子育て相談

グレーゾーンの子どもの特徴と子育て!発達障害の正しい理解と対処法

最近は、発達障害という言葉が広く知られるようになりました。その中で、発達障害の「グレーゾーン」とは、

発達障害の特性が見られるものの、診断基準には満たない状態の通称です。医学的な診断名ではありません。

一般的なとらえ方をすると「発達障害の診断を受けていない」わけですから、発達障害と診断されたお子さんと比べたら、比較的日常生活の困難度は「軽い」と思われるかもしれません。

しかし、お子さん自身や親御さんには「普通の子供の成長との違和感」を感じつつ生活していくことで、グレーゾーンならではの特有の困りごと、心配ごともあることでしょう。

そこで、この記事では、グレーゾーンの子どもの特徴子育ての対処法がわかります。お子さんにも、日常生活を送る中で困り感があるかもしれません。親御さんが発達障害について正しく理解を深めること的確に対処できるようにまとめました。
わたしは、公立学校の元校長です。これまでの40年余りの経験を踏まえ、子育て中の親御さんと現役先生方を応援する教育関連の「ワダチブログ」を運営中です。
親御さんの心が軽くなり、お子さんの笑顔が増える対処法を身につけられるように工夫しました。是非、ご覧ください。

発達障害のグレーゾーンの子どもって多いの?

先ず初めに、「発達障害のグレーゾーン」とよばれるお子さんについて、基本的な知識面を確認していきます。

文部科学省が行った調査では、学習や行動面で支援が必要な子どもの割合は、通常学級に在籍する子どもの6.5%です。

学級担任の先生方の感覚では、30数人のクラスに「2~3人は特に配慮を必要とする児童生徒」が在籍している感じです。

グレーゾーンとは、

発達障害の特性がいくつか見られるものの、診断基準をすべて満たしているわけではなく、確定診断ができない状態をいいます。

診断はつかないけれども発達障害の傾向はあるという状態です。

だからこそ、親御さんもお子さんと向き合って子育ての“最善”を探ることが大切です。

グレーゾーンのお子さんの特徴も様々。とても一口にまとめられませんが、あえてその特徴を表現するなら

自分から、人に合わせていくことがとても苦手です。

親御さんが、グレーゾーンの特徴を理解を深めることとができれば、お子さんらしさを引き出しきっと生活を楽しめると思います。

親御さんは、お子さんの一番の理解者であり応援者になりたいものです。ここから、発達賞のグレーゾーンについて一緒に特徴を確認していきましょう。

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達障害のグレーゾーンの子どもの課題となる特徴とは

ここでは、「発達障害のグレーゾーン」のお子さんの代表的な特徴を二つあげてみます。

1:「こだわりが強い」…「言い争いやトラブル」が多い

幼児期から、「こだわりが強い」特徴があります。自己中心的な想いが強く一度スイッチが入るとなかなか止められません。

友達に対して、(自分の言い分の方が正しいと思うと)一気に攻撃的な言い方になります。相手側が言い返せば、興奮はエスカレートしてしまうこともあります。

お友だちに対して、しばしば攻撃的な言い方になるため、良好な交友関係に深まりません。

友達に対して、一方的な興奮して強い口調になってしまうと、泣いてしまったり、言い争いになったりします。先生や大人の目線からでは、お子さんの言動は「わがまま」に感じてしまうことでしょう。
実際、わがままなな一面が強調されやすく、無理にやめさせようとすると一層興奮し、逆効果になることがあります。

2:ゲーム等に集中しやすく「ルール」が守れない

「もっと、やりたい」「ここまでやりたい」と気持ちが抑えられなくなりやすいです。

最近、学校でも導入されている「個人用タブレット」 当然、学校ごとにその使い方のルールがありますが、夢中になってしまうと途中でやめられません。ルールを簡単に自分の都合で破ってしまうことがあります。
自分なかでは、「あとちょっとで区切りのいいところだから…」等、色々な言い分をしては、ルールを破ってしまう言動があります。
ココでも、無理にやめさせようとすると興奮して、暴れ出すこともあります。
その他、「発達障害のグレーゾーン」のあるお子さんの特徴には、このようなものがあります。
  • 忘れ物が多い
  • よく物を失くす
  • 学校のルールが守れない
  • 授業中にずっと座っていることが難しい
  • その場に合わない質問をする
  • クラスメイトと喧嘩になりやすい
  • 集団行動になじめず学校が嫌になる など

