わが子を心配し、思いつめた親御さんが抱く必死な想いに、間違った考え方などありません。しかし、一人で思いつめると考え方がどうしても偏りがちなることもあります。
この記事では、発達障害とは何かについて、特徴と支援の仕方をまとめました。特筆すべきは、親の「考え方の思考転換」に重点をおきました。
新しい考え方を広げることで、お子さんと親御さんの笑顔がきっと増えます。一人一人みなちがう独自の成長過程をたどる発達障害のお子さんの「将来の幸せや自立」について、ちょっと長い成長の時間軸で思考を整理していきます。
発達障害の特徴とは何か?子供の笑顔が増える3つの親の思考転換
親の思い込みの思考転換を3つご紹介します。
発達障害の特徴を活かす!親の思い込みの思考転換1
冒頭の
これは、親側からみたわが子を想う切なる願いです。
逆に子ども側から、考えてみます。お子さんは親の考え方をどのように思っているでしょうか?
「大好きなお母さんお父さんのそばにいたい」という思いはあるかもしれませんが、子どもは、障がいのあるないにかかわらず次第に成長し自立して大人になる日が必ず来ます。
あなたのお子さんは、「一生涯、親の世話になりたい」と、本当に思っているでしょうか?
子どもは、そのように思うとは限りません。「私をずっと応援して…ずっと私の味方でいてね」と願うお子さんがいても、ずっと親にお世話になりたいと考えるとは限りません。
親がわが子の将来を心配するものですが、一方的に「…しなければならない」と、思い込むことはありません。お子さんの障がいは、個性の一部です。
どのお子さんもきっと「(どんな障がいがあっても)親から自立して幸せに向かって、自分らしく幸せに暮らしていきたい」と考えていると思いませんか。
お子さんの自立に向け落ちてはいけない能力とは?思考転換2
お子さんの自立について、
自立を「ひとりで生きること」と考えては、偏りすぎています。
だって、どんな大人も一人で生きていますか?
みんな、お世話したりお世話されたり、心配したり心配をかけたりしていませんか?それが人間です。
無人島で暮らす以外は、みんな大差なく、たった一人で生きている人はいません。人は、みな関わり合いのなかで日常生活を営んでいるのですから。
障がいを抱えていては、一生誰かのお世話になって生きることになるのでしょう。恥ずかしいことでもありませんし、当たり前の話です。あなたも私もみな同じでだからです。
お子さんの自立を「一人で生きるのではなく、いろいろな関わり合いをスムーズにこなしていくコミュニケーションの力を身につけること」に意識を向けるのはどうでしょうか?
もう少し、くだけた表現で言うなら
自分ができないことやわからないことを、自分の周りの人に「聞ける力、教えてもらえる人柄」か、どうかです。例えば、声・言葉が出ないお子さんなら、意思を表現したカードの一工夫が必要かもしれません。
身の周りの人とのかかわりの中で、助けてもらったら「ありがとう」と「感謝」の気持ちを素直に伝えることができれば、最高の生きる技になります。
たとえ、言葉がうまく表現できなくても、感謝する心と笑顔があれば人は察します。
もう一つ付け加えれば、失敗したとき、迷惑をかけたときの「ごめんなさい」がきちんと言えることが、人生のパスポートみたいなものです。
障がいをもっていようがなかろうが、どんな子供でも小さいうちにこの二つの技を身につけ、仲よく遊べて仲間とつながっていく学びこそ、幸せな生き方の要諦です。
発達障害のお子さんの成長を「長い時間軸」で考える親の思考転換3
小学生のお子さんが40歳になったら…お母さんお父さんの年齢は何歳になっていますか?
運よく…親子一緒に暮らしていても、親は先に老います。
自分の中に、お子さんがおさまらない日が必ずきます。その時点まで「親だけ」が最大の味方、最大の支援者だったら、お子さんはどうなるのでしょうか?
その歳から親という保護者をなくして、はじめての未知の社会へ押し出されて、施設等で集団生活をすることになるかもしれません。お子さんにしてみれば、人生最大の試練に舞われます。
お子さんの幸せの願い方に、こんな思考転換はどうですか。
心の奥底にある「自分らしく生きたい」と親からの自立を願っていると考えるなら、いつか自分から離れる日が来ることを考えて育てていくという考え方はどうでしょうか。
色々な決断をしなければならないことがおこります。その判断基準は、長い時間軸でお子さんの幸せを考えてみてください。きっとよきアドバイスをしてくれる方がいるはずです。お一人で考え込むことはありません。
余談・メモ
急な生活の環境変化に、障がいを抱える方が安心できて安全な入所施設があります。地域福祉の拠点として今後もますます重要な役割が求められることでしょう。少子高齢化と急激な人口減少や働き手の不足が進む将来、その維持がますます困難になることも予想されます。
発達障がいの特徴とは?子供の笑顔が増える関わり方!
