面接試験なんて、ほどんどの中学生が初体験です。
高校受験面接を受ける中学生は、はじめての経験の中、たくさんの疑問や不安を感じることでしょう。
なかでも、面接での質問例と回答の仕方が一番気になるところではないでしょうか。この記事では、高校受験面接試験の主な質問例と回答の仕方、面接に臨む「心構え」をご紹介します。
私は公立中学校の元校長です。1000名超える中学3年生の面接指導をしてきました。現在は40年余りの経験を活かして、先生方や親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営しています。
この記事では、面接官は受験生に何を期待しているのか?についても解説します。これを理解できれば、合格する面接対策が理解できて、事前準備がしっかりと整います
受験を控える中学生が読んでも分かるようにまとめてありますが、受験生を支える親御さんと面接指導をする先生方に向けてまとめた記事です。お役に立てれば幸いです。
高校受験面接の「合格への考え方」と「心構え」
はじめに、受験生にこれだけは知ってほしい「考え方」と「心構え」をまとめました。もし、質問と回答例だけを知りたい方は、次に進んでください。
合格を目指す面接試験の「考え方」と「心構え」
面接官が志望校の先生なら「どのような生徒に入学してきてほしい」と思うのでしょうか?私だったらこんな感じです。
- この受験生は、この高校の特色をよく調べ知っているな(納得して進学を希望している)
- この高校で、やりたいことをしっかりと持っているな(目的を持っている)
…漠然と合格したいという生徒より、
目標をもって○○高校を受験しており、自分のやりたいことがある。さらに、自分の将来をよく考えて進学先を選択している生徒を望んでいます。
つまり、
「目の前にいる受験生はどんな生徒かな」とその本心:意志を「質問の受け答えの中」で知りたいのです。
面接官、どんな受験生なのか知りたいと思って質問をしています。
当たり前ですよね。例えば、よく聞かれる質問に
があります。
この質問に、そもそも正解がありますか?人それぞれが頑張った内容に優劣の順番をつけても仕方ありません。正解なんてありません。
勉強のこと、授業のこと、行事のこと、部活動のこと…何を話せばポイントが高いなんてことがはありません。目の前の面接官が「なるほどねえ」と、納得する話し方や表現力が大切になっていきます。
私は、どのように応えるか、その「話し方」が重要だと考えています。
目の前の面接官の方が、あなたことを知りたいと思って質問しているとしたら、あなたはどうすればいいのでしょう?
ここで大切な「考え方」「心構え」を説明します。
目の前の面接をする先生に「自分のことを知ってもらいたい」と願い、受け答えをするのです。
自分の方から、目の前の面接官とコミュニケーションをとるのです。
次に、自分が受験生なら、何を知ってもらいたいですか?
私が、この高校で頑張っていきたいという願い、想いを伝えるのです。
自分の方から、伝えたいことを話そうとしなくてはいけません。
面接官はあなたを知りたいと思っているなら、受験生の心構えは「ただ正解を話していても、あなたの魅力は伝わらない」ということです。
面接試験では、「自分の想いを精一杯伝えたい」と考えることです。緊張していても、自分の夢や希望を伝え「高校で頑張ります」という想いを伝えようとする心構えが大事です。
- 面接官は、決して受験生のマズい点を探しているのではありません。話を引き出したいと考えています。
- 受験生のキラッと光る部分を質問をしながら探しているのです
「スラスラと、上手く質問に答える生徒」を期待されていないということです。緊張するのが当たり前の場面ですから。つっかえたり、言い直したりしても大丈夫です。
考えてみてください。面接官が「この受験生は緊張しているな…はい、減点」こんな面接官、絶対にいません!安心してください。
ひとつ気を付けてほしいことは、質問しているのに「しゃべらない」ことです。
しゃべらなくては、何もわかりませんから。だから質問にどう答えたらいいのかわからなかったら…「すみません、そのことはよくわかりません。」と最低限の受け答えをしなくてはいけません。
私は、受験生の面接指導では、このように言葉をかけて励ましています。
合格を目指す面接試験 態度のアドバイス
面接官はあなたを知りたいのです。‥‥どんな表情でどんな話し方で自分の志望動機や夢を話すのだろう?
