教員採用試験について「初めて受験する方」「昨年度、残念ながら落ちてしまった方」「受験は来年度だけど…どんなふうに進めるのだろうと考えている方」にむけてまとめました。
この記事の内容は、以下3点。合格には必須のポイントです。
- 教員採用試験の勉強法の実際と合格を勝ち取る「考え方」
- 合格している方がしていること
- 陥りやすい間違った準備の仕方…「必ず失敗するタイプとは」←ここも凄く大事です!
私は公立学校の元校長です。県市教育委員会を経て、校長8年間、教職40年間の中で指導してきた実践的な指導ポイントを解説します。現在は、先生を目指す方々や現職の先生方を応援する教育関連記事と子育て中の親御さん向けの「ワダチブログ」を運営しています。
「合格した!」「不合格だった!」…運ではないちゃんとした理由があります。
この記事で、迷うことなく教員採用試験に臨めるようになります。是非「教師になる」という意思を貫いてください。合格への道筋が見えてくる応援ブログです。
教員採用試験に合格する条件とは?
実は「教員採用試験」って略しています。の正式な名称ってご存じですか?実際はこんな感じです。
令和6年度○○県公立学校教員採用選考試験(令和5年度実施)
「選考」試験という言葉知っていましたか?私たちは普通「試験」と言えば、競争試験を思い浮かべないですか?公平に点数の上位者から合格するわけです。
教員採用の試験内容は例えばこんな感じです。
一般教養や教職教養、個人面接、集団面接、集団討論、論文、実技事件等々です。これらの試験内容で教員としての資質の有無を判定するわけです。
高校受験や大学受験等の競争試験だったら、点数を上から切って合格不合格を線引きして選抜するわけです。ここからは「選考試験」よ「競争試験」の違いについて、特に私の個人的な見解です。
私の見解は、極端に落ち込んでいる試験内容があると合格は難しいと考えています。公平公正の試験ですので競争試験のように上位者から合格するのでしょうが…
- 論文が全く書けなくてほとんど余白だった。
- 個人面談が全く話せなくなってしまった。
- 雰囲気にのまれて集団討論が全く話に入れず、何もしゃべれなかった。
- 実技が全くできなかった。
このような受験生は合格が難しいように感じます。例え、他に抜群に良かった項目がそろっていても、極端に不適格な項目があることがすべてを台無しにしてしまいます。競争試験を原則にしながらも、教員としての総合力の適性を見極めているのではないかと考えます。
結論は、自分の弱点を見極めそこを克服する対策が極めて合格への条件になります。自分の弱点から目を逸らさない。合格するには積極的に苦手対策を講じるべきです。
教員採用試験の勉強法のコツ!陥りやすい間違った準備の仕方
合格するには、様々な工夫と努力が必要です。その表現は多岐にわたります。その一方で、合格できない方「ここがダメ」と、ハッキリとした理由があるものです。そこから解説します。
陥りやすい間違った準備の仕方とは?
1:過去問中心の「猛勉強」で満足してしまうタイプ
もし、あなたの目指すGoalが「富士山山頂」でしたら。どんな準備をしますか?
その答えが「私は、十分トレーニングを積んだので山頂までの体力は十分あります」だったら、どう思いますか?体力でミッションが成功するとは思えませんよね。計画性全くないです。本来なら、夢の実現には準備することがたくさんあります。
・行程時間は?何時到着するために何時出発?途中の宿泊は?当日の天気は?持ち物は?高山に関する知識は、風雨の対策は?ルートは?‥‥たくさん調べて情報を収集しなくてはいけません。経験者に聞くことは大きな知恵をなります。当日までのガイドがいれば万全。
自分の夢を安全・確実に達成するにはやることはいっぱいありますね。
過去問について、このくらい言い切れる「努力」は絶対条件ですが、やみくもにやっているだけでは目指すGoalは近づいてはきません。広い視野から自分に適したルートを探り出すのです。
取り組み内容に偏りがある。長い辛い勉強生活をしていると「得意科目」の準備に時間をかけてしまうタイプの人もいます。
2:自己理解不足:欠点克服への準備不足:大胆に大きく踏み出す
結局のところ、努力不足です。自分の弱点もぼんやりしているか、対策を講じる行動にうつせません。弱点の克服は必須です。
- 教職教養で、毎年学習指導要領から出題されるなら、完全に克服するまで準備する心意気がほしいところです。
- 面接に苦手意識があるのに…漠然と自分で模範解答の練習をしていても合格に近づきません。
- 論文に苦手意識があるのに、漠然と書いて練習しているレベルではいけません。思い切って対策をしてほしいのです。
一つの方法が、教えを乞うことです。一人で頑張るにも限界があります。限界とは無理という意味ではなく、広くガイド役を探した方が確実に実力がつきやすいという話です。情報や指南役を外に求める努力をしましょう。あなたを急成長させるには新しい刺激が必要です。
外に飛び出すとは、不安や面倒くさい一面もあります。教えてくれる先生は「誰もいない」とすぐに結論を出さず、探してください。教育実習した指導教諭、教頭、校長先生とダメもとでも誠実にお願いしてみたらどうでしょう?運は待っていても開かれません。自分の必死な行動の先に、幸運があるような気がします。
教員採用試験勉強法のコツ「受かる人」の準備の仕方と考え方
こんな視点から準備を進めていただければ、成果が出るのではないでしょうか。
1:志願先の試験内容を試験制度を完全に理解する
