子育て相談

子供のNGな叱り方とは?親子関係を悪化させない正しい叱り方のコツ

しかし叱るのではなく、つい感情的に怒ってしまうなんてことはありませんか?この記事では子どもの叱り方で悩んでいる方に向けて、感情的にならないポイントや上手な対応、

上手な叱り方とNGな叱り方の違いは?

代表的なNGな叱り方

①ダメ出し:何に対してもとにかく否定ばかりする
②押しつけ:自分の意見を押しつける
③決めつけ:根拠なく、思い込む
④長々とした説教
⑤感情的に怒りをぶつける

「ダメ出し」「押しつけ」「決めつけ」あるいは「長々とした説教」……。どれも叱るときに、ついやりがちですが、一方的に自らの考えを押しつけ攻撃する行為は、相手を防御に追い込み、かたくなにさせてしまいます

「感情的に怒りをぶつける」というのも、私自身、ティーンエージャーの息子に時々、やってしまうのですが、「自分のむしゃくしゃやうさを晴らそうとしているだけだろう」とよく言われてしまいます。

「叱っている本人のため」ではなく、「叱られている当人のため」であることが、きっちりと伝わっていない限り、うまくはいきません

正しく叱る子育ての解説の前に「怒る」と「叱る」の違いを押さえておきます。

  • 怒るとは、子供に親の感情をぶつける行為です。イメージ的に表現するなら、親からの一方通行で、力づくで子どもの行動をコントロールしようとすることです。
  • 叱るとは、相手を正しい方向へ導くために「何が良くなかったのか」について「気付かせる」ことです。イメージ的に表現するなら、真剣にここは譲れないよのメッセージです。

感情的に怒る親の弊害

親から感情的に怒鳴られることは子どもにとって恐怖でしかありません。怒鳴られて精神的に(時には肉体的にも)心が傷ついていきます。同時に、子どもは可能な限り怒鳴られることを避けようとします。

これは子供の成長ではないですよね。その結果、親の顔色を伺う子供になります。(瞬時に、機嫌がイイか悪いか驚くほど、子供は親をよく観察しています)

親がイライラしている時は、自分が悪いことをしてしまったのかもと考えてしまいがちになります。

この考え方の習慣が大人になっても続くとしたら、人の顔色を伺って生きるのはストレスがたまります。自分らしい生き方がわからない、考えられない…人生の迷子状態です。

 

 

・その場ですぐに

叱りたいことがあった時は、すぐに伝えましょう。時間がたってしまうと、子どもは覚えていないことがあります。これでは意味がありませんよね。いけないことを理解してもらうために、記憶に残っている「その時」に伝えるようにしましょう。

・短くシンプルに

指示やアドバイスは、短くシンプルなほうがわかりやすいです。「道は危ないから飛び出しません」「今はイスに座る時です」というように、要点だけをわかりやすく伝えるようにしましょう。それ以上のことは必要ありません。理由をわかってもらおうと長々説明してしまいがちですが、ぐっと我慢して「一番伝えたいこと」だけに絞りましょう。

・目を見て低い声で

叱る時は、子どもの目線に立ち、きちんと目を見て話しましょう。「あなたに伝えています」とわかるようにすることが大切です。また、声は低く落ち着いたトーンにすると◎。大声で怒鳴るのは、いくら相手のためを思っていても「怒る」と同じになってしまいます。お子さまのプライドを傷つけないために、周りに聞こえないようにすることも忘れずに。

・余計なことを持ち出さない

ご飯のことで叱っていたのに、いつの間にか忘れ物の話になっていたということはありませんか? 「昨日もそうだったでしょ」と、前日のことを持ち出してしまうこともあるでしょう。これはNG。言われることが増えれば増えるほど、何のことで叱られていたのかわからなくなってしまいます。過去のこと、他のことは持ち出さず、今目の前のことだけを伝えるようにしましょう。

・人格は否定しない

叱る時は、子どもの「行動」を叱るようにし、子ども自身を叱らないようにしましょう。「それはやったらダメです」はOKですが、「そんなことやって〇〇ちゃんはダメだね」はNGです。「自分はダメな子なんだ」と自信を失ってしまうかもしれないので、注意してください。

感情的に怒ってしまった時は素直に謝ろう

大人とはいえ人間ですから、感情的になることもあるでしょう。イライラしたり悲しかったりすれば、自分の感情をぶつけたくなるものです。誰もがきっとあることですから、あまり落ち込まなくても大丈夫。

大切なのは、その後です。「言い過ぎたな」と思ったら、きちんと謝りましょう。その場ですぐに冷静になれない時は、ちょっと離れて時間を空けてからでもOKです。大人がきちんと謝ることができれば、子どももそれをお手本にすることができるでしょう。

