学級で毎日行われいる「朝の会」「帰りの会」は、年度当初に学年内で検討するため、各担任が特段工夫することなく横並びの意識になりやすいものです。
このような先生方多そうですね。
この記事では、「朝の会、帰りの会」教育的意義の大きさに気づいていただける内容にしました。
「朝の会、帰りの会」は毎日あり、学級担任がリードできるため継続的な指導で教育的意義の高い時間帯になります。そこで、「朝の会・帰り会」の効果的実践方法と自分の目指す理想の学級づくりへの生徒指導の考え方を提案します。
私は、公立中学校の元校長です。先生方と子育て中の親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。この記事で、事務的に陥りやすい「朝の会、帰りの会」の価値を再認識でしていただけたら、うれしいです。
「朝の会と帰りの会」教育的な意義と指導の考え方進め方
中学校は教科担任制なので、朝の会と帰りの会は、学級担任と生徒たちとの信頼関係を築く大切な場となります。その教育的な意義は大きく二つあります。
- 朝の出席確認は健康観察の時間(親御さんから「命」を預かっている感覚を忘れてはいけないと考えます。存在を確認し健康観察することは欠かすことのできない最重要事項なのです。)
- 朝の会では、今日一日の「目当て」を確認し、学校生活の「見通し」を確認する時間としての教育的意義です。「帰りの会」では、感謝と明日への意欲を繋ぐ教育的意義です。
1.「朝の会」は丁寧に呼名し「健康観察」の重要性を意識する
こんな意識を身につけてください!
学校は子どもたちを教育する場所です。そのことが信託を受けた公立学校の存在意義です。しかし、その前に教師が意識していなければならないことがあるのです。それは、
「大切なお子さんの命」を親御さんから預かっているという事実です。
親御さんは、学校がわが子にとって「安全で安心できる場所」であってほしいと願っています。そのような願いを背景に、毎朝するのことが「健康観察・出席確認の呼名」なのです。
学級づくりの基盤となる生徒指導は、毎日毎日の継続性が鍵なのです。先生がこだわり、意識していることは、ジワジワと確実に生徒に伝わります。
2.「朝の会」で一日の学校生活の見通しを確認する
朝の会は、生徒指導面において大切な時間です。今日一日の「急な日程変更」等も伝え、連絡事項を確認する大切な時間でもあります。
「朝の会」では、今日の「目当て」を設定・理解し、学校生活に見通しをもたせることが大事な役割になります。
生徒に一日の見通しをもたせ、学校生活のスタートにふさわしい会となるよう努め、教師の注意や諸連絡だけにならないようにしましょう。
朝の会の進め方の一例「プログラムの基本」と欠かせない指導項目
当番の号令で
クラスみんなの「おはようございます」の挨拶から一日が始まります。以下のプログラムが一般的な朝の会の内容になります。
- 朝の挨拶
- 出席確認と健康観察
- 今日の予定と連絡(係や委員会)・連絡
- 今日の目標
- 先生のお話
- 終わりの言葉
1.朝の挨拶
挨拶は、学級経営の柱です。
挨拶は日常生活の基本的な礼儀作法の一つであるとともに、学級の雰囲気を明るく温かいものにする基盤です。
明るくさわやかな挨拶で、気持ちのよい生活をスタートさせましょう。教師が良きモデルになりお手本を示すことです。
挨拶指導の二つのポイントです。
挨拶の本質は、心を開いて相手との良好なコミュニケーションを築いていくところにあります。そのため大切なことの一つ目は「自分から先に心を開き挨拶する」ということです。
二つ目は、自分の挨拶が「相手に心地よく届く」ことが大切です。どんな挨拶が心地よいのでしょう。イメージするのは「単純に大きな声」ではありませんよね。
私は「表情豊かな活力を感じる爽やかな声」が心地よいと感じます。
このような話を繰り返し繰り返し伝えることです。挨拶指導は叱る指導ではなく、心地よい挨拶を受けたとき、担任が感動して「すごくいい挨拶だね。こういう挨拶を目指そうよ」と価値を素直に表現して伝えることです。
だから、毎日毎日「朝の会や帰りの会」の挨拶指導の中でじわじわと成果が身につくのです。担任の意識の高さが子どもたちには確実に反映されます。
2.朝の会の出席確認と健康観察の意義
健康観察では、心身の健康状態を把握します。委員会活動で保健委員が健康観察を活動を重視してもかまいませんが、「教師が」一人一人の生徒の表情を確認することが大切です。
欠席遅刻等の朝の会の時に不在理由がはっきりしていない生徒がいる場合、職員室等に戻っての確認作業があります。誰がどんな理由で教室にいないのかを直ちに把握し、必要ならば家庭への電話連絡等で所在の確認が必要です。
所在の確認は、確実に素早くやることです。繰り返された「幼稚園バスの死亡事故」等、命を預かる職業人として、信じられないほどの緊張感のなさが招いた必然です。
「朝の会」小中学校話ネタと指導の考え方進め方!想いを伝える学級経営
朝の会は、生徒が「前向きな気持ち」で1時間目の授業に向かうことができるようにすることも大切です。
そのためには、学級担任の言葉かけも「明るい声の調子と前向きなメッセージ」が欠かせません。また、生徒の自主的な係活動等の言動や温かな人間関係を築く「学級内で大切にする言葉」を広げていくことが大切です。
1.学級担任の前向きな語り
例えばこんな雰囲気の話しかけはどうでしょうか?