発達障がいの子どもたちは、奇異に映る言動がみられます。自然な心情として「お願いだから、やめて!」と怒鳴ってしまったこともあるでしょう。
親や先生が感じる不思議な行動には、必ず理由がある
このような課題ある言動はこう考えてみてください。
・子どもはやりたいから、やっているわけではない
・やりたくなくても、やらずにはいられない
その理由がわかれば(理由を知りたいなと関われば)、一気に理解が深かまりまる。この理解がお子さんを良い方向に導くカギとなります。
それを探る姿勢を意識してください。これから先、場合によると節目節目で専門家の助言が必要な時もあるかもしれませんが、しかし、一番身近にいる親御さん自身です。あなたの感じ方のほうが正解の時だってあります。お子さんとともに生活しているのですから一番の味方であり主治医なのです。
ここで、いくつかの特徴を解説していきます。
感覚の困難さに戸惑う
・体が一般的には「小さな刺激」をとても大きな刺激に感じてしまう
・感じてほしいのに、感じることができない
「感覚」の困難さに戸惑っているお子さんを理解してみましょう。こんな事例があります。
運動会のピストルの火薬音が苦手なお子さんがいました。
お母さんが「うちの子にしてみれば、その“パーン”というピストルの火薬音を聞くと、“たくさんの虫が入ったバケツを、頭にかけられた”辛さ”」と、表現していました。
大変独特の表現でしたが、お子さんの辛さは、そばに寄り添うお母さんだかこそ感じ取ることができます。それをストレートに表現していただいたおかげで、正しく理解できました。
この件は、様々な対応策を考えた結果、最終的には「電子ピストル」に切り替えました。
わが子の特性を子どもの代わりに母親が的確に伝えていただいたことで実現した一例です。何もかも実現できるわけではありませんが、しっかりと伝え続けることで学校側の理解も深まっていきます。
“わが子の苦しみ”を少しでも改善していく姿勢が大人に求められているわけですから、「こんなこと話しても…」なんで、遠慮することもありません。しかし、先生も感情があります。
何でも「要望」ではなく、一緒に相談に乗ってもらい解決の糸口を一緒に探るスタンス」が丁度いいと思います。
先生には、丁寧に敬意をもって接してほしいと思います。
気持ちのコントロールすることが苦手…乱暴な行動
本人にとって嫌なことがあると、急に気持ちのコントロールができなくなる。攻撃的な言動になってしまうと、仲間との良好な人間関係を築けません。
自分なりの理屈の中でルールを破ってしまう。その一方で、(自分の振る舞いは棚に上げて)ルールを守らない人を、許さず攻撃的になることもあります。
ADHDの傾向があるお子さんでは、次のような傾向が見られます。
- 「○○しちゃダメだよ」といった注意に過敏に反応して興奮することもあります。頭で考える前に口や体が動いてしまう感じです。
- してはいけないことはわかっているけど、自分の気持ちをうまく表現できないため衝動的な言動になってトラブルがおこります。
- 想像力に懸けるため、相手の気持ちを感じることができず「自分の考えが一番正しい」と思いこんでいることもあります。
トラブル直後は、興奮しているわけですから、素直に大人の言葉を受け入れることは出きないでしょう。落ち着くまで様子を見届けましょう。落ち着いて話ができるようになったら、本人の言い分も含めて、丁寧にお話を聞いたり話したりしてみましょう。
この時の親御さんの「接し方」が、お子さんにとっての「よき行動モデル」になるわけです。適切な行動を学ばせていきましょう。
発達障害のお子さんはどうしても、失敗したり怒られたりすることがきっと多きことでしょう。この経験が自分を肯定する機会を奪ってしまいます。心掛けたいことは、適切な注意のより、適切に認めることを多くすることです。
大人は意外とできていることは「これくらいのことは、当たり前でしょ」と、素通りしてしまいます。マズい行動だけは見過ごしません。これが普通の大人の感覚です。これを止めます。
小さのことでも、できたこと。頑張ったことに「よく覚えていたね。えらい。とてもよかったよ!その調子で!成長したね!」と、親が喜ぶのです。親の笑顔は何よりお子さんの印象に残り、「こういう行動がいい」としっかりと理解できます。
問題行動の多発…でも、困っているのは誰よりも子ども自身
学校の準備は保護者のサポートがなければ、できないお子さんも多いのではないでしょうか。学校のプリント類や配布物はぐちゃぐちゃになりうまく整理整頓はできない。毎日のことなので、親もてこずりますね。しかし、悩んでいるのは親御さんだけではありません。
小学校の高学年ぐらいになると、発達の個人差に気づき始め、「どうして、自分はできないのか」と悩み始めることもあります。また、成功体験の少なさや注意されることことが多く、自己肯定感が下がり始める。
困っているのは誰よりも子ども自身である
「発達の凸凹」から、子どもが苦手に感じていても「練習が足りない」「一人だけできないのは努力の問題」「親のしつけの問題」と、発達障がいへの誤った理解や焦りから、大人からの強い指導をうけて、失敗体験を重ねているケースがあります。
子どもの心は、どんなに障がいがあっても「うまくできるようになりたい」「かっこいい自分になりたい」平たく言えば「成長したい」という欲求があります。
周りと比較してみてしまえば、思い通りにならないことも多々ありまる。しかし、失敗しないように、先回りして思い通りにしてあげることは、「(努力したけど)うまくいかないこともある」という大事な経験を奪うことになってしまいます。
発達障害の特徴とは?子供の笑顔が増える関わり方!幸せを願う親にできること まとめ
この記事は「発達障害の特徴とは?子供の笑顔が増える関わり方!幸せを願う親にできること」をテーマにまとめました。
目の前の我が子の一つ一つの言動や存在そのものをすべて丸ごと受け入れることが、どれくらい大切なことで大変なことなのか。
誰かと比較して、せめて○○まで追いつかせたい。
と、お子さんのすべてを受け入れるまで苦悩が押し寄せてくるでしょう。
お子さんは、その子ならではの成長過程をたどります。
比較をしないみつめれば、我が子のたくさんの成長に気づくことでしょう。新たな発見や成長の喜びは、日常を「認める」ところからはじまるのです。
夫婦がお互いにお話をたくさんしていけたら、人生の深い喜びをたくさん味わうことができるのではないでしょうか。
「ワダチブログ」では子育てのヒントとなる教育関連記事が多数ありますので、またお読みいただければありがたいです。