生徒指導で保護者を呼びだしての面談は…本当に緊張する…マニュアルがあるわけではないし…何か対応テクニックを教えてほしい…
こんな保護者対応の悩みありませんか?この記事では、そんな先生方の悩み解決に向けて、「保護者面談の対応術の向上」を目指してまとめました。
私は公立中学校の元校長です。これまでの経験を活かして先生方や親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。保護者対応の経験を下に「実践から学んだ考え方や手法」をご紹介します。
今日のテーマは、ズバリ面談力の向上です。
生徒が問題行動をおこし、保護者を呼んで面接する場面がありますよね。初めての学級担任の先生方はもちろん、経験していてもちょっと緊張します。
この記事を読むと
1:保護者面談時の適切な手順と考え方、手法がわかります。
2:面談の失敗例がわかり、保護者対応で「何をすべきか」配慮事項がハッキリとします。
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教育書には書かれていない、成功実践をもとにして、課題に切り込みます。
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保護者面談の内容とは!「聞くこと話すこと」成否の分かれ目は?
結論からはじめます。担任の「親との面談」成否の分かれ目を解説します。そのコツは…
面談終了後の「親の感情」に理想のゴール像を置きます。
例えば、面談を終えて…親御さんのこんな感情がおこったとします。
〇1先生方が、わが子に愛情をかけて指導していただいていることが、よくわかった。ありがたい。という感情等。
〇2私(母親、父親)の気持ちをよくわかっている。私を大事にして、励ましてくれた。丁寧に話してくれた。「嬉しい」という感情等。
〇3 先生方も頑張っている。申し訳ない。私もしっかりしなくては。「できることは、学校と協力してやってみよう」という感情等。
この3つです。ここに行きつくためには、どのような策があるかを考えるのです。
そもそも、今回の問題行動を起こしたわけですので、家庭にも連絡をするのはよくあることですよね。
大事なことは「親を呼び出してまで会う」という、その目的は何か。
家庭と学校が一緒になって、子どものことを十分に理解し合って、これからも手を取り合って進めていきましょう。信頼関係を築くために、面談するわけです。
そのために、親に来てもらい「事件の概要」を説明をするのです。
上記の3つの理想のゴール像のように「お母さんの感情」が動けば、今後の連携と協力が約束されます。
保護者面談の内容とは!陥りやすい失敗例
こんな面談になっていませんか?
ともかく、「事件の概要」を知ってもらいたいと「伝える」ことが1番に重視され、目的になっている面談。
そのうえで、「家庭でも、しっかりとご指導をお願いします」の教師側の意図を強く、保護者に感じさせてしまう面接です。
この面接後の親の感情は、もしかしたらこんな感じ方かもしれませんよ。
〇先生には言われっぱなし…言葉もない「情けないけど、今回はうちの子に非がありそうだから、仕方がない……」
先生の話は分かった。けど…先生の話を一方的に聞いているだけだった…「今回は黙って聞いておこう」
と、不愉快な悲しい感じだけで面談が終わってしまった。そうなると
お母さんにとって、先生との面談には、どんな意味があったのでしょうか。
すぐ帰宅して子どもを怒るかもしれませんが、とても、わが子への指導に大きな変化は起こりません。
先生と協力して頑張ろうという気が起きないのではないでしょうか。
最悪、この生徒が別の事件で、被害者側に回ったりしたケースでは、
「今度は、こちらからいわせていただきます」と、徹底的に学校側の不備を追及してくる親に変貌することもあります。
こんな実例は、よくあることです。
もう、感情の対立にになってしまうと、もつれに、もつれてしまいます。
では、成功に導く具体的な考え方と手法です。
保護者面談で失敗しないコツ中学校版!苦手意識解消の対応術の実際
こんなふうにしてみると、面談がうまくいきますよ!
