学校の先生

授業準備が間に合わない時!小中学校先生方のピンチを救う効率化3選を解説

部活指導して下校指導して職員室に戻ってくるともう○○時。これから授業準備するのはしんどいなあ、今日も帰りが遅くなる…

一番大切にしたいのは「授業」なのに教材研究の準備ができない…みんなどんなふうにやっているのかな?

先生方にとって毎日毎日の授業準備は一番大切にしたい時間。生徒指導や連絡帳やノート点検等の事務作業も多く、どのように時間を確保するか悩みどころです。

特に、新任の先生方や経験少ない先生方には、尚更追われるような日々ではないでしょうか。

この記事では、先生方の時間を有効活用して「授業準備を効率化する具体的な策と考え方」「各授業の定形提案」「どうしても準備時間がどれない時の緊急策」を提案していきます。

私は、公立学校の元校長です。これまでの経験や知識を活かして先生方や親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。

授業の質をできるだけ落とすことなく、先生方に心身ともにゆとりを取り戻すことができるように願いまとめた記事です。

授業準備が間に合わない!ピンチを救う効率化の鍵1つ目は「ネット検索」

授業準備を短縮する効率化の2大提案です。

  1. ネット学習指導案等関連記事を検索する…ポイントは何を参考にするか!
  2. 先輩に聞く、授業を見せてもらう…ポイントは礼儀、謙虚さ、感謝

授業準備効率化対策1:ネット学習指導案等関連記事を検索

ズバリ、単元をそのまま検索してください。その中には、素晴らしい実践が掲載されています。時間短縮の定番アイテムです。

例えは小学校5年生「大造じいさんとガン」と検索すると活用できる資料が見つかります。検索に出てくるサイトは、3つに大別できます。

  1. 個人ブログや各学校の実践した学習指導案
  2. みんなの教育技等、教育雑誌や学習塾等の法人からの情報
  3. 都道府県(市町村)の教育委員会等の情報

1の「個人ブログや各学校の実践例」は、教育実践家や各学校の研究実践もユニークな学習指導案もあり、授業の組み立てのヒントがいっぱいあります。

2の「みんなの教育技等、教育関連法人や大手学習塾等の情報」は、どちらも専門家や多くの人のチェックを受けて発信している情報です。

3の「都道府県(市町村)の教育委員会等が発信している情報」は、多くの指導主事の先生方等が考え抜いた内容になっています。基礎基本に則った正解の一つとして、一読する価値はあります。

何事も「ゼロ」から自分自身で組み立てるのではなく、素晴らしい教育実践をみつけ「真似る」ことが大事です。真似ることは時間短縮と同時に、視野を広げ授業力が身に付きます。

次は、身近な先生方のお力を借りるという実にシンプルな処世術です。

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授業準備が間に合わない!ピンチを救う効率化の鍵2つ目は「上司と先輩」

特に、新任の先生方にとっては「授業準備は雲をつかむ」ような感覚でしょう。

その単元の授業を全く見たこともないのに…自分でやれというわけですからプレッシャーは大きいはずです。

先生方の「空き時間」は貴重です。「連絡帳」等の点検作業があります。しかし、授業準備短縮には、可能な限り先輩の実践を参観させていただきましょう。

例えば、体育の「新しい単元の始まり」の授業を参観させていただければ、授業全体のイメージはつきやすいものです。その後の授業準備は効率的に進むはずです。

特に新しい単元のはじまりは

学年主任等先輩の授業を参観させていただきましょう。

授業のイメージをつけると後々の効率的な授業準備ができます。

一番の留意点は

先輩の授業を見させていただくことは、その先輩の先生方とパイプを広げていくことに繋がります。ポイントは、礼儀正しく謙虚に学ぶ姿勢をつらぬきます。

  • 2週間前、事前に単元初めの授業を参観させていただくことを依頼する
  • 2~3日前に確認、
  • 授業日の「よろしくお願いします」の言葉かけ
  • 授業直後の「ありがとうございました」
  • 放課後、先輩のタイミングをみはからい「ご指導いただけますか」と、2,3の質問をかねてご指導をいただきましょう。

身近な先生方の支えは心理的にも大いに助かります。授業力は学び合いです。

授業準備が間に合わない!ピンチを救う効率化の鍵3つ目は「自分の型」

授業準備改善策の最大の鍵は、「私の授業はこのパターンで進めていきます!」という型を定めることをおすすめします。

授業準備効率化対策 自分の「授業定番のパターン」をつくる

十分な授業準備がしてあると、先生自身も授業が「楽しみ」になりますが、教材研究も不十分のまま授業に臨むと不安なものです。先生ならだれもが経験します。

授業準備の時間がない生活は、慢性化しています。そのなかで学力向上を目指し授業の質を下げないようにしなければなりません。

そのためには、子どもが落ちついて授業に臨めなければなりません。

  1. 「○○先生の授業はこんな感じで進められていく」という見通しへの安心感
  2. 「できる、わかる」という感覚が学習意欲につなげていく

具体的には「自分なりの授業の型」を整えることをおススメします。特に「授業導入」の一定の入り方は効果的です。

授業の自分の型をつくる…特に「導入部の工夫」から

先生の明るい声を、それに続く子どもたちの元気な声で授業が始まります。この一定のパターンが、導入部にあると子どもたちも先生方も、落ち着きます。

できることは楽しいし、みんなで声を出したり、書き順で手を合わせたりすることは「学級全体の「授業にのぞむ構え」を作るのに大変効果的です。

その他にも次のような効果も期待できます

  1. 5分~10分の短時間の学習活動では、多くの子どもたちも集中力を切らさず集中して取り組むことができます。
  2. 毎回、短時間であっても何回も反復するため学習効果も高いです。「できる!わかる!」取子どもたちもやりがいがあって楽しいものです。

