子育て相談

自己肯定感の高い子供(小中学生用)の育て方「親のできること」と「最悪NGワード」

自己肯定感の高い小中学生を育てた親御さんと育めない親には、見事に違う特徴があります。親御さんなら、だれしもわが子の幸せを願っているはずなのに、どこでボタンの掛け違いがおこるのでしょうか

この記事では、自己肯定感を育む親の基本方針がわかります。親がわが子に言ってはいけない「最悪NGワード」から、目指す育て方のヒントをつかむことができます。さらに、子育てを迷わない「幸せになる力」を解説します。

私は公立中学校の元校長です。これまでの経験を活かして親御さんの子育てを応援する「ワダチブログ」を運営しています。

子育ての考え方のヒントがたくさんあります。この記事で自分を振り返る機会になれば、きっとお役に立てることができるようにまとめました。

はじめに、「自己肯定感とは何か」について、しっかりと理解してから本題に入ります。

自己肯定感とは何か?「イメージで簡単に表現」

現在の急激な社会変化の下、21世紀は「先行き不透明な社会」と言われています。そのような時代を幸せに生き抜くには、「たくましさ」が欠かせません。

壁に当たっても “凹まず” “しなやかに“ “自分らしく” 生き抜く重要な資質、そのキーワードが「自己肯定感」です。

ここでは、「自己肯定感の高い人」とは、

自分には、まだまだなところがあるけど…良い面もある! 正直根拠はないけど…自分はなんとかなる!そんな自信があって前向きでいられる。今の自分で一歩一歩進んでいこう!

と、

自己肯定感とは、ありのままの素の自分自身を認められる感情のことです。

自己肯定感とは、人が自分らしく幸せに生きていく力の土台になっています。

自分のいいところも悪いところも含めて、「自分はありのままでいいんだ!」と自己を認められる感情のこと。

一方、その逆側の感情はどうなるでしょう?

私は、自身の良さには一切注目できない状態、自分の存在を自分で認められない「自己否定」の心理状態です。

この感覚が増していくと自ら死を選ぶということにもなりかねません。それだけ自己肯定感は、いわば生きる力、生き抜く力の根幹に当たる大切な感情です。

そこで、大切になるのが「お子さんの一番の教育環境」である親御さんの子育て姿勢です。この姿勢について、親御さんの言葉に注目してまとめてみました。

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自己肯定感の高い子供(小中学生用)の育て方!「最悪NGワード」

自己肯定感の高いお子さんの育て方を説明する場合、究極「こんな言葉」かけで親が育てたら、自己否定の人間になる事について解説します。親の最悪NGワードです。どういう育て方がダメなのか理解できます。

1:わが子を比較の対象で否定する親

親は「自分の子どもを誰かと比べないこと」です。叱咤激励?励ましているけどあえて厳しい言葉で?これって、百害あって一利なしです。

いつも、比較の対象であるということは、お子さん自身の「存在」を認めていないということです。一番大好きなお母さんからの言葉が、誰かと比べられていたら悲しいことです。

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのに」「〇〇君はできるのに」「○○は…なのに、なんで、あなたは…できないの!」

こんな言葉でお子さんに何を教育しているのか…、これって何か成果を出さないと自分は認められないということですよね。悲しいことです。

2:子どもの意志より、自分の考えを優先してしまう親

「将来役立つから…これしておきなさい」「○○よりも、将来のため○○しなさい」「塾はここがイイ」

こんなふうに、子どもに意志を尊重しない…子どもの考えを否定…親が正しいに決まっていると親の意向ばかりを押しつけていたら、子どもの自己肯定感は育まれないのは当然です。

もしかしたら、お子さんの将来を心配して「正解の進路選択」をしているのでしょうか。心配のしすぎて、親が勝手に決めていては、お子さんの心の成長に悪影響しかありません。

3:後ろ向きな言葉を投げかける親

「なんで、こんなこともできないの、ダメねえ」「無理でしょ、できっこない」「やっても無駄、きっと続かない」「勝てなければ、意味がない。そんなことに挑戦して何の役に立つんだ」「親の言うとおりにしていれば間違いない!自分じゃろくなことしか考えられない」「もう知らない、勝手にしなさい」「昨日も叱られたでしょう、何度言ったらわかるの!バカじゃないの」