7「叱る」を言い換えると

① 人の顔色が異常に気になってしまう

② 本音が言えない
感情的に怒鳴る親に対して、自分の言いたいことを堂々と言える子どもは滅多にいないでしょう。
感情的に怒っている時、人は冷静に話を聞くことは難しいです。
親は「自分をこんなに怒らせる子どもが悪い!」と決めつけてしまっているので、子どもが自分は悪くないという説明をしようにも言い訳にしか聞こえず、「逆らうなんてますます悪い子だ!」と火に油を注ぐことにもなりかねません。
子どもは恐怖のあまり何も言えなくなったり、どうせ言ったって聞いてもらえないと諦めとともに、口をつぐんでしまうでしょう。
親との間でそのようなコミュニケーションパターンを繰り返していると、子どもは自分が思ったことを素直に口にすることができなくなります。
話すことは親との間でめんどくさいことにならないような当たり障りのないことを選ぶようになります。
そうしているうちに自分の本音がわからなくなるようになっていきます。
そして成長すると、周りの人たちとの会話の中で言いたいことが言えていないような感覚を持つようになります。
(本当はこう思っているんだけど、それを口にすると相手を怒らせそうで怖い)、そんな心配や不安が常につきまといます。
また、本音がよくわからない場合もあって、「あなたはどうしたいの?」と聞かれても「よくわかりません。」と返すしかなく、一体自分は何がしたいんだろうと落ち込むこともあります。

③ ネガティブな感情が溜まっている
一人の人として尊重されていれば、感情的に怒鳴られることはないと思います。
感情に怒鳴られるという行為は、人として雑に扱われる行為でもあります。
そんな行為を繰り返されていると、人としてちゃんと扱ってもらえない怖れ、悲しみ、怒り、不安などネガティブな感情が溜まっていきます。
私は特に怒りの感情の抑圧が強かったです。
怒鳴られている時は怖くて固まっているのですが、後になって怒りとともに(こう言ってやればよかった!)と後悔し続けるというパターンを繰り返していました。
私のことを蔑ろにする父に復讐したいと、自殺まで想像しました。

私が死んだらあんなに怒ったことを後悔するはず、いい気味!と想像しては気持ちを落ち着かせていました。
そして大人になると、父と同じように身近な人に怒りを爆発させてしまう自分がいました。
また、変なタイミングで急に悲しくなって涙が溢れてきたり、自分の感情がコントロールできないこともよくありました。
不安や怖れで夜眠れなくなることもあったので、ネガティブな感情が相当溜まっていたのだと思います。

④ 自己否定感が強い
怖い思いをするくらい怒鳴られる。
しかも、本来自分を守ってくれるべき、自分をこの世に生み出してくれた大好きな親から。
その矛盾に子どもは、「自分がいけないから親はこんなに怒るんだ」ということにして納得しようとします。
本当はいい親のはずなのに、自分が悪いから親をこんなふうにさせてしまったのだと。
そうやって親を守るために、悪いのは自分だ、という自己否定感を強めていきます。
側から、親は自分のイライラを子どもに八つ当たりして発散しているだけ、と見えていたとしても、子どもは悪いのは自分だと心の奥では思い込んでしまいます。
虐待されている子どもが、虐待する親を「悪いのは自分なんだ」と庇う傾向にあるのはそのせいです。
自己否定感が強いと、人生はとても生きにくいです。
自分が悪いからうまくいかないのは当たり前、くらいの勢いで、人生に次々とうまくいかないことが起こり続けます。

⑤ 常に不満を抱えている
怒鳴られて怒られることで、言いたいことも言えず親から押さえつけられていると、不満がたまっていきます。
また(自分が悪いせいだ)とする自分もいれば、(いややっぱりこんなのおかしいよね)と気付く自分もいて、自分が引き裂かれることによる不満もたまっていきます。
不満は訳の分からないモヤモヤ感として人生のあちこちに影響を出します。
楽しもうと思っても、なんかモヤモヤして楽しめない。
人と一緒にいると、なんかモヤモヤして居心地が悪い。
普通にしていても、急にモヤモヤしてきて、気持ちが不安定になる。

人から見て「幸せだねー」と言われるような生活を送っていても、(いや、別に幸せじゃない)と否定したくなるのも心に溜まっている不満の影響です。

では、正しく褒めるコツをさらに付け加えていきます。先ほど解説した「懸念される弊害を意識」すれば、褒めることへの利点が広がっていきます。

 

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私は〇〇ちゃんが毎日努力していることが嬉しい

「その人のために叱っている」ことをきちんと伝える
【4】「あなたを信じ、あなたのことを思っている」ことを伝える

叱るときに大切なのは、相手に「『攻撃されている』という気持ちを抱かせない」こと。グラント教授によれば、次の「セリフ」を述べてから要件を伝えると、40%も効果が上がったそうです。

「今から言うことは、君に対しては非常に高い期待を持っているからだ。そして、君ならその期待に応えられると、私は信じている」

つまり、叱る相手に「あなたを信じ、あなたのことを思っている」ということをしっかりと理解してもらうことが大切だということです。

そもそも、人は自ら考え、自ら「気づき」を得なければ、本質的に変わることはできないもの。あなたがどんな正論を唱え、相手を攻撃したところで、あまり意味はありません。

それよりは上手に「質問」をしながら、相手に「問題」も「解決策」も自分で発見させるように仕向けるほうが、よほど効果的です。