自分が失敗した時、親の落胆する姿を見たり、「努力がたりない、本気でやれ」と叱られたりしたら、失敗は子どもにとって「ピンチであり、困った経験」になります。
その一方で親は「失敗を恐れず、何事にもチャレンジして自分の可能性を伸ばしなさい」とも言い励まします。
お子さんは、親の本心を見抜く天才です。このような矛盾した親の育て方では、お子さんはチャレンジに憶病になりますし挫折に強い子にはなれません。失敗を恐れるとどうなるか?
当然、子どもは失敗しないようにします。そして「行動をしないこと」という失敗しない法則を見つけます。そもそもチャレンジしなければ、失敗はない。自分の殻に閉じ込もって何事にも消極的になっていくのです。
この記事では、人生はうまくいかないことが必ずあり挫折がつきもの、そんなピンチにわが子にはたくましく生き抜いてほしいという願いを込めて、子どもが失敗した時の親の対処法についてまとめました。
・テーマは、挫折しても折れない強い心の育て方
- 子供の失敗に向き合えない親のタイプ:理由
- 挫折に強い心とは?目指す子ども像
- 挫折に強い子供にする子育て3選
この記事で、自分の子育てを別角度から見つめることができます。
私は公立学校の元校長です。これまでの豊富な指導経験や教育相談経験を活かし、親御さんの子育てと先生方を応援する「ワダチブログ」を運営しています。
人生は順調にいくときばかりではありません。親は、子どもが将来、自分の望む道にたくましく進んでいけるよう、わが子が失敗した時、親に出来る心構えと振舞い方を理解することができます。
「失敗は成功の母」というけれど!子供の失敗との向き合えない親のタイプ
「失敗は成功の母」「失敗は成功のもと」とは?皆さん、ごぞんじのとおり、
失敗してもその原因を追究したり、欠点を反省して改善していくことで、かえって成功に近づくことができること。
しかし、この言葉は知っていても子どもも大人もみな「失敗は嫌で、したくない」もの。失敗すれば、誰でも落ち込みますよね。その時の心構えで、人生は大きく変わってくるのも事実です。
「挫折に強い子にする親の子育て」の最初のアドバイスは、親御さん自身の「自分調べ」です。
辛い子育てにしている意識はこれかも?
失敗を活かして挫折に強いお子さんにするには、親御さん自身が、うまくいかない子育てにもイライラせず心に余裕が欲しいのです。ところが現実の子育ては大変ですので、次第に余裕がなくなってしまってしまうものです。
この二つのタイプのお母さんになっていないか、ご自身を振り返ることから始めませんか?是非、自己チェックしてみましょう。
タイプ1 子育てを誰かと比較している…よいお母さんになりたくて、正解を求めている
意識しちゃうママ友いませんか?
理想のお母さんになりたい!と強く求めてしまっている。なのに、いつも怒ってばかりの自分に自己嫌悪になってしまっていませんか?その結果、自分で自分に「母親失格」とダメ出しばかりして、子育てに全く自信が持てなかったりしていませんか?
タイプ2 子供の成功が親の成功と考えている…努力よりも、すべて結果を重視
このタイプの親御さんは、お子さんがいい結果を出したときは大喜びなのに、お子さんの失敗には厳しく、反省を求めたりと攻め立てます。
子供の失敗は、母親である自分自身の失敗と受け止めてしまいます。基本的に子育ては楽なものではありませんので、いつも上手くいかない子育てにイライラしています。
子どもはお母さんやお父さんの気持ちを映し出す鏡のようなもの。
自分の子育てにダメ出しばかりしてたり、誰かと比較したり、自信がなかったり、理想を求め過ぎて自己嫌悪になったり、結果ばかり気になったり、
子供は、親御さんのこんな心理を、自然と感じ取り身につけてしまいます。これでは、今回のテーマ「挫折に強い強い子の子育て」の反対側の世界です。
考え方を意識的にチェンジしてみましょう
三つのそもそもを参考にしてください。
- そもそも十人十色の個性、家庭環境の中での子育てに、共通する正解などあるわけがありません。条件が違うのですから。立派なお母さん居ならなくてもいいのです。
- そもそも不完全な部分を含めて人間ですから。一生懸命愛しながら試行錯誤して泣き笑いの子育てをみんなしていますよ。
- そもそも子どもと私(お母さんお父さん)は別人格です。親子といえども違う人間です。自分の思い通りの子どもにしようと、自分自身を縛り付けた子育ては苦しいものですよ。
人間ですから、お母さん、お父さん自身だって不完全ですよ。只今母となり父となり成長中。不完全なまま子どもと一緒に成長すればいいんです。
こんな心境に慣れたら、挫折に強いお子さんを育む子育ては、ぐっと近づいてきます。
子育て中の親御さんこそ、自己肯定感を高める考え方が大切です。そもそも子育てって最高の幸せも味合わせもらえる代わりに、楽なものではありません。だから辛い日も多いわけです。
ポイントは、「結果ではなく、頑張った姿勢や努力の積み重ねの過程に目を向けることです。うまくいかないときも、
と、気持ちの切り替えがすごく大切です。
自分に厳しいと、「子どもの失敗を許せない」お母さんお父さんになってしまうものです。大人の口癖は、子どもにソックリ映るので本当に怖いのです。
「いつも、全力で…いつもちゃんとしなきゃ」と思っている親御さんは、子どもに「それで、全力でしているのか? いつもちゃんとしなさい!」と言ってしまうものなのです。
お子さんの失敗を活かせる母親や父親になるには、「心の余裕と考え方の意識的に変えていくこと」がカギになります。
挫折に強い心とは?目指す子ども像
子供たちが生き抜く社会は「先行きが不透明な時代」と言われています。長い人生を生きていく間には、困難な問題もあるし、日常生活の中にも嫌なことはいっぱいおこります。
人との関係に傷ついたり、自分には才能がないと悩んだりし、羨んだし、嫉妬したり、心折れることもたくさんあるでしょう。それはどんな人でも、ありうることです。
失敗を活かせる子供とは?「挫折に強い心」って何?
