子どもの高校受験が心配だけど「最近、子どもとうまく話ができていないなぁ」「親としてできることはなんだろう?」という親御さんの抱える“不安やとまどい”の解決に向けて書きました。
この記事で、思春期という「成長真っただ中」にいるお子さんの心理がわかります。
思春期のお子さんの心理を理解できれば、お母さんお父さんにも余裕が生まれます。親としての正しい心構えとできることがわかります。
私は元校長です。たくさん個性豊かな中学生とわが子への深い愛情をひしひしと感じながら親御さんの悩みに向き合ってきました。応援する気持ちで「ワダチブログ」を解説しました。
そして「中学生って、今こんな心情なんだ」と、きっと納得されると思います。今は知識を得るままではなく、ご自身で納得され知恵とされてください。すると行動が変わります。
では、さっそく和歌を紹介します。
高校受験生あるある!母親の不安を解消する対応術「できること」
高校生の和歌に中学生の思春期の心情を理解するヒントがあります。
今回は2020年1月16日宮中行事・歌会始の儀、お題は「望」。最年少の入選者が高校生のとても素敵な作品を紹介します。
助手席で進路希望を話す時 母は 静かにラジオを消した
私はこの和歌からこんな親子の様子を想像しました。
ラジオのかかる車内、母と娘は静かに前方をみています。娘が急に話し始めます。
その時、お母さんの手がすっと、ラジオのスイッチを消すのです。母親は何も言わずとも
と娘に話に耳を傾けます。
母親として「しっかり聞きますよ」という構えをとったのです。
母親の「受け入れます」というふるまい方に触発され、娘は静かに「あのさ~受験する大学のことだけど…」と、大事な話、本心を始めたことでしょう。
こんな親子でも…仮に母親が、「先に」こんなふうに話していたらどうでしょう。
「ねえ、受験校決めたの?」
「〇〇さんは、もう決めったって話してたよ。遅くないの?」「お金のこともあるし、決まったのなら早く話して頂戴ね!」だとしたら…
同じ親子でも こんな感じになっているかもしれません。この違いが、わかったことでしょう。
- 和歌に詠まれた親子は、娘から「ねえ、お母さん…」と、頼りにしているお母さんに話し始めたケース。
- 間を開けることなく「なあに…聞くよ。話してごらん」と伝えたのですね。言葉じゃなく、態度で。
- 二人の体は、向き合っていたわけではありません。ちゃんとした話は、正面で向き合うのは、(理想だけど)思春期の年頃には、ちょっと、かしこまり過ぎて、正面で向き合っての会話は話しにくいかもしれませんね。
一方「うるさい!」と、言われた母親は、
母親が娘の進路が 心配で心配で…話しかけずにはいられなくて、聞き出してしまったケース。
お母さんが聞きたいタイミングに、自分の聞きたいことを聞いたのです。(心配だっただけなのにね、笑)
高校受験生あるある!母親の「できること」話を引き出す対応術4選
具体的な対応を4つをお話していきます。
高校受験生あるある!対応術1 中学生への話の引き出し方
子どもからのアクションに、すぐ反応。体で表情で言葉で。そもそも中学生は、親を完全に拒否したいわけではありません
お母さんお父さん、ちょっと、ご自身を振り返ってみてください。
〇親が話したい時だけ、話始めていませんか?
〇親の話って「質問」で、問いただされている感じになっていませんか?
親御さんからしてみると、普段の会話が減って、何も話さなくなって…ゆっくり話したいし、心配していることを聞きたかっただけなのに…
…だから、うるさく感じる。
ちょっと、振り返ってみてください。
と、子どもから話しかけてきたことありませんか?その時なんて言ったら………次の瞬間に
なんて、急に不機嫌になったりしたことありませんか?子どもからのアクションには「何!」って、すぐに“明るく”反応すること心がけてみてください。
もっと大切なのは、言葉より、目を合わせること、体を向けること等「あなたの話、聞くよ!」という姿勢です。
「声の調子や表情、視線(まなざし)、体の向き」はすごく大事!
