子育て相談

思春期の辛い子育て!友達がいない中学生に母親にしかできない接し方

以前とはまるで違う“わが子”の変化。戸惑わないお母さんは一人もいません。思春期の辛い子育て、本当に心が疲れます。

今日のテーマは、

学校で一人でポツンとしているわが子を「偶然見てしまったら」「ママ友から…聞いてしまったら」あなたならどうしますか?

母親なら誰もが心中穏やかではありませんね。こんな状況での「母親にしかできない接し方」についてまとめました。

私は、思春期の中学生の心情に向き合ってきた元中学校の校長です。これまでの経験を活かして先生方と親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。中学生の心の動きを理解できれば、大切なお子さんの応援の仕方がきっとわかります。

中学生の子育てには、

  1. 親にしかできないこと
  2. 親でも、できないこと
  3. 「親がしてはいけないこと:気を付けること」があります
  4. お子さんへの具体的な言葉かけなどの接し方が、話し言葉の実例をあげていす

あなたの悩みを「すぐに解決」とはいかないかもしれません。しかし、わが子への正しい関わり方のヒントがつかめる記事にしました。一般的な思春期の考え方から始めます。

思春期の辛い子育て!親にしかできない接し方

思春期、真っただ中の中学生への接し方の基本的な考え方から始めます。

わが子が「変化をしながら、成長」しているのだから、親御さんも「変化しながら、成長」すればいい。

思春期の子育て中の親の辛い気持ちは、お母さんの心が「お子さんの急激な変化」に追いついていけない状態といえます。

親御さん自身も、成長するお子さんと一緒により自分らしいお母さん像に変わって成長すればいいのです。それでは、その変わり方をご紹介しますね。

親の基本的なスタンスは、子どもから、何も言ってこない時は、心配をぐっとこらえて、 親からのアクションは控えてそっと見守る。

思春期は、(経済的に自立しているわけではないので)まだ大人になり切れていない、けれど「もう、私は子どもではない!」の想いが、ふつふつと沸き起こってくる時期です。

親のアドバイスは、「もう子ども扱いしなで!」という心情から素直さに欠けてしまうものです。もちろん「小言を言うな」というわけではありませんが、少なめに、少なめに…が無難です。

この基本対応を踏まえて、ここから今日のテーマ「友だちがいないかも…」に入っていきます。

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親がしてはいけない接し方

思春期のお子さん側の心情に立つと、お母さんからのこんな言葉が、きついです。

自分の心配をぶつけてしまう母親
友達が、できないの? まだ友達、いないの? 〇〇、してみたら…

ズバリ、直球で友人関係のことで話しかけられることが、非常に「辛い」

そして、お母さんの心配している素振りも、心が「重い」のです。

お子さんはかなりの割合で、こんな感覚を抱いています。

甘えたい母親を煙たがる結果に
お願い!やっと、家に帰ってきたの! 今は…放っておいて! そっとしていてほしいの。

これが、心の叫び。

お子さんは、「自分の悩み」に向き合って、一日の学校生活をもがき耐えている現状かもしれません。そして、やっと帰宅できた。

このタイミングのお母さんからの言葉かけは、辛い現実に引き戻すことになります。

なぜ、聞いてしまうか? それはお母さん自身が「心配で心配で、聞かないわけにはいられない心境」なのです。お母さん自身が、不安で心配で心が不安定なのです。

お子さんの現状が心配というより、「私の気持ち」が不安で抑えきれない状態と言った方が、正しい表現かもしれません。

親御さんにしかできない基本的な接し方は、

心理的にそばにいて、そっと寄り添い見守る態度なのです。

「友達がいない」中学生に親の「見守り」が正解な理由

理由1 誰の問題なのか? 

この答えは「お子さんの問題」です。お子さんの問題ということは、解決を目指すのはお子さん自身です。そして、解決できるのも、お子さん自身です。

だって、自分の問題なのですから。

お母さんの問題では、ありません。お子さんの問題に「お母さんの心」が乱れ始めているのです。この視点を自覚してください。お母さんの問題ではないということは、「お母さんが、解決してはいけない問題」とも言えないでしょうか。

理由2 お子さんに「お友達がいないこと」が、そもそも「最悪の状態」とは限りません。

「お友達ができる」ことがGoalですか?

