進路希望調査票ってご存じですか?初めてのお子さんの場合、「進路希望調査票って、そもそも何?」「急に進路の希望を書いて提出してくださいと言われても困る~」という感じのご家庭もありますよね。
この記事は、いざ進路希望調査票を提出する際に迷ってしまい、どのように書いていいのか困っている人に向けてまとめたものです。中学生の子育てをする親御さん向けにまとめました。
この記事では、主に3つの内容がわかります。
- そもそも進路希望調査とは何か、その目的とねらい
- 親子の希望する進路先の決め方
- 進路希望調査の保護者意見の書き方と例文
私は、公立中学校の元校長です。40年の教育経験を下にして先生方や子育て中の親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。
この記事をお読みいただけると、お子さんの大切な進路を選択するという問題の考え方と決め方、進路希望調査のねらいと書き方がわかります。
中学生の「進路希望調査」って そもそも何?
「進路希望調査票」は、中学校を卒業後に「どのような進路に進みたいのか」 現時点の希望 を学校側へ伝えるものです。
各学校にもよりますが、中学3年生は定期的に何回か提出します。
中学3年生では、進学先を決める三者面談(学級担任+生徒+保護者)も3回~4回程度あります。進路希望調査と連動しています。進路希望調査票と進路相談の面談を重ねつつ最終決定をするわけです。
一般的に、年度初め4月から1学期中に1回、夏休み明けぐらいに8月に2回目、11月~12月に3回目の提出を求められるでしょう。
学校側としては、
①現時点の親子の考え方を知っておきたい
②進路希望調査票の提出時期を大切にして「進路について親子でも話し合ってください」という趣旨で、年間を通して計画されています。
「生徒本人と親御さんとの相談の経緯を学校側も理解しつつ、一緒に話し合いを進めていきましょう」という目的です。
進路希望調査の進学先が途中で変更されることもよくあります。変更することは、まったく問題はありません。その都度、「現時点での希望する進路や進学先を記入」しましょう。
様式は学校独自です。生徒の希望先を記入するだけでなく、保護者の進路希望や意見を求める欄があります。当然、生徒本人の希望を尊重しながら親子で進路を考えるわけです。
「保護者欄」があるのは、進路を決める際に学校側と生徒、保護者が話し合いをスムーズに進めるのが目的です。
中学生の進路希望調査票って何? 親子で納得の決め方
進路希望調査票への書き方の前に、どのように親子で進路先を決めていくかを確認していきましょう。
「就職」希望の場合
現在極めて少数派ですが、すでに自分の夢に走り始めている生徒もいるかもしれません。すぐに「就職」や「働きつつ通信制の学校」希望の場合は、
「保護者も同じ意見です」という趣旨を進路希望調査票に記入してください。学級担任にも早めに連絡して相談しておきましょう。
ここでは、「高校への希望進学先」の決定までの考え方を中心に解説していきます。
希望進学先決定前に考えておくことは?
第一のポイントは、
漠然としても「将来、どのような職業を目指しているのか」を考えていくことが大切です。
「今、決定しなさい」という意味ではありませんが、親子で徐々に話題にして話し合えるように工夫してください。
ハッキリと意識して決めている人より、漠然としているお子さんの方が多いです。決定までいかなくても、「考え続けること、話し合うことは大事なこと」というスタンスでお子さんにお話しください。
なぜなら
「高校卒業後にどのようなことをしたいのか」という自分の将来の青写真について事前に考えておけば、その夢に向かって自分が目指す進学先が自然と見えてきます。
仮に、進学した高校が、高校生活を過ごす中で将来の夢を叶えるのには向いていなかったと気づいたら、夢を叶えるために再度やり直す回り道をしなければならなくなるからです。
第二ポイントは、
「高校卒業後」の希望する自分自身の姿をイメージすることから始めます。
高校を卒業した後は「大学」に進学するのか、「専門学校」等へ進学するのか、それとも「就職」するのか等、高校卒業後を見据えて広い視野から自分自身の将来をイメージして考えてみることをおススメします。
夢を叶える考え方、決め方
一例をあげてみます。
まだ漠然としていますが「保育士」や「看護師」や「小学校の先生」に興味を抱く中学3年生の女子たちがいます。
