中学三年生は、高校受験での面接試験を想定して面接指導が行われます。
この記事は、中学生に話してあげてほしい「生き方」授業のネタです。中学生はもちろん、先生方や親御さんにも参考になるようにまとめました。
私は元中学校校長です。現在、先生方や親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。この記事では、校長による中学3年生個人面接練習の経験から、中学生に伝えてほしい話ネタです。
テーマは、「挨拶と笑顔」の話ネタです!「真実は、強い。偽物は一瞬で見破られる、本物はちゃんとわかるもの」です。中学生の生徒に語り掛けるようにまとめました。
中学生の生活態度を考え直すきっかけになるとうれしいです。この記事を読んでいただくと中学生生き方授業「話しネタ」をきっと伝えたくなります。
先生の話ネタ中学校版「生き方授業」本物の笑顔とは
中学3年生の2学期11月、校長室での1対1での面接練習。初体験でみんな緊張しています。そんな中、緊張は感じられるのですが、
とても自然な雰囲気で「素敵な笑顔」で受け答えをする生徒がいました。
ここから、生徒と交わした実際の会話の様子です。10分程度一通りやって、一区切りをつけます。
〇私「はい、いったん休憩ね。リラックスしていいよ」…途端に、生徒は緊張してこわばった体から力が抜けます。
「はい、ご苦労様。緊張した?初めてだからね。無理ないよね。みんな一緒だよ」と励ました後、こう話します。
「ところで、●●さん、この面接に向けて、あまり練習する時間がなかったでしょう?」
生徒「(すまなそうに)はい、最近学級で教えてもらったばかりです。」
「いや、責めているわけじゃないよ。とっても、うまかった。どこが良かったか、これから話しますね」
●●さんの笑顔は、とても自然でいいですね。とても素敵な笑顔で、すごくよかったです。
「あなたの笑顔は、この面接練習の場だけの“笑顔”ではないことは、私にはすぐにわかります」
あなたは、この面接場面だけ意識して笑顔をつくったわけではなくて、
人と話す時、いつも温かな表情の笑顔でお話をしているんじゃないかな…これって、とてもすごいことだよ
それは、普段の学校生活の中で、あなたがずっとやってきていること。だから、きっと自然にその笑顔がにじみ出てきたのだと思います。
相手に与える印象が、とっても良かったです。普段から心がけていることは、このような急な場面でも、自然と表現されていますよ。
例えば、面接のその時だけしっかりと礼をしようと思っても、見る人が見ればすぐに真実はわかります。
あなたの真面目さ、誠実さは笑顔と一緒に伝わっているよ。大丈夫、自信をもって。
普段から、きちんと学校生活を送っているんだね。
私は、本当に心から“そう”感じたことを、素直に表現して伝えています。
中学生でも本物は、本物です。
普段は適当で、本番は要領よくやろうと思っても、見破られます。その考え方自体が、手抜きでごまかしですから。
先生の話ネタ!中学校生活のムダなものはない
授業で毎時間にやっている、「起立、気を付け、礼」 例えば、気を付けの姿勢。礼の仕方など、大人顔負けの「本当にすごい生徒」いるんです。
逆に、その時だけしっかりやろうと思っても、人は「普段通り」にしかできません。すぐにわかります。
言葉の話し方。椅子の座り方。声の音量、声の調子。話し方、表情、立ち振る舞い。
本当に、一人一人違って大きな「差」になって、表現されます。 日ごろの積み重ね、心構え一つでこんなにも違うものか。
中学校生活に、無駄なものは何一つないのですよ。
そして、一番、誰にでもわかりやすく、実力の差が出やすいのが「朝のあいさつ」です。
みなさんが自覚と意識をしていないだけで、「おはようございます」の9文字。ここの実力差は大きい。「どこに差があるか」お話しますね。大切なことですよ。
先生の話ネタ:生徒指導面!本物のあいさつとは
レベルの高くないあいさつ例
「おはようございます」という言葉をいうことが、声をだすことが「あいさつ」と考えているレベル。完全に勘違いしています。
だから、「小さいな声、大きな声」その仕方は様々です。「エ~大きな声で、あいさつするのもダメなのですか?」そんな声がしそうだけど、
