公立学校の先生を目指している方は、みな各自治体の教員採用試験を突破しなくてななりません。
選考試験である以上、残念ながら不合格になる場合もあります。
この記事では、教員採用試験に落ちてしまった時の「進路の考え方と具体的な対処法」について解説しています。
教員採用試験に不合格になった場合にとる行動パターンを「公立学校教員を目指す場合」と「進路変更の場合」に分けて下記の通り解説しています。
公立学校の先生を目指し再チャレンジ
- 臨時的任用教職員に応募する。先生として働きながら(常勤講師or非常勤講師)再チャレンジの準備をすすめるパターン
- (無職、簡単なアルバイト等で)来年度の教員採用試験に全力投球をして再チャレンジの準備をすすめるパターン
その他の道へ進路変更するチャレンジ
- 私立高校の教員に進路変更
- 学習塾等の講師に進路変更
これから教員採用試験を受験する方、残念ながら不合格となり進路をどうするか悩んでいる方に「進路先の正しい対処の考え方や仕方」についてまとめました。
私は公立学校の元校長です。教育局で教員採用事務担当の経歴があります。現在、先生方や子育て中の親御さんを応援する「ワダチブログ」を運営中です。
この記事で、自分らしい進路決定ができる考え方や具体的な対処法がわかります。
教員採用試験に落ちたら?再チャレンジの正しい対処の仕方・考え方
教員採用試験に落ちたからといって、教員への道が絶たれるわけではありません。人が人を選ぶわけですから、あなたの資質が否定されたわけではないです。ここでは、始めに再チャレンジの仕方・考え方について解説します。
落ちてしまったら…正しい対処の仕方1:現状を正確に把握する
まず現状を分析してみましょう。はじめに「自分を調べてみる」ことです。
その理由は、不合格には大きく二パターンがあるからです。
- 実力は十分ありますが、選考項目の一部に弱点があり「例えば論文が書けなかった。集団面接で上がってしまって…。そもそも一般教養等、筆記試験で突破できなかった等)点数が伸びなかったため惜しくも不合格になってしまったケース。
- (資質能力を評価してもらうには)教員採用試験への明かな準備不足で全体的に実力不足だったケース。
試験結果等は公表されていますので、是非確認してください。
自分自身の「現状の実力把握」と「試験項目の弱点を知ること」は、来年度の合格への勉強法や方針を定める第一ステップです。
教員採用試験にのぞむ正しい考え方とは?
自分の個性を伸ばす。自分の強みを活かす。この考え方、生き方はとても大切です。
しかし、教員採用試験においては、その考え方にプラスしなくてはいけない原則があります。それは弱点の克服です。
教員採用試験とはあなたの教員としての資質を見極める目的で実施されます。その試験内容に「極端に劣っている項目がある」ということは、合否に大きな影響を及ぼします。
高校や大学受験の競争試験なら、「総得点」で勝負します。得意科目で苦手教科を挽回することも可能かもしれません。教員採用試験にはこの考え方は危険です。そつなくこなるバランス感覚も大切なのです。
弱点の克服を意識して勉強を進めていきましょう。
落ちてしまったら…正しい対処の仕方2:再受験の見通す計画を立てる
教員採用試験に落ちてしまい、再チャレンジを決意したなら「再受験の見通す計画」を立ててみましょう。すぐスケジュールを立てて準備を始めることが大切です。
- 翌年4月~5月初旬が「出願」です。
- 一般的に一次試験7月 合格発表は7月下旬~8月上旬
- 一般的に二次試験8月 合格発表は9月下旬
実質的に1年弱です。思ったより準備時間がありません。将来の進路を勝ち取るためにも1日も無駄な時間はありません。
「再受験」を希望する場合、
臨時的任用教職員等に応募して、働きながら再チャレンジの準備をすすめるのか、無職で全力で採用試験対応の勉強をするのか判断しなければなりません。
臨時的任用教職員等に応募して、働きながら再チャレンジ
この決断したら、
10月から3月までの半年間の猛勉強が合否を左右するでしょう。直ちに本気で取り組み始めましょう。
運よく常勤で4月から学校に採用された場合、緊張の中社会人生活が始まります。夢である教師の道を歩きはじめるとはいえ、1年目の教師生活は過酷です。
その環境の変化の中、平日の勉強は本当に難しいです。あっという間に、7月の受験日を迎える感覚になるかもしれません。4月から、平日はほとんど勉強する時間がとれないでしょう。土日も授業準備や色々準備があるものです。努力は欠かせない大変なの日々を覚悟しましょう。
メリットもたくさんあります
一つ目は、現職で働いているため、校長先生等から指導をいただける環境にあります。2次試験に進むと「個人面接練習」「論文指導」「集団討論」等の試験内容に対し、指導助言をいただけると思います。
二つ目は、ともたく実践積む経験は、あなたの貴重な財産になることでしょう。面接等に臨む構えが整い、教師としての表現力が向上する環境にあります。