仮に、お子さんにお友達?がいて、学校では独りぼっちではない…ムリして、話を合わせて一緒にいるケースもありうることです。

いつも自分自身の心に違和感を感じている友人関係、こんな状況は思春期の交友関係には結構みられるものです。こんな状態、結構辛いですよ。

理由3 「一人ぽっち」でいること…この受け止め方は、お子さんによって様々です。

「友達欲しいなあ。でも、無理やりつくるものでもないし…今は、あきらめるか。自然にまかせよう。」つまり、現状を冷静に受け入れていることもあります。

お子さんは、親御さんの考えているより、ずっと大人になっていることも考えられます。誰でもいいから、友だちになりたいわけではないのです。大人と一緒なのです。

https://wadachiblog.com/my-one-and-only/

思春期の辛い子育て!「友達がいない」中学生に親ができる3つの対処法

冷静に、お子さんの今の心境を慮る…

例えば、お菓子や好物を用意して

心配を抑えて、 笑顔で迎える母親
今日は、〇〇の好きな△△があるよ! お疲れ~、一緒に食べる~?

なんて、明るい調子で話しかけるのもどうでしょう。

親だから、できること1 

いつもと変わらぬ、お母さんの笑顔で迎えたら、きっとホッとしますよ。我が家は、いつでも安心できる居場所であってほしいですよね。それができるのは、お母さんです。

お子さんの様子から、絶妙のさじ加減で家庭環境を整えてあげてほしいのです。こんな対応ができるのは、お母さんだけ。

親だから、できること2

あえて何もしないこと。(お母さん自身は、心配で心が乱れているわけです。気になってしょうがないわけですが、そこをぐっとこらえて、「応援する心だけを寄せる、けれど口は出さない。放っておくけど、心はいつもそばにいる」…こんな感じがいいです。

こんなお母さんの心配りは、お子さんにきっと届きます。だから、お子さんもタイミングを計って、自然に話しかけられるかもしれませんね。

「このごろ、学校つまんない…」この言葉が聞けたら、少しづつ核心に近づけばいいのです。聞く耳を傾け始めたのですから。

親だから、できること3  

話し始めてくれたなら、聴く姿勢に徹する。アドバイスは後。お母さんが、「私」の話にきちんと耳を傾けて聴いてくれた

この感覚が、お子さんの力になるのです。

向き合うって表現しましたが、正面じゃなくて「隣」ぐらいがいいです。(まっ正面で向き合うと、「相談しますよ~」という感じで結構話しづらいものです)

お子さんにとってまず最初に「つらい気持ち」を吐き出すこと自体が必要なことなのですから。焦っちゃだめ。だから、聴くことだけでも十分なのです。

そして、アドバイス求めてきたら「こんなのどうだろう」って伝える。こんな感じがいいですね。

親は、絶対的な安心感を与えてくれるかけがえのない存在。 (これだけだから、逆にけっこうむずかしい)
お子さんからみれば、パーフェクトな母親父親を求めていません。誰一人、パーフェクトを求めているお子さんはいない。
 
 
(例えば、親の答えを求めているとは限らない。むしろ親の答えは、押し付けられたくないし、「私のこと何もわかってない」と感じちゃうかも)
 
どんな時でも、いつも自分を受け入れてくれる変わらぬ存在でいてほしい。これだけです。でもこれは、親にしかできないことです

思春期の辛い子育て!「4つの言葉」で寄り添う親の接し方

こんな言葉はどうでしょう1

お友達の問題…自分だけ辛いと思わなくてもいいんじゃないかな。 割とみんなが通る道だよ。 お母さんも経験あるしね。

今の現状を、肯定も否定もすることなく、「(ものすごく辛い気持ちなのだろうけど、あえて)特別なことじゃない」とのメッセージ。

こんな言葉どうでしょう2

お友達って、運みたいなところもないかな。 自分のペースと合って、気兼ねなく話せるお友達って。 いつか、きっと出会えるよ。 でもそれが今じゃないから…辛いんだよね。 高校大学と、同じような進学先だと断然出会うことも多くなるんじゃないかな。