1 親と会うために、15分前には仕事を止めて、お母さんを温かくしっかりと迎えるため心を整えます。
面談への構えを自分自身でつくるのです。
2 複数で迎える場合には、それ以前に、面談ゴール像を理解し合って、役割分担を確認します。
3 お母さんへの「敬」の心です。キーワードは、「ねぎらい」です。母親だって大変です。
仕事場から連絡を受けて、駆け付けてくれたかもしれません。家でもうまくいかず、手を焼き困り果てているのかもしれません。そんな状況下で、先生からの電話。お子さんの問題で、すぐ学校まで来てください。
言葉は丁寧だったけれど、憂鬱、・・・そんな感情から、急いで支度して、学校にたどり着くのです。
静かで真っ暗な玄関・廊下・職員室に「●●の母です。◎◎先生はいますか」と…ちょっと辛いですよね~立場を変えれば。そこを慮る。
教師側だけの感覚で
事件…こりゃ大変…親にも知らせなくちゃ…連絡しよう
これ、危険です!
生徒の今後を心配して、効果的な指導をしたいがための連携ですよね。努力をして…関係性が悪くなってしまったら…面談する意味がなくなってしまいます。
ゴールは、お母さんの感情を引き出すのです。出迎える際の実際の手順です。
・面談する部屋を明るくします。冷房、暖房をして整えます。
(私は、玄関でお母さんを待っていました)
「すぐに、来ていただいて本当にありがとうございます」「よろしくお願いします」と、お礼の言葉とともに頭を深く下げました。
見送りも同じです。
・特に「出迎え時」、突然の連絡にとまどう不安な保護者の心情に、教師が寄り添うことができれば、「ありがたさ」が伝わると思います。
繰り返しますが、教師側の「親にも実態を知ってもらい、指導してもらおう」的な感情は、表面に出ないように、気を配ってください。
そもそも、保護者も手を焼き、何もできないのかもしれません。
そんな状況の保護者に形通りの常識的な提案をしても、思わぬ行き違いになります。
人間は「自分が頑張ってもできない無理な要求を出される」と、攻撃の矛先をこちらに向けたり、自分を守りに入ったりします】
もし、この記事を読んで
「伝えなければならないことは、きちんと伝えなければ、面談の意味がない」と、お考えの先生。それもまた、正しいことです。
私が今、提案していることは「母親の立場」を十分に敬意を払い、それが伝わる面談なら、母親は先生への信頼が厚くなります。理解と協力が得られる確率が上がります。
状況をみて、「呼び出した」1度きりの面談で、すべてを伝えなくてもいい場合もあります。明日に、学校での生徒の様子を伝えながらお話してもいいのです。
その辺の加減を見極めてください。そのような先生の温かな心の構えは、苦しいお母さんの心情に必ず伝わるものです。
親も苦しんでいるなら、その支えになれるような教師となり、心強い味方になって進んでいったほうが、すべてがうまくいきます。
先生と保護者の関係性は続くのです。この1度きりの面談ではなく、1年間、2年間、3年間のお付き合いとして続くのです。
保護者面談の内容とは!「聞くこと話すこと」配慮事項と対応術 まとめ
今回は「保護者面談の内容とは!「聞くこと話すこと」配慮事項と対応術を解説」でまとめてみました。
生徒の問題行動で親にも知っていたほしい事例で呼び出す場合。
1事件発生=親を呼ぶ、という思考は危険です。呼び出すだけの教育効果を考えて、丁寧に迎えてください。
親を呼び出して、どんなゴールを目指しための面談なのか?どのように面談をコントロールするのか?誰がどんな役割をもつのか?ここが専門性です。
2ねぎらいをキーワードにする。敬の心を表現する。大事なことは、一人の悩むお母さんの心情に寄り添い、大事に向かい入れることは。
親との面談は一度きりではないのです。
目の前に座るお母さんの感情に訴えることで、よき関係性を目指した面談にしたい。面談目指すゴール像に親の感情を焦点として面談を組み立てるときっとうまくいきます。
今日はここまで。読んでいただき、ありがとうございます。
ワダチブログでは、中学生に贈る5分間の「生き方授業」も用意しています。参考にしていただけたら幸せです。