このような悩みを抱く親御さんは、結構いらっしゃるのです。あなただけではありません。
特にお子さんが、小学校に上がると「周りの子」と比較してしまうのが親心。この記事は、わが子の成長に不安が大きくなっている親御さんを応援するためにまとめました。
この記事では
- 賢い親の「考え方」3選
- 「落ち着きのない子ども」の原因
- 賢い親が「している」対応術
- 賢い親が「してはいけないこと」
についてまとめてみました。
私は、公立学校の元校長です。これまでの経験を活かして親御さんの子育てを応援する「ワダチブログ」を運営しています。
子供の落ち着きのなさには、さまざまな原因があるものです。ただ注意したり、叱ったりするだけでは、なかなか効果は見込めません。すぐに改善を求めたり、自分の子育て責めたりして焦らないことです。
この記事で、親だからこそできる対応術が理解できます。
落ち着きがない子供への賢い親の対応術・心を軽くする考え方3選
ここで表現する「賢い親」とは「自分の心の動きを調べることができる親」のことです。
賢い親の心を軽くする考え方1 自分の内面に目を向けるクセをつける
なぜ親自身が一度落ち着いて自分自身の心の動きを振り返ることが大切です。なぜなら…
親御さんの心の動揺は、お子さんの心の動揺につながるからです。お子さんは、知らず知らずお母さんを見て影響されていきます。
それは、いい意味でも、悪い意味でも親は、自然とお子さんに大きな影響を与えているのです。親と子どもは合わせ鏡であるといわれる所以です。
- 今の自分自身に心を向けて、自分のことを調べることができる親。意識がお子さんに向きすぎいるのかもしれませんね。今の自分自身に心の状態にも意識を向けて、正しく自己理解することは子育ての状況を打開する近道なのです。
- お子さんの「今」に悩んでいるのです。お子さんの成長を少し「長い時間軸」で理解しようとする構えができる親です。「わが子をじっくりと、正しく理解したい」という心構えです。
自分自身の心に目を向けると色々なことに気づくかっもしれません。
例えば、どうして、ママ友の○○さんは、いつもニコニコしている…あの余裕は何?なんで私はできないの?お友だちはみんな仲良く遊んでいるのに‥‥なんでうちの子は…
こんなふうに感じてしまったら
忙しい子育ての毎日の中で、比較して自分を見ているとどうしても否定的な感情が沸き起こってきます。比較することはの行きつく先は、自己否定。
大切なことは、考え方を整え、思考転換することをおススメします。
賢い親の心を軽くする考え方2 そもそも、子育てに親はみんな悩んでいる
「お子さまの性格や行動に不安はありますか?」と質問に「はい」という回答のお母さんは、一般的にどのような調査でも大方50%を超えています。
子育ての悩み不安は「私だけ」では、決してありません。子供を育てるとは心身ともに重労働なのです。ベテランお母さんでさえ、兄弟姉妹同じように育てたつもりでも、育ち方は実にユニークで頭を痛めるものです。
もし、ベテランお母さんが楽しそうにしていたら…
お子さんの色々な課題がわかっても、必要以上に神経質にならないのがベテランお母さんの知恵です。上のお兄ちゃんもお姉ちゃんもなんとか育っているし、そんなに気にしてしょうがない、しょうがないと「おおらか」なのだと思います。
お子さんの課題を「自分の育て方のせいにする考え方」は、賢いお母さんはしません。「お母さん自身が自信を無くして自己嫌悪」になってしまっては子育ての悪循環の始まりです。
賢い親はそのような考え方をしません。
賢い親の心を軽くする考え方3 そもそも、子どもは落ちつきがない
成長段階や発達的に見て、子どもは「そもそも落ちつきない」と考えることが大切です。
親御さんの不安のおおもとは、次のような視点が多いです。
- わが子の「落ち着きのなさ」が気になる…周りと比較して:そのような発達段階かも
- 「集中力がなく」落ち着きがない…周りと比較して:そのような発達段階かも
- 泣き虫…周りと比較して:そのような発達段階かも
- 友だちに迷惑、うまく遊べないことが気になる…周りと比較して:そのような発達段階かも
落ち着かないということは、いろいろと動き回っているということです。実際にやってみることで、その子らしさを引き出し。可能性を広げるしくみも成長します。
多少の落ち着きのなさについて、親御さんが許容する余裕の心構えが大切なのです。許容するとは、「親は我慢しなさい」と言っているわけではありません。
お子さんの行動のパターンや行動の意味をよく理解しようとすれば、急激なイライラや不安な気持ちになる感情の起伏は自然と抑えられてくると思います。
「落ち着きのない子ども」の原因は何か探る!
お子さんの成長を願う時、親御さんはお子さんの「正しい理解」が欠かせません。お子さんの強みは何か、どのような心の特徴、行動の特徴があるのか、関わり方は親子の数だけあるとおもいます。
同じように育てているつもりなのに「なんで兄弟姉妹でこんなに育ち方が違うの!」なんてことはよくあります。適切な親御さんの支援をするにはお子さんの正しい理解が欠かせないのです。
文部科学省の調査結果では?
