4月は新しい先生との出会いの季節でもあります。1年間お世話になる先生が、必ずしもわが子との相性がいいとは限りません。
子どもは一般的には「やさしい先生がイイな…、厳しい先生は嫌い!」といいのかもしれませんが、もし子どもが
と、親御さんに愚痴を言って嘆来た時、あなたならどうしますか?
そんな時、お子さんの感情に任せて合わせているだけでなく、お母さん自身も正しく判断する見方や考え方も必要だと思いませんか?
私は公立学校の元校長です。これまでの経験を活かして先生方や親御さんに向けて応援ブログ「ワダチブログ」を運営しています。
この記事では
- 厳しい先生の特徴、優しい先生の特徴
- 先生のどこを見て判断するのか
- 良い先生の特徴
- わが子と相性が悪い時の先生への相談の仕方
お子さんの言葉だけに流されず、偏った見方だけでなく、先生の姿勢をよく見極めて対処できるようになります。
「優しい先生がよいのか、厳しいが先生ダメなのか」どこを判断するのか?よい先生の条件を解説
「厳しい先生=ダメな先生で、優しい先生=良い先生」とは言い切れません。まず冷静に、学級担任の先生は二つの視点から判断してください。
一つ目は
- 厳しくても、指導として適切か
- 問題ある「行き過ぎた指導」なのか
ココが判断の一つの視点です。これを見極めるわけですが、学校生活のすべてを覗けるわけではないので、実際は簡単ではないです。
二つ目は、「わが子」と学級担任との関係性はどうなっているのかについてです。これは、こんな二つのケースがあります。
- 実際に自分の子どもが、先生から指導されて嫌だったことは何か
- 「自分が実際に指導されているわけではない」けど、周りの特定の子どもたち数人に対しての先生の言動が“怖い”“見ているだけ、聞いているだけで拒否反応がある”というパターンです。
学級担任にとっては、新学期始まりの1,2週間が規律面、基本的な生活習慣の身につけさせる緊張の指導期間です。特に4月出だしの1,2週間の指導基準が、一年間の生活規範の下になりますので、先生方も真剣に子どもたちと向き合っている日々です。
教室には、色々な個性的な子どもたちと発達段階の違いから、多くの子どもたちができることが、なかなかできない子どももいます。
自分が指導されているわけではないのに、指導されている先生の真剣な言葉や表情、態度の中に「恐い先生の印象が刷り込まれ」てしまうことがあります。
すると、先生にはいわゆる普通に“あなたの子ども”に接している日常会話でも、先生の前で過度の緊張状態がおこり、自分が特段何か言われたされたりしたわけではないのに、拒否反応をしめすこともあります。
特に、小学校の低学年などは、知っているのは幼稚園・保育園の先生だけのわけで、関わり方のギャップを強く感じるお子さんも意外と多い事例です。
「優しい先生がよくて厳しい先生がダメか」行き過ぎた指導とは何か?
「行き過ぎた指導」とは、指導とは呼べない言動です。一般的にわかりやすいのは、
- 明らかな暴言
- 叩く、蹴るなどの体罰
- 特定の子どもに対するいじめにも思えるような行為
を含む指導です。これらが疑われる場合は、親として何らかの行動に出た方がよいと考えます。
「行き過ぎた指導」関連で報道されてた記事内容
つい先日も、こんな見出しでヤフーに報道がありました。
担任が児童らに「うるせえ」「バカがうつる」○○市立小職員を懲戒免職に
児童を廊下に並ばせる際、他の方向を向いている児童の周りに対し「バカがうつるから真似したらダメだよ」と不適切発言をしたと言います。
実際、ココだけで真実はわかりません。言葉は教師が指導場面で使いこど場ではないです。従って、表現は教師として「アウト」です。暴言は体罰と考えられ、懲戒処分が検討されることもあるでしょう。
実際に、この発言だけで「懲戒免職にはなったわけではない」と思われます。その後の配置転換による、「無断欠席」が懲戒処分の理由だと思われます。
まず先生の「厳しさ」を見極める
「一年生の担任なのに厳しすぎる。今すぐにでも苦情を言いたい!」…ちょっと待って。一度冷静になってみませんか?