その時の「お母さんの心(面倒くさいのか、うれしいのか)が、表情に映し出されている」のです。
高校受験生あるある!対応術2 高校受験をする中学生への話の引き出し方
「私を主語にした話し方」を意識してみてみよう。
「あなた」を主語にして話す場合と「わたし」を主語にして話す場合では、こんなに違います。
「あなた」が主語の言葉はこんな感じになります。
「ここに、脱ぎっぱなしにしないで!」…
「もういい加減にして、ちゃんとして頂戴!」
この話し方は、お母さんのイライラ感情も一緒に子どもに伝えています。
「わたし」を主語にすると、
「きれいに掃除した後だから、すごくがっかりしちゃう。〇〇してくれると嬉しいな」
「お母さん:わたし」が「がっかりしちゃう」、「お母さん:わたし」が「嬉しい」と話している表現です。
高校受験生あるある!対応術3 親のしてはいけないこと
進路決定は、子ども自身の将来のこと、最終決定は、お子さんが自分自身で決めることが大事です。
親が、子どもの進路決定の最終決定者はいけません。親は高校受験に関し進路は「子どもに全て任せなさい」という話でもありません。
親の考えは「きちんと伝える」ことが大事です。そのうえで「お子さんの考えを尊重しながら」高校受験について話を進めてください。
どんなに親が強い考え方を主張しても、「自分を信じ、最後は決定を任せてくれている親」と子ども側が感じているかどうかがカギです。
高校受験生あるある!対応術4 親のできること:環境を整える
中学校受験した経験がなければ、多くの中学生がはじめての「進路選択」になるわけです。約束されていないチャレンジです。不安やストレスを強く感じる場合もあります。
家庭の生活環境をストレスなく整えることは、親のできることです。
子どもは、お父さん、お母さんの表情は、鋭い感性でちゃんと見ています。ちゃんと親の真意を感じています。心理的環境を整える意識も大切です。
お子さんとお話するだけでなく夫婦でよく話あっておくことをお勧めします。「それが難しいのよ」なんて言わずに、子どもにとって「夫婦仲良くが一番のよき環境」に間違いありませんから。
一般論ですが、食事と清潔で落ち着いた家庭環境は、子どもにとってありがたく心強いものです。私は、受験生だからといって「お客さん扱い」しなくてもいいのではないかと考えています。手伝いを「頼りにする」ことも悪いことではありません。
子どもがリラックスしている時間を把握してください。その時間はそっとしてあげることです。ただし、ユーチューブ等はだらだらと時間を費やす傾向のあるツールです。できるなら、お子さんとお話して確認されるといいですね。
https://wadachiblog.com/jhs-sannsyamenndann/
https://wadachiblog.com/do-not-regret-parennt/
https://wadachiblog.com/koukou-mensetu-goukaku-kaitourei/高校受験生あるある!母親の不安を解消する対応術「できること」「してはいけないこと」まとめ
今回の記事では
高校受験生あるある!母親の不安を解消する対応術「できること」「してはいけないこと」をテーマにまとめました。
要点の一部を繰り返しお伝えします、
1 子どもは、親を完全拒否しているわけではありません。
拒否するけど、甘えたいのです。子どもから、話しかけてきたときは、最大のチャンス!是非、「なあに、聞くよ」のメッセージをすぐに送ってください。
2 子どもには「あなた」が主語より「わたし」が主語の方が、お母さんの意図が伝わりやすい。
ちょこっと、自分自身の会話のパターンを2つの視点から見直してみてくださいね。
「自分から聞きたいことだけを聞くことをやめてください」とか「子どもが話しかけるまで待っていなさい」という話しではありません。
「わたし」が主語のほうが、「あなた」が主語より、優れているとか、オールマイティなどと、話しているわけでもありません。
考え方に100%正解はありません。極端に偏るのはよくないです。時には、お母さんはこう思う!お父さんは、こういく考えだ!と、ハッキリと話すことは大事なことです。
しかし、大人への道を歩き出したわが子に「だから、言うことを聞け!!という時期ではない」というお話です。
今日の真意は
子どものほうだけに目や心を配り過ぎずに、お母さん自身が「自分の傾向をみつめる」ことが、ヒントになることもありますという提案です。
メニューに「夢」があります。読んでいただけると、基本的な考え方が書いてあります。今日はここまで。読んでいただきありがとうございました。
大丈夫!子育ては「焦らず、自分らしく」いきましょう。
ちょこっとだけ自分を振り返りアップデートするイメージです。一緒にのんびりと一歩一歩いきましょう。反抗してても、親の気持ちは、ちゃんと子どもに伝わっているものです。
今日は、読んでくれてありがとうございました。これからも、よろしくお願いします。
ワダチブログでは「中学生に贈る生き方授業」も掲載しています。参考になると思います。お子さんにも紹介して話題づくりにしていただけたら、最高の幸せです。