自分の第一候補を確定し、その自治体の傾向を見つけてください。受かる人はここをしっかりと押さえて日々の努力に繋げています。
自治体ごとに試験項目も違います。受験生にとって難題な「一般教養」についても、実施する自治体も、実施しない自治体もあります。
試験制度全体をしっかりと把握してください。
「教職教養には、必ず学習指導要領の文言が出題される」等の特色を見抜きましょう。試験内容はどれか?個人面談、集団討論、論文、実技の配点は高いのか(低いのか)
逆に言えば、これを知らずして何に時間を使っているのか…夢を実現するには、効率性を考えましょう。
2:第一志望の自治体の過去問の傾向を分析する
記事の「陥りやすい間違った準備の仕方」では「過去問に終始する勉強法」をあげましたが、基本的に第一志望の自治体の過去問の分析は欠かせません。
受かる人は、過去問の分析に重点を置いています。出題には自治体ごとに傾向があるのです。そこに意識し続けて継続する勉強法が欠かせません。
出題傾向を考察することで
- 出題されやすい分野、…出題されにくい分野(ここを見極めるのも大切です)
- 出題の形式(マークシート式か、記述式か、4肢択一か、論文時間は、出題傾向は、字数は)
意識を高めていくと、自治体ごとに出題の傾向がハッキリとみえてきます。
この見極める対策をきちんとやることで、受験勉強の効率化が断然アップして合格に近づくことができるでしょう。
漠然と過去問から始める人はNGです。傾向と対策を考えないで過去問をやり続ける人はNGです。
いきなり過去問に取り組むタイプは、大方問題が解けません…自信喪失になりやすいです。単純な問題がわからないので途中で躓いたりして意欲も長続きしません。極めて非能率的な状況になってしまいます。
3:自分の弱点を知る…積極的に対策する、計画性
論文にしても個人面接、集団面接、集団討論にしても、その場しのぎの、場当たり的な対応では決していい評価を得ることはできません。
受かる人は、自分の強み、弱みを理解しています。また、自分の実力にマッチした学習計画に基づいた系統的に勉強を継続しています。
例えば、面接対策は何度も練習を重ねることが重要ですが、キーポイントは自分一人では対策が難しい分野なのです。
論文を書き続けなければ、上達すらしないでしょう。面接も論文も表現力がカギを握ります。自分らしくアウトプットすることが重要です。
計画を立てては修正し、徐々にレベルアップを図って行けるように頑張っていきましょう。
4:校長や先輩等、指導を仰いだり情報を収集する
- 受かる人は、よき指導者から指導を受けています。
- 受かる人は、チームになって受験生同士で勉強し合い情報交換をしています。
- 受かる人は、ネットやYouTubeを上手に活用しています。
面接練習は、一人でするには限界があります。
論文試験も、添削していただくことで磨かれていくものです。
よき指導者が身近に寄り添ってくれたら、どんなにありがたいことでしょう。受験者は、色々な疑問が浮かぶものですし、ちょっとしたことで不安感にも襲われることでしょう。
合格には、しっかりとした指導者に伴奏していただくのが一番なのですが…
このような受験生も多いかと思います。
(ダメもとで)実習校指導教官又は恩師に
そのような方は、ダメもとで実習校の指導教官に「論文指導をお願いします。面接指導をお願いできないでしょうか」連絡を入れてみてはどうでしょう。
正直、まれなケースです。教育実習中に頑張りが認められ人間関係をつくれれば、自然な流れで進むこともありかもしれません。
また、恩師に相談するのも考えられます。しかし、両方ともある程度関係がないと難しいかもしれません。どちらのケースも指導教官や恩師が校長につないでくれることも期待できます。
受験生でチームをつくり情報交換し合う
どうしてもいない場合は、受験生同士でチームで情報を交換したり、お互いに面接官役を交替して練習するのもいいでしょう。
5:情報を得る努力とネットを活用
これはという情報は、見比べればわかるものです。ネット検索やYouTubeにも良質の情報があります。色々な刺激がモチベーションの維持につながることもあります。自分にピッタリの相性の良い情報は、求める受験生にはきっと出会うことができます。
一人でワンパターンの努力の仕方になることは、避けてほしいところです。
6:結局本気で努力した人は合格する
受かる人は、スタートも早く。本気です。継続的に対策を練り努力をしています。
当たり前すぎて、すみません。
私の場合は、所属校に臨時的採用の先生方が毎年いますので、その先生方を指導します。その経験と実績からすると、結論、本気で頑張った先生方はみな合格しています。
努力なくして合格はありません。逆に残念な結果な人は、まだ改善の余地があるのです。
教員採用試験勉強法のコツ!「受かる人」の準備の仕方と考え方 まとめ
今回は、教員採用試験勉強法のコツ!「受かる人」の準備の仕方と考え方についてまとめました。
「陥りやすい間違った準備の仕方」「合格している方がしていること」を中心に解説してきました。
一口でまとめると「正しく努力すれば」必ず合格を手にしているということです。これが正直なところです。残念な結果になっている人は、ちょっと厳しい表現ですが、独りよがりの勉強法と努力不足なのです。
受験生にとって大変な時期ではありますが、是非やりぬいてください。
「ワダチブログ」では教育関連の記事も多数掲載しています。みなさんのお力になれたら幸いです。