「厳しいけど、即問題アリではない」それとも「明らかに問題あり」か
親の情報源は「わが子」から始まります。子どもが「先生が厳しい」と言っても、その感じ方は人それぞれです。すべての子どもが学級担任の同じように厳しい感じているわけではありません。
- Aさんは「先生は生活面ですごく厳しいけど…休み時間はよく遊んでくれて楽しい」
- Bさんは「とても厳しい先生だけど、よいことは良いと、褒めてくれるからうれしい」
- Cさんは「先生は厳しい、しっかりと叱ってくれるのでいいクラス」
- Dさんは「先生は厳しい、大きな声で叱るので怖くてたまらない」
- Eさんは「厳しい先生ってみんな言うけど、私は全然平気だけど…」
この例ではすべての子どもたちは「先生が厳しい」と感じていますが、「厳しい」の内容はみんな違います。
- AさんとBさんは「厳しい先生」だけど、先生には楽しい一面や良く褒めてくれる一面もあって、そのような一面もちゃんと理解しています。
- Cさんは、厳しい先生だけど、先生がしっかりと叱ってくれるのでいいクラスと、先生を認めています。
- 一番問題なのはDさんです。厳しい先生がDさんにはうまく適応していません。
- Eさんは、厳しい先生でも、全然気にならないという感じです。
このように、子どもからの情報を親が勝手に「先生は厳しい=こまったなあ」という親御さんの反応は偏った見方で真実ではありません。
わが子の感覚だけで「親も勝手なイメージで先生を判断」しては、問題は見えてこないし間違った方法に進んでしまいます。
「優しい先生がイイ先生か」どこを判断するのか?
私は、優しい言葉で理想の先生を表現する時、その資質を3つ挙げます。
やさしさ きびしさ あたたかさ
先生は誰にでも「優しい」笑顔の似合う先生であってほしい。でも、悪いことをした時は「厳しく」叱ってほしい。厳しさの中にも先生の子どもを思う温かな心を感じたいものです。この3つのバランスが取れた先生が、目指す教師像です。
優しい表情、優しい話し方、子どもたちにも優しいことばで話しかけてくれる先生、「やさしさ」が表情にあらわれている心豊かな先生であってほしいと、親はみな願います。
先生の資質にこの「優しさ」は、欠かせない資質と私は思います。
しかし、厳しさ、温かさのない「やさしさ」は、子どもに迎合しているだけの恐れがあります。すると「優しい先生」がいい先生とは限りせん。
「優しい先生がよくて厳しい先生がダメか」よい先生の条件を解説
1.しっかりと叱れる先生、話し方に好感がもてる先生
子どもたちの行動が「悪いことした時」「問題がある時」しっかりと、叱ってくれる先生です。目を背けず、「いけないことは、いけない」と真剣に語ることができる先生です。
しかし、ポイントはその先生の「話し方」なのです。
言葉が乱暴、態度が悪い(腕や足を組んだり、手をズボンに入れたままだったり)…
先生がどんな表情で話しているか、先生の視線に温かさがあるか、先生の声の調子など、非言語的なコミュニケーション能力が低い先生が、どんなに正しいことを言ってたとしても、子どもたちには伝わません。
先生は何を話すかがもちろん大事ですが、どんな「話し方」をしているかが「よい先生」の判断ポイントです。
2.教育指導に一貫性があり、精神的に安定している先生
子どもを指導する基準がハッキリとしていている先生は、いい先生です。子どもが迷いません。丁寧に何が正しいのかを語れる先生は、子どもたちにもわかります。信頼を勝ち取ります。
いつも落ち着いていて心が安定している感じがある先生が、いい先生です。
(逆は、先生が機嫌がいいのか悪いのか子どもにもわかっている先生は、いただけません。だって、先生の顔色を見ろ!なんて横柄の極みです)
3.子どもの話を、しっかりと耳を傾け聴いてくれる先生
先生は指導するのが仕事ではありますが、一方通行では人は育ちません。
「先生は、私の話を真剣に聴いてくれた」
子どもの話に、丁寧に耳を傾けてくれる先生は、間違いなくいい先生です。
(逆に、どんなに先生が真剣に叱っても、話し方が一方的で子どもに伝わらなければ、指導ではないですね)
4.一緒に遊んでくる先生、一緒にお話をたくさんしてくれる先生
好きな先生の指導する言葉は、子どもの心に染み込みます。
先生として、しっかりした指導力や熱意は欠かせませんが、一緒に時間を過ごす先生との触れ合いは、どんなに子どもたちの心を解放してくれるこどでしょう。
楽しい休み時間が、子どもたちの心を先生に向かせます。
「優しい先生がよくて厳しい先生がダメか」どこを判断するのか?よい先生の条件を解説 まとめ
今回の記事は「「優しい先生がよくて厳しい先生がダメか」どこを判断するのか?よい先生の条件を解説」をテーマにまとめてみました。
担任が厳しすぎて、お母さんも憂うつ、モヤモヤする気持ちはわかりますが、親御さんだけでも、前向きに過ごしませんか?
お子さんの声に耳を傾けることは、とても大切なことです。ただ鵜呑みして、その言葉のまま信じ込んでしまうのは早計です。
親御さんがどっしりしているだけで、お子さんがスランプから脱しポジティブに変わってくるかもあります。お母さんが感情的に不安定になるのは禁物です。
「ワダチブログ」には、関連記事がありますので参考にしてただけたら嬉しいです。