子どもたちは楽しみながら力をつけることができるうえ、準備にかける時間はさほどかからないため準備時間の短縮になります。

その他にも次のような取り組みも一般的です。

「ドリル16ページ、今日の漢字は「標」です。…板書
声をそろえて読んでいきましょう、先生に続いてください。
目標を決める。植物の標本。…じゅく語です。標語 標的 標準 標識」…

次に書き順です、右手をあげましょう「1,2,3,4・・・・」〇画です。
一画目の…はらい、ハネ、止め等の気を付けるポイントを指示
「はい練習。…丁寧な字で、美しく、なるべく速く書けるようにしましょう」

各教科で、できることを毎時間繰り返して、基礎学力の定着を目指します。導入部が落ち着くと自然と子どもたちも集中して落ち着くものです。

授業準備が間に合わないピンチを救う型は? 国語は漢字→音読→読解

先程しました通り、国語は導入部で「新出漢字を漢字ドリル」に取り組みます。10分以内に終わらせましょう。漢字は短期集中が効果的です。

国語科は基本的に「音読」を学習の中心に据えてもいいでしょう。

声をそろえて読む音読を繰り返すことで、一人ずつ順々に読んでいったりします。子どもたちは自然と教材文に慣れ親しむことができます。漢字⇒音読する能動的な活動後、読解指導に入ると授業がスムーズに進みます。

授業準備が間に合わない:算数は問題提示→解き方を考える→解き方解説→確認問題

算数は「自力で課題の問題を解くことができる」ことが目標です。

授業の終末に「確認のための問題」を解く時間を十分に取るようにしましょう。

「解き方を考える」や「解き方解説」の部分はもちろん丁寧にするのですが、時間をかけ過ぎるあまり解き方を教えて終わってしまう授業ではもったいないです。

子どもたちに「出来た!わかった!」感覚を持たせたいものです。

授業の終末では、子どもたちが自力で問題を解けるかどうか見極めたいものです。ここでは評価も含め「最低10分」程時間をかけます。すると逆算して授業を組み立ててください。

授業準備が合わない:社会は確認テスト…課題提示→調べる→共有しまとめ

授業開始とともに「定番のやることが決まっている」と生徒も授業のリズムに自然と入りやすいです。子どもたちにとって「わかること!出来ること!」はやる気が出るものです。

継続的に「やればできる、小テスト」は効果的です。みんなで「5問~7問」程度の基本ワードを出題します。事前に問題も提示しておいてもいいです。ポイントは短時間で、みんなができて、やればできるテストを繰り返します。

テスト時間2~3分 自己採点か相互採点、満点を確認、回収する流れです。授業の導入で一定のリズムが生まれ、スムーズに授業に集中できます。

その後、「本時の課題提示」→「調べる」→「学級全体で発表し合う:まとめる」→キーワード確認します。その後、社会科では「調べる」活動を学習の中心に据えます。

子どもたちは教科書や資料集に書いてあることを読みとり、または「グラフ等の統計資料のよみとり」など、本時の課題解決にあった記述や写真やグラフを見つけてノートに「わかったこと」について概略をまとめて記述します。その後、調べた内容を共有していきます。

授業準備が間に合わない:体育は準備運動→補強運動から

準備運動と定番の補強運動は基礎体力の増強とウォーミングアップに位置づけられます。

準備体操後、定番の補強運動→本時のめあて、活動の説明→活動→説明の説明→活動…のパターンを繰り返します。子どもたちに自己評価し、整理体操して授業をしめます。

体育科については、説明と活動の繰り返しになります。その合間は、いつも頑張っている様子を肯定的な評価にして言葉にしましょう。注意事項は端的に指示します。そして、また再度の活動です。

もう一つの体育の授業ポイントは「子どもの運動量の確保」です。先生の説明は長くならないようにポイントを絞った指示にしましょう。「短く、明るくハッキリした口調で的確にしじしてください」

授業準備が間に合わない:理科は課題提示→仮設→実験→考察→振り返り

理科では「実験」が活動の中心です。安全第一に授業を進めなければなりません。「実験を安全に進める」ためには事前準備が大切です。

理科は先輩の先生方の力を借りるのが一番です。実験によってはコツがあるので、ぜひ予備実験をしたいところです。単元の初めの「予備実験」をみせてもらえるだけで随分と余裕が生まれるものです。

課題提示と仮説はセットで5分、実験は内容にもよりますが25分、考察とまとめで10分。

授業準備が間に合わない時!先生のピンチを救う効率化3選を解説 まとめ

今回の記事は「授業準備が間に合わない時!小中学校先生方のピンチを救う効率化3選を解説」についてまとめました。

新任の先生や経験不足の先生方にとっての大きな悩みは、毎日の授業準備です。先生方は「教師は授業で勝負する」とはわかっていても、現実に授業準備をする時間がない教育現場です。

主にネット検索の活用、先輩方の実践を参観させてもらう、自分なりの授業の型を確立するの3つを中心に授業準備の時間短縮について述べてきました。

その他にも、授業規律面を整えることが鍵となります。授業規律が整えられているということは、先生方の指示がわかりやすく、子どもたちに伝わっているという証です。

先生方の実践を応援する「ワダチブログ」では、学級経営、生徒指導の関連記事が多数ありますので参考にしていただけましたら幸いです。

教師という職がやりがいのある、なくてはならない仕事です。いつでも笑顔で子どもたちの前に立ちたいものです。どうか、お体に大切にされてご活躍ください。