文部科学省でこんな調査があります。一般的には、公立の小・中学校の「通常学級」に「発達障害の可能性のある子」がどのくらいいるのでしょうか。
この数値を文科省は6.5%としています。
都道府県で実態調査したりと色々な調査結果があります。ある程度の差はあるにしても、特別な配力を要するお子さんは、通常学級内に一割弱は存在します。
この数値は別にして、
「学級内に特別な配慮を要するお子さんが各クラスに二人程度はいる」こんな感覚を持つ先生方が多いのでないでしょうか。
それでは特別な配慮を要するお子さんの中には「AD・HD」について解説します。
子どもの注意欠如/多動性障害(AD/HD)
AD・HDのお子さんにはこのような状態が見られます。
授業中落ち着かずじっとしていられない、席を立ち歩きだす すぐに気が散ってしまうる 隣の子にすぐにちょっかいを出す 大声を出すなど騒々しい 順番が待てない
家庭内では、一般的に問題が多くなり説諭が増えたりしがちです。落ち着きのなさが、発達障害の一つである“注意欠如/多動性障害(AD/HD)”が原因のケースの場合、「親が叱って、しつけ」で子どもが落ち付くという問題ではありません。
親に意識してほしいこと
課題が本人の不注意や努力不足、親の躾の問題ではないとすると、叱責や説諭中心の日常生活が健全な育ち方を阻害してしまうでしょう。
ある意味、親は「子どもの問題行動が改善することに対して…親が諦めることが子育ての改善の一つにきっかけになります。
(もちろん、いい意味での“あきらめ”なのですが…決して「もうあなたに期待もしません」というものではありません)」
こんな頑張りすぎる子育て、お子さんも親御さんにもストレスが溜まっていく関わり方は悪循環を生みます。
学校でも家庭でも「子どもを変えるのではなく、周りの大人の対応を変える」ことでキッカケが見えてくるものです。
このことを“あきらめ”とよびました。肩の力を抜いて“リラックス”しましょうよと言う意味です。
親が叱り続けると…
もし仮に、親御さんが「わが子の障害に気がつかず」子ども本人の努力の問題、親の躾の問題と考えていらしたらどうでしょうか?
日常的に、繰り返し「叱られ、否定されて、育てられること」になります。その結果、自己肯定感がひどく低いお子さんになることもあるでしょう。
そう言う悪循環が、生まれつきの脳の障害に加えて、情緒的な問題も起こし、精神的な混乱やうつなどの(不適切なかかわりは)二次的な問題をおこしてしまいます。
※生まれつきの脳の機能障害等でない場合もあるかもしれません。よく見極めて課題と原因の応じた対処法を探りましょう。
「落ち着きのない子ども」の賢い親のしている対応術
落ち着きがない子にどのように接していいのか、みな悩みます。落ち着きをコントロールするのは、学習や経験の差だけではなく、人の脳自体の成熟具合の影響も大きいと考えられます。親御さんは、焦らない焦らない!長い時間軸で成長を見守りましょう。
鉄則1 一方的に叱らない
忙しい日常の子育て生活では、ついイライラしてしまい、一方的に叱ってしまう事もきっとあることでしょう。
叱っても、お子さんがうまく理解ができないことがあります。自分の気持ちを十分に表現できる年代のお子さんであれば、子どもの気持ちを聞きながら、「なぜ今それをしてはいけないのか」について、丁寧に説明することが大切です。
ただ、たとえ理解できたとしても、自分で自分の行動をコントロールできないこともあります。自分でコントロールできない場合は、叱られても直すことができず、何度も同じことを繰り返し、さらに叱られてしまいます。
その結果、反抗的になってしまったり、望ましくない行動が増えてしまうこともあります。叱るよりも、少しでもできた行動を褒める方が、子どもの望ましい行動は増えていきます。
行動のパターンと行動の意味を考えて、ストレスを軽減させる
生活上の「本人なりに感じるストレス」によって、生じる落ち着きのなさもあります。
ちゃんと原因があります。
イライラや不安は、友達への攻撃的(衝動的)な行動、じっとしていられずに動き回る等、落ち着きのない行動として現れることが少なくありません。このような場合は、ストレスの源となっていることを取り除くことが重要です。
問題行動はいつ起きることが多いのか?その場面の共通性を探ってみてください。きっと思い当たることもあるでしょう。そして、その行動の意味を考えるのです。
出来ることはある!経験をさせて認めることは子育ての王道
発達障害は、発達のしかたに生まれつき凸凹がある障害と考えてください。
もちろん個人差はありますが、断定的に言い切れるわけではないのですが、「障害だからしかたない」という先入観は、成長の可能性を狭めてしまいます。障害があるなしにかかわらず、人間は、誰もが経験を重ねながら色々な影響を受けて一生を掛けて発達・成長していくものです。