あなたが「どんなことを考え、頑張ろうとしてしているのか」それを知りたいです。
大丈夫。何度も練習すると慣れてきます。
ポイントは、非言語的コミュニケーションです。話す内容はもちろん大事ですが、話し方の様子は、相手に与える印象に大きな影響を与えます。
非言語コミュニケーションとは、
- 礼儀正しい出入りのマナー「失礼します」「ありがとうございました」
- 礼の仕方
- 椅子の座り方
- 姿勢
- 表情(視線 話し方 声の調子)
前向きな考え方等、話す内容はもちろん大事。それとともに「明るい表情」等の非言語的コミュニケーションの要素は是非意識して練習を重ねてください。
高校受験面接でよくきかれる質問と回答例!合格への考え方の事前準備
それでは、高校受験の面接でよく聞かれる質問例とその回答例を解説していきます。
高校面接試験・基本的な質問1「志望動機は」
志望動機は、基本中の基本質問です。受験生は「合格したいとの願い」があって、志望校を決めているのですから、高校側(面接官)も志望動機は聞いておきたいところです。
理由は二つ!
- 学校の方針に合った生徒かどうかを見ている
- 入学に対する熱意を見ている
高校側にしてみれば、学校の方針を理解している、熱意ある前向きな生徒を募集して、学校に勢いをつけたいと考えています。
志望動機は、
面接官に志望理由が「なるほど~」と納得してもらえるかがカギです。
例えば「自分の偏差値でも合格しそうだったから‥‥」の回答は、正直かもしれませんが、工夫が足りません。こんな工夫はどうでしょうか。
他にも、「通学距離が短い」ことはとても便利で、参考にしたい点です。しかし、この内容だけでは、進学への強いアピールには聞こえにくいかもしれません。上記の例のように、「高校生活を○○に打ち込みたくて志願した」につけたす形もイイです。
」
つまり単純に「楽しそうだから」とか「有名だから」といった漠然とした回答では、アピール不足で、受験生の熱意が伝わりにくいです。
楽しそうだから、有名だからでもいいのですが、「この高校で頑張りたい」と自分の想いを込めて語ることです。この高校で合格したい、頑張りたいという熱意を話しましょう。
高校面接試験・基本的な質問2「入学後頑張りたいこと」
面接官の立場にたてば、数多くある進学先の中でどうして、うちの高校に来たいと考えているのか気になるところです。
「高校に入学したらやりたいこと」も、高校受験の面接では、最も質問される話題です。面接官にしてみれば、「なんとなく合格したい生徒」より「この高校で○○に打ち込んで頑張りたい」と具体的な夢や目標を持っている生徒の方がいいと思いませんか?
面接官は、生徒の答え方の中に「積極性や具体的な目標」を見極めようとしていますので、「特に、頑張りたいことはありません」では消極的すぎます。
特別なことがあるわけではありません。神経質に悩んで考え込まなくても大丈夫。大切なポイントは「高校では、●●に精一杯に取り取り組み、生活を目指して頑張ります!!」と正直に話すことです。
「自分の短所」も高校受験の面接では聞かれることが多いです。短所を答える際に注意が必要なのは、あまり否定的な答え方をしないことです。短所を改善するためにどのような努力をしているかを話し、前向きな回答になるように工夫しましょう。
<回答例>
「私の短所は、人が言うことに左右されやすいことです。しかし、それではいけないと思い、自分は何がやりたいのかをしっかりと考えるようにしています」
「私の短所は、熱中してしまうと人の言うことが耳に入りづらくなることです。そのため、アドバイスをしてもらったら、それが自分の考えと違っても最後まで聞いて考えるようにしています」
受験生のことを知りたいという観点から「中学校で一番頑張ったことは何ですか?」や「中学校生活で一番思い出に残っていることはなんですか?」このような質問もよくされます。予想される内容なら次のような項目があります。
- 部活動を答える生徒
- 生徒会活動・ボランティア活動を答える生徒
- 受験勉強や特定の教科の勉強面を答える生徒
- 思い出なら、修学旅行や体育祭、合唱コンクール等行事かもしれません。
当たり前の話ですが、「○○の内容の話がポイントが高い」ことは絶対にありません。では、なぜこんな質問があるのか?