逆境に負けない強い心を持った人って、「絶対に負けない強さより、しなやかさ」をイメージするとイイです。
コンクリートや鉄骨より、強風を受け流す柳のようなイメージです。つまり、思いっきり落ち込むこともあるし、心も乱れ弱音を吐いてもいい…でも、ムクッて立ち上がりいつの間にか復活ししちゃう「たくましさ」です。
大きく3つのタイプにすると
- 自己理解ができる人。自分の「弱さ:苦手」も「強み:得意」も知っている(自分自身を長所も短所もひっくるめて、認めている感じかな)
- ポジティブ思考ができて、何かできるかもしれない(やりたいことがある…根拠はないけど自信がある人。人の意見や考えに流されない人
- 毎日を楽しんじゃう天才。細かいことをあまり気にしない。失敗をいつもでもくよくよしない人。友だちと遊ぶのも好きだけど、一人の時間もリラックスして楽しめる人。
こんなに理想をあげられても困っやうかもしれません。
こんな感じがイイですね。
お子さんの前にご自身が元気になって自信を復活させなていきましょう。このような記事を読み続けて、なんとかしないと願う親御さんなら、きっとできるはずです。
「失敗は成功の母」失敗を活かして、挫折に強い子にする親の子育てとは?
「挫折に強い、壁にぶつかっても折れない強い心」の育み方3選、をお伝えします。
折れない心を育てるポイント
親自身が、本気で願っていることは何?それは、わが子の幸せ。わが子が自立すること。自分らしく人生を楽しんでいることですよね。
しかし、未来は成功ばかりな人生はありません。社会人になれば、努力しても結果がついてこないことなんてたくさんあります。
子どもがよい結果を出せない時 その親の反応(本心)の仕方がカギを握ります。
親自身が本気で、そう考えているかが大切です。
実践1 結果より努力の過程を認める親
結果は思うような結果にならなくても、挑戦したこと努力をして臨んだことについて、その価値・生き方を言葉にして褒めてください。丁寧に言葉にして伝えることです。
仮に、始めは意欲的だったものの、途中で努力が続かなかったお子さんだったとします。その場合は
と、結果が悪いことを責めるのではなく、取り組み過程でお話をされるいいでしょう。
するとお子さんは、次第に結果も大事かもしれないけど、一番は努力を続けることなんだ、前向きにチャレンジすることなんだと考えるようになります。
実践2 先回りし過ぎない親
成功を積み上げていくことは悪いことではありません。親子で一緒に成功を目指す…むしろ立派な子育て。ただバランス感覚が大事。行き過ぎは何事も悪影響がでてきます。
お母さん自身が気になる心配を、次々に取り払いお子さんが転ばないようにする子育てがいいわけではありません。転ばぬ先の杖から、転んだ時そっと手を差し出して
と優しく言葉にして伝えてあげてください。その時、失敗を悲しむのでなく、むしろ悔しい気持ちに寄り添い、ナイスchallenge!と、お子さんの成長を喜べばいいのです。
どんな人でも人生はつまずきがあります。転ばせないようにするのではなく、転んだときの起き上がり方を学ばせましょう。
実践3 失敗を経験した時こそ話し合うチャンス、目標の修正を一緒に進む
実践1でも触れましたが、「失敗した後が大事」です。その時、親御さんの考え方をしっかりと伝えてください。そして、一緒に目標を修正したし、再計画を立てたりしてともに進んでいく姿勢を示しましょう。
失敗した時、その対処の仕方が本物の教育になります。親自身の考え方、処置の仕方その振る舞いが、「失敗した時」の子どものよきモデルとなるのです。
親がイライラせず、お子さんの声(失敗した今の想いに)に耳を傾けるのもいいです。叱責して、無理やり反省の言葉を言わせても意味がありません。だからこそ、親御さんのどんと構え、よい面は認めつつお子さんの声にしっかりと向き合ってお話ができると最高です。
このゆとりが、お子さんが失敗から学ぶ最大のコツ。親御さん自身の心が乱れたまま叱責しても、挫折に強うお子さんにはなれません。
子供のころの失敗やつまずきは、じゅうぶん取り返しがつきます。むしろ生きていくための生き方の勉強と思って、見守れる余裕がいいですね。
子供の失敗との向き合い方!挫折に強い子にする親の子育て まとめ
今回の記事は「「失敗は成功の母」子供の失敗との向き合い方!挫折に強い子にする親の子育て」についてまとめてみました。
どんな人でも「長い人生」は、楽しいこと辛いことがあります。「つまずき」があるのが当たり前です。このつまずきの乗り越え方こそ、その子の実力。たくましく成長するお子さんです。
お子さんにとって嫌な出来事は、全部親御さんが全力で取り払ってしまうケースをたびたび見てきました。正直、親御さんの「正しいと思い込んだ考え方を修正すること」は、かなり難しかったです。
親の役目は、将来のわが子の自立なら“しなやかなたくましさ”が欠かせません。転ばせないようにするのではなく、転んだときの「起き上がり方」を学ばせましょう。
「ワダチブログ」では、子育て中の親御さんを応援する記事が多数あります。子育ての「考え方」親が意識してほしいことがわかります。
子育てを難しくしているのは、あなた自身の思い込んだ価値観なおかもしれません。何かの参考にしていただけたら幸いです。