「不変的なハンディキャップ」とは、必ずしも言い切れないのです。一人一人の凸凹のある発達のしかたをよく理解しサポートすることで、生き生きとした表情と共に成長していくものです。
もちろん努力すれば、なんでも改善されると考えるのは、間違っています。
しかし、本人の凸凹ある発達をよく理解したうえでサポートすることが社会全体でり愛し合うことが望まれています。
その子どものよさや長所にも目を向けいろいろな経験の下、よいところは積極的に褒めて認めることがとても大事なのです。
子育てを助けを求める習慣を!専門家を始め誰でも力を借りる
落ちつかない行動が長期にわたって頻繁に続いていたら、親御さんの心中は混乱と共に疲弊してきます。
子育ての悩みは、一人では解決しないものです。
助けを求めるスタンスを習慣づけることです。学校の中にも話を真剣に聴いてくれる先生は必ずいるものです。学級担任や学年主任の先生、保健室の養護教諭、スクールカウンセラー、相談員、校長先生・教頭先生もいます。
結局のところ、相談活動の鍵も人です。運です。役職が解決するわけではありません。プロの臨床心理士のスクールカウンセラーより、養護の先生に話しを聞いてもらえると、安心してスッキリするなんてこともあるでしょう。
力を借りることです。
もちろん、専門家の意見も参考にして考えてください。薬物療法が効果的なこともあり、医療機関の力を借りることがよいこともあります。自治体の保健所・保健センターにも子育て支援の方々もいます。
諦めないことです。お子さんの相性、あなたの相性とピッタリの方はきっといるはずです。落ち着かない子どもへの理解と支援について、役に立つ助言が得られるでしょう。
見極めには、以下のような子どもの資質に大きく影響するケースもあるかもしれません。
- 「遊びたい」と思ったら“すぐ”に遊び始めるなど、好奇心旺盛で欲求を抑えられない
- 「好きな人の関心を引きたい」ために落ち着きがなくなり、自分を受け止めてほしい「試し行動」にはしる
- 自己主張のはじまりだが、思い通りにならないと落ち着きがなくなる
一般的には、成長とともに次第に落ち着きがでてきます。この他にも、親の躾方の特徴によって以下のようなケースも考えられます。
- 親の躾が厳しすぎたり、求める要求が高すぎたり期待値が高すぎたりする結果、必要以上に心配し過ぎている
- 反対に、親が放任して歳相応の躾が基準が低すぎて、基本的生活習慣やコミュニケーション能力が未発達
子供の数だけ、輝く個性があり特徴があって子どもを理解するのもなかなか難しいですね。わが子の行動パターンや行動の意味等、原因を探る姿勢は大切なことです。
落ち着きのない子供の子育て!賢い親が「してはいけないこと」
賢い親のしていることを中心にまとめてきました。ここから、「してはいけないこと」を解説してここまでの整理をしていきます。
一つ目の特徴は、親御さんの言動が子供にストレスをかける親です。主に過度なしつけや押し付けなど。行動をコントロールしようとすると「叱る」ことが多くなります。お母さん自身の表情が硬くなります。…お母さんの笑顔が嫌いなお子さんは誰一人といません。お母さんの笑顔とできたことを喜ぶことでお子さんの成長を支えてください。
二つ目の特徴は、親御さんが孤立している。「なんとかしなければ」と一人で奮闘する。自分が頑張ることで、改善されると信じこんでいる。…肩の力を抜いた方がうまくいくこともあります。子育ては親御さんみんなの悩みです。決して、あなただけではありません。
三つ目の特徴は、どうしても子供も自分自身も「人と比べて」しまう傾向が強く、その結果、うまくいっていない自分自身に辛い気持ちになる。…一人一人みな違います。わが子の行動の特徴や原因を探っていけば、個性的なよさや強みも見えてくるものです。
四つ目の特徴は、様々な生活の経験値にチャレンジする機会に消極的になっている。もしくは極端に少ない。「できないだろう」と、あきらめている。決めつけている。…すべての子供に共通することは、様々な経験を積むことで成長していくものです。活躍の機会と認める言葉かけの中でお子さんを育てたいものです。
落ち着きのない子供の対応術!賢い親の「していること」「してはいけないこと」 まとめ
今回の記事は
落ち着きのない子供の対応術!賢い親の「していること」「してはいけないこと」
とテーマにしてまとめてきました。わが子は自分の分身のように感じます。落ち着きのない子供の行動は、親としての責任を感じてしまいがちです。
子供を育てるって本当に大変なこと、親として子育てに真摯に向き合っているだけでも本当に立派なことなのです。同じように育てた兄弟姉妹でも育ち方は違います。
是非、一人で悩まず相談をするなどしてあなたの心を開放してください。そこがキッカケとなり子育ても好転し始めるものです。「ワダチブログ」では、教育や子育て関連の記事が多数掲載されています。参考にしていただけたら有難いです。