それは、頑張ったことや思い出に残っていることを話す中で、あなたをもっと知りたいと考えているからです。とても応えやすい質問ですよね。
ここでの注意はコレです。
面接官は、ただたんに頑張った内容や結果を知りたいのではありません!その努力の過程であなたが何を気づき学んだのかを聞きたいのです。したがって努力の過程における工夫や学びを積極的に話すようにしましょう。
高校面接試験・基本的な質問4「長所や短所等、自分自身のこと」
「自分の長所や短所」や「好きな教科、得意な教科」等自分自身のことについて、高校受験の面接では聞かれることが多いです。
長所は一つ例をあげながら話してみましょう。
短所を答える場合は、あまり否定的な言い方はしなくても大丈夫です。短所の場合は、改善するためにしていることを添えるとイイ感じになります。
高校受験面接での回答の仕方!合格への考え方の事前準備
面接の答え方1 正直に答える
質問が「将来の夢」で説明します。
質問には正直の応えましょう。決して取り繕う答えはしないことです。なぜ?それは、面接官にはわかるものだからです。
例えば、将来の夢がない場合はどうすればいいのでしょうか。
正直にいうのですから、「夢がない」というわけですが、丁寧に捕捉しましょう。
このような話し方を目指してください。正直に答える原則を守りつつ、できゆる限り自分の自身のことを知ってもらうことです。
面接の答え方2 話は「短か過ぎず」「長すぎず」
面接時間は面接官とのコミュニケーションをとる時間です。
質問には、丁寧に答えることが大切ですが、「身近過ぎてもいけません」し「ダラダラと長い話し方」にも注意しましょう。
一例をあげてみます。「仮に、好きな教科は?又は得意な教科は?」という質問には…
これぐらいのバランス感覚で話していきましょう。
伝え方が少し遠慮し過ぎです。どのくらいの事実を語り「数学が好き」の情報だけでは受験生への理解は不十分です。もう少し、言葉を繋いで一言付け足すぐらいが丁度よいです。
面接の答え方3 語尾は「ハッキリ」と話す
語尾に意識が向かないと、話しが長くなります。早く質問を切り抜けたいのに、自分で終わりにしないので、どんどん苦しくなってきてしまう感じの生徒がいます。一番の対策が語尾なのです。
「・・・・です。」「・・・・ます。」と語尾をしっかりと発音して気持ちいいものにしてください。面接では、凄く大切なことです。
こうやって明確に語尾を整えてくれば、面接官も、すぐ受け止めつつ、次の質問がしやすくなります。
面接の答え方4 視線は喉元あたりで
面接試験では、質問に答えながら進むわけです。しっかりと相手に視線を合わせてお話されることが望ましいです。つまり、目を見て話すのがイイです。
しかし緊張している中、面接官に視線を合わせるのは大変です。もし苦手意識があるなら、頑張ってのどもとあたりに視線をむけましょう。男性なら、ネクタイの結び目ぐらいです。
少しは気持ちも楽になって落ちつくかもしれません。面接で大切なのはテンポよく会話を繋いでいくことです。視線もきちんと話し手に向けられるよう練習してください。
高校受験面接の質問と回答例!合格への考え方と正しい事前準備 まとめ
高校受験の面接で聞かれる質問は、ある程度は予測することができますので、あらかじめ考えておいて対策ができます。
しかし、緊張する場面ですので練習は重ねておきましょう。
特に「自己PRと志望動機」「高校に入学後に頑張りたいこと」は重要なポイントとなってきます。 自分の言葉で具体例をあげながら話せるよう考えておきましょう。
中学生のみなさん!
面接官は、落とそうとする人ではなく、目の前の受験生のいい面を見つけたいと思って質問していることを押さえておきましょう。
高校生になって頑張りたい前向きな気持ちを精一杯表現してください。
「ワダチブログ」では、関連記事がたくさんありますので、またお読みいただけましたら嬉しいです。