将来それぞれの職業で働く場合は、教員免許状等の資格の取得が必要です。どの仕事にせよ、資格の取得は大変大切なことのため、進学先を選ぶことになります。
具体的には、看護等を学ぶ専門学科のある高校を選択するケースもありますが、一般的には「普通科」の高校からそれそれの「養成課程のある」短期大学や4年生の大学を目指すことになります。
ちなみに、私の場合は教員を意識し始めたのは「高校2年生の頃」でした。中学生の段階では
こんな程度だったと思います。まだまだ、部活動が大好きだった幸せな時代でした。結果、自然と普通科の高校を選択していました。
進路希望調査票を書く前にすること!家族で相談~志望校の大枠の決め方
こちらでは、志望校を決める際の順番をポイント整理して紹介します。
1:「私立か公立か」を確認する
まず始めにすることは「公立校を第一志望にするのか」「私立高校を第一志望にするのか」この二者択一です。
仮に、第一志望が公立高校の場合の決め方(例)です。
- 第一志望が「県立○○高校」‥‥もし合格が難しいと判断したなら
- 第二志望が「県立□□高校」となります。
- 私立高校は、県立高校より早く入学試験があり、合否の判定がでるため、いわゆる「すべり止め」的に合格できそうな私立高校を受験するケースがあります。これを併願校(へいがん)と言います。 第三志望が「私立◆◆高校」となります。
私立高校が第一志望の場合
- 第一志望「私立○○高校」この場合、合格した時点で進学先決定となります。
「単願」という枠での受験となります。単願とは、合格をしたら必ずその高等学校に進学するという条件での受験となります。併願より単願の方が合格しやすいです。
公立高校と私立高校では、金銭面でも大きく違いますので、お子さんがどのように考えているのか、早めに話し合っておくことです。
金銭面で難しい場合は「早い段階で、私立ではなく公立高校の中で進学先を選びなさい」と親の考えしっかりと伝えておくことです。
2:資料と自分の足で確認!「将来したいこと」「高校でしたいこと」
「将来したいこと」や「高校でしたいこと」がある生徒は、自分に合う高校を探し出すしかありません。進学先として興味関心のある高校については、正しい知識を集めていきます。
お子さん自身の「将来、○○になりたい」「○○部に入って活躍したい」「英語が得意なので○○学科に進学したい」という様々な夢を叶えるためには、高校をよく調べないといけません。
第一番目にすることは「できるだけ多くの高校説明会、体験入学に参加」しましょう。実際に高校を訪れることで学校の雰囲気を感じ取ることができます。夏休みなどは積極的に高校を訪問してみることをおススメします。
3:高校の多彩な学科調べ
高校には様々な学科があるため、最低限の知識は必要です。勉強してみたいと思う学科をよく調べましょう。
高校進学は合格がGoalではありません。高校に入学した後、いかに興味関心高く高校生活を楽しみ努力できるかがすべてです。
親御さんが、あまりにも心配するあまり合格することや偏差値の高い学校に意識が集中していると
お子さんも自然とその視点しか興味関心を向けないお子さんもいます。入学後、目標を失っては悲劇です。安易な選択はさせないことです。
大きく①工業高校、商業工業等専門学科の高校 ②普通科の高校 ③総合学科の高校 ④通信制について概略だけ解説します。
専門学科のある高校について
高校卒業後に就職を検討している場合は、「普通科」だけでなく専門学科である「商業科」や「工業科」等への進学も考えられます。
在学中に専門的な技術や知識を学ぶことができるので、就職を希望している場合には普通科だけでなく、専門学科のある高校を調べてみるといいと思います
「工業校から大学は進学できないのか?」
高校2年生あたりから、授業の中で専門学科をたくさん学び始めます。国語、数学、英語、歴史等、大学受験科目と連動していないため一般受験での進学はかなり不利となります。
ただし、伝統ある工業高校や商業高校や農業高校等の場合「大学への推薦枠」もあるため、その高校内でトップクラスの優秀な成績を維持すれば、工業系の大学に進むこともできます。
普通科のある高校について
一方、漠然と大学進学を考えている中学生や、まだやりたいことが明確ではない場合は、「普通科」への進学を検討してみてはいかがでしょうか。