面接時で聞かれることが多い「普段の授業で工夫していること、学級づくりで工夫していること、○○な時、どのような指導をしているか、目指す理想の教師像」等の質問項目に、きちんと対応できるようになっているかもしれません。
面接官は、あなたの応える話し方の中に好感をもってくれることもあります。
実際に子どもたちを、教師となって指導できるので実践力向上が期待できます。面接や模擬授業への対策としては非常に効果的です。
本採用ではなくても、夢であった教師の仕事に取り組める機会は悪い選択ではありません。実際に働きながら合格している方はたくさんいます。
再チャレンジに専念して教員採用試験の版強に集中する
こちらは短期決戦です。「すべての時間をかけて、教員採用試験の準備します。何が何でも次のチャンスに合格をもぎ取ろう」とする判断です。
合格の保証は何もありません。この決断の最大のメリットは、自分にプレッシャーをかけ本気で準備に入る姿勢です。10月から3月までの半年間の猛勉強は当たり前、4月からもラストスパートで準備が充実します。
注意事項があるとすれば、情報収集です。
どんなに努力しても独りよがりの勉強は効率が悪いです。理想は指導者について学ぶことです。孤立の勉強は落とし穴もあるので注意が必要です。
受験後は臨時的任用教員として常勤、非常勤で働けるチャンスもあるかもしれません。ともかく10月からは働くこともできます。
教員採用試験に落ちたら? 進路変更の正しい対処の仕方・考え方
進路変更する考え方も紹介します。
同じ教師でも公立学校ではなく私立学校に教師になる道も残されています。
私立高校の教員に進路変更
私立学校では、採用活動期間は学校ごとに異なるのが特徴です。教員採用試験の結果が出た後に募集をしている私立学校もあります。
教員採用試験がうまくいかない場合もありますので、進路選択の可能性を探る観点から事前に採用条件等に関する情報収集はいておくのもいいでしょう。
私立学校のホームページなどを参考に求人を見つけて直接応募することになります。それぞれの学校に自力で合わせて準備を進めることになります。
年功序列か 実力主義か
公立学校は基本的に年功序列の賃金体系になっています。私立学校は年功序列を採用している他、生徒の成績を給与に反映させる実力主義を採用している学校もあります。
異動がない
私立教員は学校ごとに雇用されるため、基本的に異動はありません。これをメリットと考えるかどうかはあなた次第です。
ちなみに、公立学校の教員は一定年数勤めると、管轄内の学校へ異動させられます。しかし、一般的には民間企業のイメージよりははるかに希望も配慮してくれます。
人事異動は、間違いなくストレスです。そのストレスが自身の成長にもなっている点は事実です。
2.学習塾等の講師に進路変更
大手有名学習塾に就職を考える場合は、公立学校教員採用試験と同時並行で就職活動を進めてください。
採用枠が学習塾職員と学習塾講師と分かれています。講師で採用されるには難易度も上がるでしょう。
一般的な学習塾でしたら、講師として就職して新生活を始めるのもいいでしょう。しかし、デメリットもあります。塾講師の場合は、圧倒的に雇用が安泰の公立学校の教員と違って、経営状況に影響をうけるため雇用関係には不安定な要素があります。
また、勤務時間も平日の遅い時間帯や休日が中心です。そうした働き方の違いがある点には注意しましょう。待遇も人気がでるかどうか、実力次第でしょう。
3.民間企業等の進路変更
家庭の事情などによって再受験するのが難しい場合は、事前に就活をするのが現実的な選択肢になるでしょう。
なかには、何年か他業種で働いてから「教員採用試験に挑戦」する方もいます。働きながら通信で教員の資格から取って受験する方もいます。
この記事を読んでいる方は、ほとんど教員免許の取得を前提にしています。
様々な事情で一旦教職の道を断念しても、やはりやってみたいと願えば、その時点で再チャレンジすればいいのです。可能性はどの時期でも、あなたが望めばできますし、あなたが本気になれば合格はできます。
社会経験を重ねた方が教員になられることに、私は大賛成です。
教員採用試験に落ちたら?不合格時の進路先について正しい対処の仕方・考え方 まとめ
今回は「教員採用試験に落ちたら?不合格時の進路先について正しい対処の仕方・考え方」をテーマにまとめてみました。
不合格は、誰でも嫌です。心も落ち込みます。
長い人生の中には、思いのほかうまくいくことも、いかないこともあります。大切なことは、うまくいかない時の考え方や正しい処置の仕方です。
自分の中に“今”だででなく「長い時間軸」で自分を見つめる習慣が欲しいです。苦しい経験や苦い経験はその後の身の振り方で大いに役立つものです。悲観することは何もありません。間違った考え方だけはいけません。
迷った時は“どちらの選択が、自分らしいか”と考えてみてはどうでしょうか?
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