このような課題を羅列しました。親御さんの子育てにおいて、発達障害の理解と対処の仕方を解説します。

グレーゾーンの子どもの子育て!発達障害の正しい理解と対処法

グレーゾーンの子どもの子育てについて、試してほしい対処法を5つ紹介いたします。

1:子どもにうそはつかない!家庭生活の中に活躍の工夫を

まだ子供だから“わからないだろう(言っても理解できないだろう)

まだ子供だと、何も本人に話さず親御さんで勝手に決めることはやめましょう。大人側の一方的な考え方を正しいと思い込んで、子どもを育ててませんか?

色々なことができないのが子ども。しかし、

お子さんのもつ真実を見抜く感性は、大変鋭いものです。大人の都合でお子さんにウソついて、行動をコントロールすることはやめましょう。

ここで、学校の生徒指導で先生方が大切にしている三つのことをご紹介します。きっと子育ての考え方の参考になると思います。その三つとは、

  1. 自己存在感を大切にする
  2. 共感的人間関係を育むことを大切にする
  3. 自己決定の機会を大切にする。

この中で③の「自己決定の機会を大切にする」を解説すると

できるだけ、お子さんとお話をしながら、「右にするか、左にするか」選ばせて、自分で決めたことを応援していくスタンスがいいです。

気を付けることは、何でも自分で好きなように決めさせることではありません。子どもに好きなように決めさせていては、わがまま放題になってしまいますよね。

大切なコツは、右を選んでも、左を選んでも「どちらも親としてOKな事柄を提案するのです。つまり、本人に選ばせるのですが、自己決定させた内容は自分の壁を超える適切な目標設定となります。

活躍の機会を生活の中に工夫してみましょう。家の中での簡単なお手伝いなども効果的です。

「○○や△△が大変なの…どっちか少し手伝ってくれるとお母さん助かるな…」

一緒に活動してもOK。タイミングよく「ありがとう!助かった~」とお声をかけてください。こんな積み重ねが大切です。

自分の言動で、親が本気で喜んだり、笑ったりすることがお子さんの心を落ち着かせ少しづつ自信を育みます。

2:「放任も、厳しく躾ければできる」は考え直して!

「言ってもわからないし、そのうちわかるようになるだろう…」
繰り返し、躾ければきっとできる

どちらも、もう一度検討し直してみましょう。

どちらも、100%間違っているわけではないのです。一番意識したいのは親御さんのバランス感覚です。

「何でも厳しく躾ければ、できるようになるはず…」と他のお子さんと比較して、きっとできると期待し過ぎてしまうことも

「何事にも無理はさせない」と、期待していない言動もバランス感覚にっ欠けます。

「過剰な放任や過剰な躾」は、お子さんの健全な成長の悪循環になる事もあります。

子どもは、苦手なことやできないこともたくさんありますが、十人十色の素晴らしい個性があります。成長の仕方も人それぞれ!

どの子供も、その子なりの成長の仕方をします。

お子さんの一番身近な応援者。しっかりとお子さんに期待しましょう。

それは、周りのお子さんのように同じようにできるはずという考え方ではなくて、目の前のお子さんが“できた!できるようになった!”と目を輝かす体験が大事ということです。

3:トラブルがあったとき、親御さんは一番の味方!

ちょっと話は変わりますが、お子さんがパニックを起こしている時、

怒ったり、諭したりしなければならないこともあるでしょう。しかし、試してほしいことは、「辛かったね、大丈夫…、一緒にいるよ」と気持ちを受け止め、抱きしめてあげることが有効です。