こうやって、わが子を否定する言葉を並べてみると、そんなこと子どもに言うわけないと思われるかもしれません。もしかしたら、無意識に増えている言葉かもしれません。

親は大抵子どもの為を思って叱っているのでしょう。しかし、親の発する言葉の影響力は、お子さんの心深く入り込みます。

エネルギーの源になる言葉か、無気力と自信喪失の元凶となる言葉か、その分かれ道は果てしなく大きな隔たりがあります。

4:子どもと会話がそもそも少ない、話を聞かない

全てのお子さんは、親と楽しく会話したいはずです。

一般的に、思春期になると途端に会話が減ってきます。普段の何気ない親子の会話が、いざという時の命綱になります。

話を聞かないは、存在否定でもあります。教育とは指導することではありません。教育Goalは自立/自律です。自分の足で、自分らしく歩いていくこと。

話を否定から入らないことですが、どうしても「あぶなかっしい…都合のイイあまい考え方」とお子さんの考え方を否定しがちなのが思春期や反抗期を迎えた親御さんの心情です。

自己肯定感とは「あなたはあなたのままでいい」「自分のペースで進んでいけばいいんだ…あなたらしい成長の仕方がある、焦るな…きっとできる」と無条件の愛を伝えなければならないのですが、現実は、つい親御さんの立場からの心配が重なり悪循環になって「NGワード連発」という事態を招いてしまうのです。

そもそも、産まれてくるわが子へ願いはたった一つ「元気に、生まれてきてね!」だったはず。お子さんの成長とともに、“期待”も次第に高まり“願い”は随分と増えていませんか?お子さんの成長と期待とのギャップに、親の悩みやイライラも本当に尽きません。

そこで根本に立ち返り…この質問から考えていきます。

お子さんへの願いを「たった一つ」に絞ったら、何?

わが子への親の願いをたった“一つ”に絞ったら、あなたはどのように応えますか?

私だったら、一言だけです。

幸せになってほしい

これだけです。

みなさんはどうでしょうか?

「幸せになってほしい」を言い換えれば「幸せになる力を身につけてほしい」です。そこで「幸せになる力」の中の中心にあるのが、この「自己肯定感」を育むことなのです。

 

幸せになる力の中心 自己肯定感を育めない親の特徴は?

わが子の幸せを願い親としては、子どもの自己肯定感をしっかりと伸ばしてあげたいものです。ここで早速、大切な質問をします

お母さん、あなたは今(自分の人生を)幸せと感じていますか?何が最大の夢ですか?

実は、子どもの成功が、自分自身の成功! こんな感覚が危険です。

自己肯定感を育めない親は、自分自身の問題はそっちのけで、子どものために私は努力している感に「浸っている、偏っている」傾向があります。親子の距離感が近すぎて、一方的に、または相互に依存し合っている関係です。

幸せを自分の力で成し遂げる感覚ではなく、「お子様の幸せだけが自分の幸せ」というタイプではないでしょうか?

だから、わが子の育ちに親の介入が多くなり、親の価値観で影響力を及ぼそうとします。その結果、先程のNGワードの連発になってしまいがちです。

逆に「子どもの自己肯定感を高めることができる親」は、自立しています。わが子を愛し程よい距離を保ち、誰にも負けない応援者になっています。

ある意味、自分自身の今を「幸せ」に感じている親だと考えています。親自身が幸せになることが自己肯定感の育む鍵です。

 

自己肯定感の高い子どもを育む親の特徴は?

  • 子どもに干渉し過ぎない。
  • 子どもの良い面・悪い面を一緒に “ありのまま”を“あたたかく” 受け止めている。

という共通点があります。親の考える正解に誘導しようと構えるのではなく、子どもがやりたいことがあればなんでも認め応援する。

さらに、結果がうまくいかなかったとしても、“どうすれば実現できるか”等と一緒に考え、子どもを全面的に支援するかたちでの対応をしている親です。

「結果がうまくいかなかったとしても」がポイントです。

みんな「いいところも・ダメなところもある自分」なのです。人生には失敗がつきもの、大きな壁の出現にたくましく挑み続けるのは

自身のダメな部分も含めて「自分はこのままでいい!」「自分は大丈夫!」と感じることができる肯定的に受け入れられる自己肯定感が大切です。

子どもの良い面・悪い面を一緒に “ありのまま”を“あたたかく” 受け止めるお母さんの存在は、ずっと子供の心に生き続けるのだと思います。

うまくいかないことが起こっても、お母さんの揺るがないわが子への想いは、お子さんの前向きな生き方の源として育まれ心が安定しています。

 