「普通科」とは、バランスよく多くのことを学び基礎学力を高める学科です。大学や専門学校等への進学など、進路の選択肢が幅広くなります。
また、普通科の中にも特定分野の有名大学への進学を目指すコースを設定している高校もあります。
普通科の進学を考える場合「私立高校」への進学も視野に入ってきます。独自のしくみでユニークな学びで有名な大学進学への実績を挙げている私立高校がたくさんあります。
総合学科のある高校について
総合学科とは「単位制」の高校のことです。
高校1年生の3学期には、自分自身の高校2年生の時間割を考え始めなければなりません。つまり「自分で授業を選択して学びたい方向を選べる」高校です。
自分の興味関心の高い分野を選べる利点があります。逆に考えると、高校1年生の段階である程度の進路を決めていることが求められます。
その他の進学先:通信制高校
その他にも、「芸能活動」や「クラブチーム」でスポーツをしているなど、毎日通学するのが厳しい人は、自分のペースで自宅で学習できる「通信制高校」がおすすめです。
「不登校だった生徒」が登校しやすい配慮の行き届く通信制や高校、今の時代にマッチした「専門的な技能を学ぶ高校」もあります。
とにかく、色々な学び方があります。お子さんの将来をあらゆる方向から親御さん自身も一緒に調べていくことがよろしいのではないでしょうか。
将来やりたいことが確定している人は、そのためにどんな進路に進めばいいのかを早いうちから考えておくことが重要です。
おススメは、夏休みにたくさん各高校で実施される「高校説明会」「体験説明会」に参加することです。一般的には、親子で参加できます。
大きな会場で、私立フェアのようにイベントもあります。是非チェックしてみてください。
高校説明会では、先輩たちが校内を案内をしてくれたり部活動等のパフォーマンスを披露したり、その高校独自の雰囲気を感じ取ることができます。是非、親子で参加して雰囲気を共有することで進学先の選択が実感として考えられることでしょう。
進路希望調査票を書く前に!中学3年生の志望校の決め方2 調べる視点
具体的に進学先を選択するまでの視点をまとめました。
- 自宅からの登校時間はどれくらいか?自宅から近いか?
- どんな通学方法になるのか?…電車?バス?自転車?徒歩?
- 毎朝、家を何時にでることになるのか?
- 自分の学力はどうか?その高校どれほどのレベル差があるのか?高校の偏差値や合格最低点などを確認しましょう。
- 入学金等の学費や様々な費用を確認したか?施設設備、授業の特色を確認したか?
- その高校卒業後の進路先はどうなっているのか? どういう大学等に進学しているか??就職の様子は?
あくまで考える視点です。もちろん、共通の正解はありません。
お子さんが自分がよく考えて、結論を出します。悩むのは誰にでもよくあることで当然です。親御さんはよき理解者となってしっかりと意見を伝えてください。
しかし、お子さんが「自分で決めた」という感覚がないと後々困ります。何か問題が発生した時「この学校を進めたのは母親だ!」という考え方や意識では、親子ともども不幸です。
中学生進路希望調査票への保護者意見の書き方と例文
いくつか、実際の書き方をご紹介します。これまで、解説してきたことをもとに素直に表現すれば大丈夫です。
学級担任とのコミュニケーションです。親子でうまく話し合いが進んでいないなら、「親子で意見がまとまっていない」現状を伝えればいいのです。これまでの経緯や今の調査ですから。
保護者意見の例文
どんな表現でも、親子の考え方の現在の状況をそのまま書いていただければ、学級担任も準備や心構えができて、話し合いも有意義なものになります。
中学生の進路希望調査票って何?保護者意見の書き方と例文!進学先の決め方を解説 まとめ
今回の記事では「中学生の進路希望調査票って何?保護者意見の書き方と例文!進学先の決め方を解説」についてまとめてみました。
進学先を決めることは大きな仕事です。概ね私立高校を第一希望にする場合、早めにご相談ください。入学試験が1月早々にあります。
公立学校の場合でしたら1月がタイムリミットです。どちらにしても、学校の先生と親御さんがお子さんを支えながら、お子さんの納得する進路を目指させてあげましょう。
主人公は親御さんではありません。
「ワダチブログ」では関連記事がたくさんありますので、参考にしていただけたら嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。