あなたは、子どもたちから信頼されていますか?
教師になったからには、生徒指導の力量を向上させたいと誰もが願います。
この記事では、生活指導の具体的な進め方と子ども側からみた「信頼される先生の姿」が具体的にわかります。その秘訣をまとめました。
ところで、下記の質問に先生方はどのようにかんじられますか。
実は「見られている自分」を意識するだけで、あなたの生徒指導力は確実に向上するでしょう。だって「見られている自分」を意識できている先生は、自分自身を良きモデルとして「見せる自分」を自覚しているのですから、力量はどんどん高まります。
私は公立中学校の元校長です。40年の経験をお伝えしながら「先生方や子育て中の親御さん」を応援する「ワダチブログ」を運営しています。
学級担任になって、生活指導をどう進めるのだろう?不安や自信がない先生方。生活指導に苦慮し学級経営に困っている先生方。また、新任の先生方にどのように指導助言したらいいのだろうかと悩む学年主任等の先生方に向けてまとめました。
生活指導・生徒指導の「考え方・進め方」がわかり、「どういう指導法がいいんだろう」という先生方の日常の疑問や迷いが消えることを目指しました。お役に立てればうれしいです。
そもそも生活指導とは? 小学校の具体的な指導支援内容
日常の学校生活(集団生活)を安心安全かつ望ましい人間関係を築く上には基本的な生活習慣を身につけなくてはなりません。将来の社会性が欠かせません。
具体的には実に広範囲に及び、学校生活そのものが生活指導場面ともいえます。
小学校新1年生なら、衣服の着脱。排せつ、食事のとり方、洗面手洗い、整列や着席等、そもそも静かに自席に座っていることが難しいお子さんも珍しくないのです。その他、
- 学校内のきまりを守ること
- 朝のさわやかな挨拶指導
- 言葉遣い:仲間をバカにしたり傷つけたりするような乱暴な言葉を使わない
- 時間を守る
- 授業の着席、受け方、ノートの取り方、忘れ物、
- 友人関係
- 清掃や給食当番活動、係活動
教師の日常生活は、生活指導の連続です。生活指導は学級担任の責任ある仕事です。この「指導」という言葉が教師にプレッシャーがかかります。
そこで、「指導する」という言葉を一度アップデートすると一気に目指す教師像が浮かび上がってきます。
生活指導の小学校の具体的な進め方!信頼される教師へ思考転換と手法
信頼される教師像へのステップアップ
「指導」の言葉を思考転換します。
従来の指導……どうしても「●●が出来ていない子ども」に意識が向いてしまいます。その結果、課題ある子供の行動を改善するために、「しっかりしなさい」と言葉をかけていくことが指導の中心になっています。
提案する指導のイメージ……出来ていない子供の実態はひとまず脇に置き
「●●ができている子どもたち」に注目し、そのよき行動の価値に対し「とてもよくできている。とても立派です。続けていこうね」と、しっかり認める言葉かけを意識的に進めてみること。
一般的に先生方は、授業中の私語や忘れ物をする子どもに100%気づきます。そして芽の小さいうちに注意して改善を促します。
これは、とてもとても大切な視点です。
ここで提案することは、課題ある子ども以外の「先生の指導を理解して、ちゃんとできている子どもたち」を始めに注目するのです。
出来ていない子供は一瞬で気づきます。その前に「意識的」に「出来といるお子さん、頑張っているお子さん」に温かいまなざしを向けることをしてみましょう。
「私語する子どもに指導を入れる前」に「日常的にすることがあります」
こんな言葉かけです。
こんな言葉かけなら、きっと先生方の表情はニコニコ顔です。教師のニコニコ顔は最強なのです。教師の笑顔の影響力は教室中に広がります。
もう少し具体例をあげて解説します。
小学校の生活指導!信頼される教師へ思考転換と手法「見られている自分」
日常の一コマです。
一般に先生方は「宿題を忘れた生徒」に「指導?」をはじめます。先生と宿題を忘れた生徒の「二人のやり取り」が教室内で始まります… ここで大切な事実を、一緒に確認しておきましょう。
信頼される教師へ2つの視点から解説します。どうか思考を転換してみてください。
1.信頼される「話し方」をしているか
先生の子どもたちへの語る言葉は、大切です。それと同じように意識してほしいことは、
その理由は、表現の仕方に、その先生の素の自分が、出てしまうからです。
先生自身は意識していなくても、子どもにはしっかりと見抜かれています。 素の自分とは、その方の偽りのない本当の姿、本質、人格です。隠し切れない部分です。
仮に、先生が「いつも生徒に話していること」とその先生が「していること」のギャップがあれば、生徒との信頼関係は大きく崩れていきます。…先生自身の言動のギャップの視点です。
その言葉、表情や態度、声の調子…生徒とのかかわり方に、そもそも愛情があるのかという視点です。「私はお前というような言い方はしたことがありません!」こういう話ではなく、例えば「●●さん」という言い方であっても、愛情が伝わらない言い方もあります。
