは当たり前です。受験は自分にもお子さんにも大仕事なのですから。
「受験生の親としてこうあらねば」という思いや「自分自身の不安」をぶつけてしまっては、子どもも親も心身が披露してしまいます。
どうか、頑張っている姿を応援して、“受験関連以外でも”たくさん会話してください。その基盤があれば、いざ課題が生じても、きっと強いですよ。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
反抗期や思春期の子育てを応援するワダチブログまで、またお越しください。