本物の自己肯定感とは?自尊感情と自己有用感の違いを解説

偽物の自己肯定感があるわけではありませんが…

1.ちょっと脆弱な自己肯定感

自己肯定感「自分で自分を肯定する」の仲間に自尊感情という言葉もあります。この感情が行き過ぎると…過大な自信過剰やうぬぼれといった少々マイナス面も伴う感情もあります。

例えば、自己肯定感のつくられ方の中には

僕の方が○○さんより成績がよい

といった「誰かと比較して優れている」とか「(〇〇さんより)評価されている」というように、人との比較でもたらされる自己肯定感です。

この場合、自分の努力や成長を実感できる裏付け抜きの「比較」ですから、自分より優れている人が現れたり、ちょっとの失敗で大きなショックで急に自信がなくなってしまうこともありそうですね。

2.目指す自己肯定感は「自己有用感」

目指す自己肯定感は「自己有用感」の育成を目指すてほしいです。その理由を解説していきます。

自己有用感とは

学級の中で仲間の役に立つことができた、自分のしたことで仲間から感謝された、人から認められた、という「自己有用感」は、自分と他者(集団や社会)との関係を自他共に肯定的に受け入れられることで生まれる、自己に対する肯定的な評価だからです。

つまり、自分が勝手に自信をもつのではなく、人間関係の中で育まれるもの。他人の役に立った、他人に喜んでもらえた、…等、相手の存在なしには生まれてこない点で、「自尊感情」や「自己肯定感」等の語とは異なります。

日本の子ども場合には、他者からの評価が大きく影響するといわれています。 「褒めて ( 自信を持たせて ) 育てる」 という発想よりも、人に「認められること」で「 自信をつかみ」 たくましくしなやかに育つという発想です。この方が子供の本物の自信が持続しやすい。

これが「幸せに生きる力」の源だと思いませんか?

https://wadachiblog.com/chagne-man/

3.社会性の基礎となるもの

ここで国立教育政策所の生徒指導リーフにある文言を引用します。

「人(他の子供)とかかわりたい」と思う気持ちは、自らの体験によってのみ、獲得
されるものです。他の子供と一緒に遊んだりすることを通して、「人とかかわることっ
て楽しい」「人とかかわることって苦痛なことではない」と感じるところから「人との
かかわり」は始まります。

それが、「社会性の基礎」を形づくっていくのです。

年少者の課題は、一言で表現するなら、「人とかかわることが好き」ということ、集
団活動に進んで参加できることです。そして、年長者になるにつれ、そうしたかかわり
を通して、進んで協力できた、自分から働きかけができた、誰かの役に立つことができ
た、という集団の一員としての自信や誇りの獲得が課題となります

ここまでの考え方の裏付けになります。“生徒指導リーフ”を是非参考にしてみてください。

>>自尊感情と自己有用感 国立教育政策研究所

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自己肯定感の高い子供(小中学生用)の育て方「親のできること」と「最悪NGワード」 まとめ

今回の記事は

自己肯定感の高い子供(小中学生用)の育て方「親のできること」と「最悪NGワード」についてまとめてみました。

お子さんのことを愛し、いつも第一と考え頑張るお母さん。

お母さん自身が幸せですか?あまりにもお子さんに心が向かい過ぎで“余裕”がなくなるのもいけません。お母さんだけにできるお子さんへの最大の贈り物は「笑顔」です。「温かなまなざし」です。

それには、頑張りすぎないことではありませんか。私はこの余裕を「おおらかさ」で表現してきました。さらに別の言葉で表現すると「バランス感覚」です。

お母さん自身こそ、自己肯定感が高い親になってほしいものです。子育てに奮闘するありのままの自分を受け入れられる自己肯定感で心に余裕があるからこそ、子どもの心へも適切にアプローチができるのではないでしょうか。

きっとできます。

子どもは、最終的に「親離れ」しなければなりませんし、親もまた「子離れ」しなければなりません。そのためにも、子どもに自分の人生のすべてを注ぐようなことは避けたほうが賢明です。

親であるとともに一人の人生を生きているのですから、親自身も楽しく幸せな人生を歩むことが大切です。

子育てに入れ込みすぎることなく、子どもをひとりの人間として認めることがわが子の自己肯定感を高めることにもつながるはずです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。子育てを応援するワダチブログを運営しています。お役に立ちました幸いです。よろしくお願いいたします。