逆に「お前なあ」に愛情を感じることだっておこるのです。 ふり返ってほしいことは、先生方の今の指導に「指導事項と一緒に、子どもへの愛情を伝えているか、子どもには伝わっているか」という視点です。
2.信頼される教師の条件「公平かどうか」
また、別の生徒が同じ指導内容なのに「自分の時の指導と先生の態度が違う」場合もあるかもしれません。…公平であるかどうかの視点です。
信頼される先生の条件「メラビアンの法則」で生徒指導力向上を
(言葉、話し方、表情が矛盾していたという前提の下での実験)コミュニケーションの話の中で、よくでてくる内容です。ご存じの方も多いかと思います。
「言語情報は7%、聴覚情報は38%、視覚情報は55%」という話、聞いたことありますか。
矛盾したメッセージに対して、人間がどのように受け止めるかを実験してまとめたものです。
その結果が、言葉そのものの影響より、「非言語コミュニケーション」が大事だと考えられるようになったのです。
足を組んで、腕組みをしながら…鋭い視線(視覚情報)で、大きな声で矢継ぎ早に、問いただしているのか(聴覚情報)…この非言語的メッセージが、言葉で話す内容を惑わすことになります。
逆に言えば、言語、聴覚、視覚の各情報に一貫性を持つ教師の指導は、自然と生徒の心にまで響くものです。
信頼される教師の条件は、優しいまなざしがかかせません。表情に明るさが必要です。公平で、毎日の言動が一致していることが、子どもが頑張っていることをしっかりと認めてくれる先生が前提条件です。
信頼される先生のエピソード!教育実習生との会話の中で
私と教育実習生との会話です。
私から「●●さんは、教師を目指そうとなったきっかけは、なんですか?」彼女の答えが、とても印象に残っています。
その先生の素の言動(先生の人間性で精一杯指導する姿)が、彼女の心に火をつけ「教師を目指すきっかけ」となったそうです。
とても意外なお話でしたが、すぐに「なるほどなあ」と、子どもたちのするどい感性に納得しました。
中学生を侮ることなかれ!もう本物かどうかをしっかりと、見抜いています。その時の先生の言葉は、何も覚えていないことも、おもしろいですね。
彼女を感動させたのは、先生の言葉ではなくて…
その先生は、彼女にこんな影響を与えていたなんで、夢にも思っていないことでしょう。ただ誠実に、目の前の生徒に真剣に向き合っていただけなのでしょう。
「A先生、背中で本物の教育を示しめしたね。あなたの教え子が、あなたが歩んできた道を今、歩き出そうとしていますよ」と心から伝えてあげたいですね。
教師の影響力は、すさまじいです。
本人が意識していない中、日常の一瞬の立ち振る舞いで、目の前の子の生き方を変えてしまうのですから。もしかしたら、逆のパターンがあったら、とてもとても、怖いことです。
生活指導の小学校の具体的な進め方!信頼される教師の手法を日常に活かす
見られている自分を意識すると、生徒指導が楽しくなります。
教師の思考転換です。
指導は、悪い行動をとったときにするものではなく、善い行いをしている時にする方が断然コストパフォーマンスが高くなります。
悪い行いは、是々非々です。
きちんとそのに反応して、指導します。こちら側は100%、どの学校も先生も反応できるのです。「これは、乱れのきっかけになる」ここには、先生方の意識が集まっているのです。
だからここでは、はぶきます。
清掃場面や給食の配膳場面の係の仕事面は、気づきの宝庫です。
「生徒のよき行動」を当たり前として、受け流さないでください。よき変化に気づける教師を目指そうではありまあせんか。
この指導方針を続けていくことで効果は、「生徒が、どこに向かっていけばいいのかが、ハッキリとわかるということ」です。
人間だれしも、注意させて凹んでいる時の「言葉」と誉められ、認めらて、期待を掛けられている時の「言葉」と、どちらが効果的かわかりますよね。 “教員採用選考を受ける方はもちろん、現職の先生方も今何が教師に求められているのかがわかる記事” https://wadachiblog.com/t-education/
生活指導の具体的な進め方!信頼される教師へ思考転換と手法 まとめ
今回の記事は「生活指導の小学校の具体的な進め方!信頼される教師へ思考転換と手法を解説」についてまとめました。
秘訣は「見られている自分」を意識すること についてまとめてみました。
先生が生徒を認めようとする時、先生は笑顔です。褒められた生徒も笑顔です。先生に認められると、生徒は伸びます。 もちろん、是々非々です。悪いことは悪いとその場でしっかり叱ってあげてください。
そして、よい行動にも意識を集中させて、しっかり「何がよいか」と伝えてください。そんな地道なふれあいが信頼を築きます。 小さな信頼を一日一日積み上げて行かれることを応援しています。
「ワダチブログ」では関連記事が多数ありますので、参考にしていただけたら嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。