「いい、あきらめ」という感じ。「今」だけでなく、将来への見通しを持たせるのもアリです。

こんな言葉はどうでしょう3

お母さんは味方…いつでも、話してね。 こんなつらい経験も、笑える日がきっと来るし大丈夫。もう少しの辛抱だね。 でも〇〇は、ちゃんと自分と向き合っている…、偉いね。大人になったじゃないの

今の現状も、悪くない。「立派だよメッセージ」もいいのではないでしょうか。

心配しつつも、いつもと変わらないお母さんがいいですね。

親のアドバイス的・指示的要素が強いと、うまくいかないほうが多いと思います。「自分は、お母さんとは違う」に流れていってしまいます。

こんな言葉はどうでしょう4

大人になっても、中学校の友人とちょくちょく会う人は、かなりの少数派。 大人になって会わない人たちのことで、悩みすぎることもないと思わない? 自分を偽って、一緒にいてもそれはそれで辛いと思うよ。 一人でいられる強さがあるのは、すごいね。自分を大事にしているよね。

ちょっと、時間軸をずらして考えてみる。今に固執しない視点からの言葉。

仲良くしてそうに見えても、実際のところなかなか離れられずに悩みを抱えている中学生もいます。時には、頑張ろうとすると、足を引っ張り合う仲間関係だってあります。

決して、いじめられているのでなければ、慌てないことです。ともかく、お母さんが暗くなっちゃいけないと思いますよ。

親の接し方の方向性は「人生は長い」ということ。これから先も、いっぱい素敵な出会いがある!これは事実だもの。

お子さんは、今に集中しているので、この視点の励ましがイイのではないでしょうか。

しかし、辛そうな日が続くようでしたら、いじめや仲間外れも想定されます。その場合は、学校の先生にご相談されるのもいいでしょう。これも親にしか、できないこと。

 

挨拶の大切さがわかります。お子さんに伝えることができる決定版

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思春期の辛い子育て!友達がいない中学生に母親にしかできない接し方 まとめ 

今回は「思春期の辛い子育て!“友達がいない”中学生へ母親の接し方」について記事にまとめました。

わが子のピンチに、「親にしかできないこと」「親でもできないこと」「親がしてはいけないこと」があります。テーマごとにわけて進めてきました。ヒントになる言葉や考え方がありましたか?

考え方には、すべての人にあった正解はありません。絶対間違いもありません。人それぞれですから。答えは、自分自身の中にあります。

私は、その材料となる考え方・言葉ご紹介させていただきました。どうか焦らないでくださいね。最後に肝心なこと、触れさせてください。あなたの大事なお子さんに、この記事が役立つとは限りません。

場合によっては、冒頭で否定した「お母さんからの、友達について直接聞いてみてもいい時だってあります」つまり、「考え方」にはすべての人にあった正解があるわけではありません。

この記事は、40年近い中学生の実態を踏まえた視点から、「こんな視点も頭の片隅に置いておくといいですね」と、ご紹介しました。私の中の真実なのです。決して間違いではありません。

ただ、あなたのお子さんの性格や状況にピッタリかどうかわかりません。家族関係は複雑です。あなたの「お子さん」にベストマッチかどうかは、あなたが判断してください。

お母さんの心がいっぱいだと、考え方も1つに固まります。是非、意識的にゆとりを取り入れ、冷静に見守ってください。あなたにしかできないことです。

ここまで、読んでいただきありがとうございました。

お母さんお父さんから、お子さんは自分が愛を受けてきた存在であると自覚していれば、きっと乗り越えられます。一人で抱えないでくださいね。

「ワダチブログ」でまたお会いしましょう。よろしくお願いします。