その通り、本物のあいさつとは、声の大きさで決まるわけではありません。
大声のあいさつで「元気がイイね」と褒められるのは小学生までです。
しっかりと説明するからね。
あいさつは、漢字で「挨拶」と書きます。むずかしい漢字ですね。
言葉には語源があって、その言葉が使われるようになった、もともとの意味があります。
あいさつの語源は、一挨一拶と書いて、「いちあい、いっさつ」と読みます。
■先生(師匠)がどのくらい教えを理解できたか、生徒(弟子)に質問をしてせまります。
■生徒(弟子)は、先生(師匠)の問いかけに、必死に答えます。
この先生と生徒の「押し問答」の意味が一挨一拶で表現されました。後に省略されて「挨拶」になったそうです。
「挨」の字は、押し開く、叩く、近づくの意味
「拶」の字は、迫る、開く、近づくの意味
挨拶には「自分から、心を開いて、相手に近づく」という意味があったのです。
本物のあいさつには、
「自分から、心を開いて、相手に近づいていく」という意味があったのです。
単純に、「おはようございます」という言葉を言うだけが、あいさつではないことがわかりますよね。
あいさつには「相手を大切におもう、敬の心」があります。敬意の敬、尊敬の敬の字です。
自分の優しいあたたかな心を「先に」開いて、相手の心の扉を「トントン」とノックすることと同じです。
ノックしたら「おはようございます」と返してくれたら、相手も心の扉が開いて、お互いに気持ちが通じ合えたのでしょうね。
自分から先に心を開き、相手の扉を開いてもらうようなイメージ。
だから、その挨拶の声は、ただ大きい声ではなく、しっかりとした明るい声で「相手に自分の気持ちがよく伝わるようにするもの」なのです。
あいさつをするからには、相手を意識して「わたしから」「さわやかさ」を伝えることがねらいのわけです。
だから言い方が大事。
怒鳴るような声でいわれても、うれしくないでしょう。
相手に、自分からコミュニケーションをとる力です。その原点があいさつ。
このあいさつが中学生で100点満点なら、もう社会人レベルの実力があるということです。大人になっても通用する力を身につけたということです。
だから、自分から先に心を開くものです。
朝、校門で大人顔負けの、「おはようございます」を言える中学生もいます。私の心が動くのです。
「この子、すごい!」と。もう大人だって感じます。
人に対する「敬」の心が大切と書きましたよね。だから、私はすべての生徒に「おはようございます」と丁寧に、頭を軽く下げながら呼びかけ続けました。一人の人間として接しました。
9文字のこだわりに、その生徒の人柄のすべてが表現されているのです。
毎日の繰り返される表現力が、人間力が問われる面接等のいざという時、実力を発揮するのです。
中学生生き方授業!笑うから楽しくなる、心構え
普通は、楽しいから「笑う」かな。ここで紹介するのは、先に「笑う」から、その結果「楽しくなる」
笑顔を「意識」して、周りの人とともに生活していけたらいいですね。
もし、自分の周りの人たちが「笑顔の絶えない仲間」だったら、
きっと楽しい生活になるような気がしませんか?
問題は、はじめから「笑顔の輪」があって、あとからそこに自分がはいっていこうとするのか、
自分から、笑顔の輪をつくろうとするのかの違いです。
人間関係をつくっていく
ということは、はじめから自分に過ごしやすい環境が用意されていて、「後から」そこに自分が入っていくイメージではありません。
自分が先に望ましい関係を築いていこうとする心構えで「行動」することです。私は「自分から先に」笑顔を心がけることが凄い力に思えるのです。
だから、模擬面接の生徒を心から褒めたのです。
君には「本物の笑顔」を意識して「こだわって実践」してほしいのです。きっと、毎日の生活が変わるきっかけになると思います。
ちょこっと、笑顔を心掛ける。
君が自然な笑顔の友だちが大好きなように、自分も「大切にしたいこと」を意識して生活してみてほしいな。きっとできますよ。
先生の話ネタ中学校「生き方授業」楽しいから笑う?笑うから楽しい?まとめ
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