この言葉、すくなくても思いつきの言葉ではないですよね。
こんな話し方に、担任自身が「大切にしたい価値観」が含まれています。一分に満たない言葉でも、担任の笑顔を期待する強いまなざしで「効果抜群」のはずです。
無意識ではなく、しっかりと意識して話すのです。説諭よりはるかに生徒の心に残ります。
2.学級担任の意図的な継続性~クラスと自分自身の成長に目を向けさせる
学級担任の話は「クラスの成長」と「自分自身の成長」に目を向けさせるない内容をおススメします。
朝の会、帰りの会で心掛けることは3つです。
- 叱責はしない。もしくは短くする(叱責=「やればきっとできる、頑張れ」という期待の話にを中心に語る。
- 楽しい生活をみんなで模索し創るという意識の尊さ、学級全体の成長と個人個人の成長に目を向けさせる言葉を短く継続的にシャワーのように「教え込みたい価値観と言葉」で包み込む。
- 「朝の会」での話題(目標)を「帰りの会」で確認評価する一貫性を大切にする。
楽しい学級を目指そう!しかし、具体的には成長するクラスを目指そう。そのためにも、一人ひとりが成長を意識していくことが大切です。
「成長の定義は、よりよく変わっていくこと」です。
朝の会での有効なテーマは
「何が変わってきたの、、良くなってきたのか、、」をタイミングよく認めて声をかけるのです。そして、クラスの成長、子どもたちの成長を担任が喜ぶのです。
このような担任の意図的なメッセージが朝の会や帰りの会で繰り返されたら、学級はみるみる変化していきます。
「帰りの会」小中学校話ネタは肯定的な評価で学級文化をはぐくむ
帰りの会は
連絡帳の記入があります。次の日の授業の内容や持ち物、提出物などを連絡帳に記入します。これは基本的な習慣として第一に挙げる大切な行動です。予定に関する係からの連絡についても、責任を学ばせてください。
そのうえで、この記事で強調したいのは次の点です。
帰りの会では、学級生活に前向きな気持ちて「夢と目標」がキーワードです。そして、今日一日を仲間と一緒に過ごしたことに「感謝する時間」にしたいものです。
具体的には、
おススメは、今日のヒーロー、今日のありがとう等、気づいたことを「感謝の言葉で伝え合う」時間です。
次に「〇〇さんのこういう行動は、とてもすごいと感じた事例を紹介する」ことです。そして、みんなで拍手する!この雰囲気を大切にしてほしいです。
感謝の言葉は「ありがとう!」の気持ちを伝えるわけですから、紹介される方も、発表するほうも笑顔になれるものです。
また、人の悪い面ではなく、よい行動を讃え合うことは学級の雰囲気を「安心の文化」で整えます。人の良い面に気づくことは、発表する子ども自身も成長している証です。このような心温まる伝え合いは、学級づくりの基盤になります。
心を育むとは、ジワジワと染み込むようなイメージです。①仲間に感謝、②みんなで拍手この実践も担任に本気さが求められます。
そうでないと、形式的になり、拍手もマンネリ化しそうです。
発表は気づきです。
その気づきを喜び、成長を喜ぶ心があれば実践の価値はあります。是非、試してみてください。
短時間であっても充実した会にするためには、学級担任が「こんな時間にしたい」「短いけど、毎日の“伝え合う”この時間を大切にしたい」とのメッセージを送り続ける価値は大きいものです。
帰りの会は、学級内の問題について説諭したり、話し合ったりした場合でも、最後には気持ちよく終えることが重要です。「明日もまた学校に来たいな…」という余韻を残して帰宅できるように配慮していきましょう。
(◇教室のザワザワを解決する指導法です!)
「朝の会と帰りの会」小中学校話ネタと指導の考え方進め方!想いを伝える学級経営 まとめ
今回の記事は
「朝の会と帰りの会」小中学校話ネタと指導の考え方進め方!想いを伝える学級経営をテーマにしてまとめました。
どの学校でも、淡々と進行してしまう場合が多いのが「朝の会と帰りの会」です。
学級担任が継続的に想いを語ることができる「朝の会・帰りの会」は、学級の文化を育てる好機です。一日の見通しと振り返りという本来の内容を維持しながら時間を生み出し、独自の活動を取り入れることは大変効果的です。
意図的に運営することで、生徒が自ら生活の向上や改善に対して意識を高めていくこときっとつながります。是非、「朝の会、帰り会」の創造的な工夫を目指してみてください。