障かいがあろうがなかろうが、すべてのお子さんは

自分が親に大事にされている体感こそ大切で、心を安定させて新しく学ぼうとする気持ちに向かわせるものです。

発達段階や個性にもよりますが、親御さんが「悩みを真剣に聞くこと」で、心情が落ち着く場合もあります。

大人はどうしてもすぐにアドバイスしたくなるものですが、お子さんがお話をしはじめたら、ひたすら耳を傾け続ける聞き方が親子の絆を深めます。

忙しい日常生活ですが、だからこそわが子の様子に異変を感じたら、一対一で丁寧に話しを聞く時間を持ってみてほしいです。

お母さんはいつも忙しいですから「今忙しいから、あとで聞くね」となりがちです。または、料理を作りながらというケースもありますが、親がしっかりと聞く姿を示すことが大切です。

「味方だよ…困っていたら、いつでも頼ってね」

という姿勢で接してみてはどうでしょう。

4:見通しもたせる!成功体験で…タイミングの良い賞賛や感謝の言葉かけ

お子さんは、突然の変更や臨機応変の行動が苦手ではありませんか?

できないのは、「やる気がない・能力がない」とは限りません。お子さんと一緒に計画を考え、決めたことを机に貼っておく等、何事にも見通しを持たせるといいです。

初めに○○をして、そのあとに△△をしよう。この順番で進めていこうね。(子供の意見を聞いて修正してもいいです)

■■のあとに、□□がまたできるよ(見通しを持たせて、順番の約束を守らせます。クリアのハードルはできることの積み重ねです。達成の難しさより、小さなステップを達成していく習慣を身につけさせましょう)

親の都合等で、急な予定変更は避けていきましょう。

心がけの一番は小さくても「成功体験」を積み上げることと、その都度タイミングよく“それでいい!この調子で頑張ろう”と励ましの言葉をかけることです。

もちろん、日常生活の中には

○○しないで! 〇〇しなさい!

と、注意することもありますよね。しかし、これだけではお子さんは伸びません。

全てのお子さんに共通する法則は、できることを工夫し頑張ってできたことを、タイミングよく褒めることです。存在を認めてあげるのです。

(家のお手伝い)ありがとう!…(○○がいてくれて)たすかった。

しっかりと頑張ったね、できたねえ。そごい。

このような言葉と喜ぶ親の表情や温かな視線が、お子さんにやる気を起こさせるのです。

5:言葉は具体的に語り掛けよう

  • 「ちゃんと…(やりなさい)」
  • 「しっかりと…(やりなさい)」
  • 「きちんと…(やりなさい)」

これらの言葉は、大人が子どもに注意する時などに使われることがあります。しかし、よく考えてみると、お子さんにどうしてほしいのか伝わっていません。

すごく抽象的な表現ですよね。

お子さんの立場からすれば、「今の自分の行動にダメと言われていること」はわかります。しかし、親がどのように行動してほしいのかは、子どもは想像するしかありません。

一例ですが、自分の食べた食器は、食後「ごちそうさま」の言葉と共に、すぐ台所までまっていく

これって具体的ですから、何をどうするかが明白です。ですから、できた場合はタイミングよく「しっかりと約束守って、偉いね。続けていこうね」と、言葉かけをしてみましょう。

発達障害のグレーゾーンにあたるお子さんは、具体的な行動を丁寧にお話してみましょう。先ほどの表現は

  • 「ちゃんと…(できてすごいね)
  • 「しっかりと…(できたね、約束守れたね)
  • 「きちんと…(できたじゃない、えらいね)

このように、お子さんの言動を認めてあげる時に使うと効果的です。お子さんは今の行動が、お母さんが認めてくれる“ちゃんとした”“しっかりとした”“きちんとした”行動だとわかるからです。

グレーゾーンの子どもの特徴と子育て!発達障害の正しい理解と対処法 まとめ

今回の記事は「グレーゾーンの子どもの特徴と子育て!発達障害の正しい理解と対処法」をテーマにまとめてみました。

発達障害のグレーゾーンのお子さんの特徴と5つの対処法を紹介しました。

お子さん一人一人の個性が違いますので、子育ての公式はありませんが、正しく理解したうえであなたのお子さんにピッタリの処方箋を探っていきましょう。

学校の担任の先生のご意見やスクールカウンセラー等のご意見、様々な立場からの助言も参考にしてみましょう。しかし、一番のお子さんの理解者は親御さんです。親御さんの勘も大切に思います。

「ワダチブログ」では、子育てや教育関連の記事がたくさんありますので、参考にしていただけたら幸いです。