中学生の生き方授業

中学生5分間生き方授業!心の中にいるもう一人の自分「村祭りのたる酒」

かつてのサッカー日本代表監督、岡田さんが選手に話したという逸話。

この短いお話に、カッコいい大人の生き方ができるヒントがあります。

知識を知恵に変える中学生時代。一生の宝になる「考え方」がわかります。

逸話、村祭りのたる酒

まずはじめに、逸話「村祭りのたる酒」の話をお読みください。

ある村では、毎年実りの秋をむかえると、盛大に収穫を祝うお祭りがありました。

村人は大人も子どももみんながこの村祭りを楽しみにしていました。

この祭りには、古くから伝わる儀式がありました。それは大きな“たる”に入ったお酒を小づちでわって、みんなで盛大に乾杯をして、祭りの口火を切ることでした。

今年も祭りが迫ってきました。しかし、今年の祭りには大きな問題が起こっていました。

農作物の不作で、儀式に使う“たる酒”が買えないのです。たる酒がなくては、村祭りが始まりません。

村人は悩みました。こんな時、ある村人が言いました。

「みんなの家にあるお酒を一人一杯ずつ、持ち寄ればいい」

そうです。みんなで持ち寄れば今年も村祭りはできます。村人はみんな賛成して、お酒の持ち寄りが決まりました。

いよいよ待ちに待った、村祭りの日。

「せーの!!エイ!!」鏡割りが行われました。たる酒が村人に配られました。村の長老が声を上げます。

「かんぱい!」…そして、一口飲み終えた後です。

会場は静まり返りました。「おや?」「あれ、味が?」「なんだ、この味?」村人は互いに顔を見合わせています。

そして、ある男が叫びます。

「水だ!!」……たるの中身は水でした。村人は、互いに顔を見つめています。……

 

お話はここまでです。

村人全員がお酒を持ち寄るのだから、自分一人だけ、「水」を入れてもバレやしないだろう。実は、そう考えた村人ばかりだったということです。

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どんな学級の一員になりたいですか?

クラスの雰囲気がメチャクチャ明るい。みんな分け隔てなく、お話ができて落ち着いていられる。

みんな勉強も行事も一生懸命に取り組んでいるので、毎日が楽しい。

だから仲間と一緒にいると、自然と自分も負けられない気持ちになってくる。

もし、こんな学級があったら、最高です。誰でもこんな学級の一員になりたいと思いますよね。

実は、はじめらか素敵な学級が用意されているわけではありません。

「自分」が、「自分たち」が、みんなで協力し合って「自分たちにとっての最高の学級」をつくりだすものです。

それが自治活動。「自」分たちで「治」めると書きます。

成否のカギは、そのチームに所属する「一人、ひとり」の誇りある自覚です。

自分は、このチームの一員なんだ。このチームが好きだ。だから責任を持って働きたい。そして努力するのです。だから、誇りが生まれるのだと思います。

「自分一人ぐらい(・・・しても)(・・・しなくても)わからないだろう」「これくらいなら、平気だろう」

この自分勝手で間違った考え方をする人がいると、居心地のいい学級には育ちませんよね。

心の中にいるもう一人の自分

みなさんの心の中には「もう一人の自分」がいますか?

自分の姿を、もう一人の自分が「冷静に」見つめています。人には、「なりたい理想の自分」がいるのです。

また「弱い一面をもあるし、ごまかしてしまう自分、人のせいにしてしまう自分」も両方いるのです。

自分と向き合う感性が大事

「うそ、ごまかし」た時は、間違いなく自分自身がよく知っています。

心で葛藤する自分

「私のせいじゃありません。」

★でも、「もう一人の自分」が、心の中で自分に言うのです。

自分にも、いけない面があったでしょ。なんで、正直に話さないの?

正直に話さないと、あとでまたモヤモヤするよ。

・・・・でも、正直には言えないよ。

…話したほうが自分らしくない?・・・・・それはわかっている。でも、言いずらし。

…正直に話しなよ。

こんなこと、なかったですか?

大人になるって、この「もう一人の自分」を自分らしく育てていく感じ。成長するって、「もう一人の自分」がきちんとした判断できるようになることだと思います。

自分で自分をコントロールできるようにする感じです。

村人も

水を入れた村人の「もう一人の自分」との対話

自分のお酒入れるの、もったいない。一人ぐらい水でもわからないはず。

「もう一人の自分」…それは、いけないよ。無責任すぎる。みんなのお祭りだよ。

…だって、例年村が用意するはずでしょ。もったいないよ。どうせわからないよ。酒の代わりに水を入れる人だっているはずだよ。

こうやって、村人たちは、「もう一人の自分」とのやり取りの結果、水をいれてしまったのでしょう。

自分で「善悪」の線を引く、という生き方

一線を引く

こんな言葉聞いたことありませんか?

人との関係において、これ以上立ち入られたくないがために距離をとることです。相手と自分の間に線を引いて、自分側と相手側とをハッキリとさせるイメージからきています。

その線を、人に使うのではなく、自分が自分自身に線を引くイメージです。

自分で善悪の線を引く生き方とは、

ここでの「善悪」とは、「自分らしい判断を善。自分らしくない判断を悪。」ということです。自分で、どちらの判断が自分らしいか、自分で線を引いて、自分で答えをだす生き方。

ポイントは2つ、「自分で線を引く」ということ。迷った時どちらが「自分らしい判断か」が、選ぶ基準。

 

善悪の一線を引く生き方

今年は、みんなでお酒を持ち寄るのか…

「○○が水入れたって、わかりゃしないよ」って言ってたな。

もう一人の自分

もしかしたら、水を入れる村人もいるかもしれないけど、自分はごまかすことが好きじゃない。

周りは関係ない。自分は酒を正直に入れたほうが、自分らしいから。

自分は長老の言う通り、「酒」を入れます。…と、自分で線を引いた。

こっちのほうが、カッコよくないですか。

「先生が言うからA。親が言うからA」こんな感じでAを選ぶのではなくて、「自分らしい選択がA、だから自分でAを選びます」、こんな感じです。これが、善悪の線を自分で引く生き方です。

 

https://wadachiblog.com/zibunn-hitorikurai/

まとめ

村祭りの逸話は、よくおこるものです。人間には、弱い一面もありますから。

1「自分だけよければ」という身勝手な考え方では、よきチーム、よき学級にはなりません。

自分たちで、責任をもって力を合わせて学級づくりの一員になってくださいね。中学生時代に磨くのは、自治の力です。

 

2 みなさんは、強くかっこよく生きたくないですか?その判断基準が「自分らしいか」どうかです。

「どういう自分になりたいか」を考えてください。うそやごまかしは、自分らしいのかと考えてみる。そして、自分で善悪の線を心の中に引くのです。

これが自立。中学生から大人への試練です。ただの大人ではないですよ。自立した格好いい大人。みなさんにもきっとなれます。「もう一人の自分」を意識して、大事に育ててください。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また、遊びにきてください。