このような悩みの親御さんに向けて、この記事では2つの視点からまとめました。
- 挨拶の大切さを親がどのように伝えていくのか、その教え方
- 効果を実感できる習慣化への法則
他の記事との差別化として、話し言葉でも挨拶の大切さや教え方が例示してありますので、親子の会話のヒントになると思います。
私は公立学校の元校長です。これまでの経験から得た知識や手法を子育て世代の親御さんや先生方に伝える、子育て応援ブログ「ワダチブログ」を運営中です。
子どもたちに挨拶の言葉をかけ続けて40年。爽やかな挨拶を子どものうちに身につけてしまえば、本当にラッキーです。挨拶の大切さへの熱い想いと手法をお伝えします。
挨拶の大切さって本当なの?小学生等子どもへの教え方とは?
幼いお子さんへの教え方のイメージ
小さなお子さんへの「挨拶の大切さ」の教え方です。ここでは、教師歴32年の著者平光雄さんの著書の中での表現を引用させていただきます。
普段から子どもの心の中に、必要な価値観を培っていくことです。それはあたかも心の中にコップがあって、そのコップに一滴ずつ水を溜めていくようなイメージです。
最初は言っても言っても効果がないかもしれません。その時は、まだ水が溜まっていないからなんですね
道徳な価値は、自然発生的に生まれてくるものではありません。
「それは、してはいけません」「それは、すすんでしましょうね」と、親御さんからの「言葉」だけでは、幼いお子さんの心にはしっかりと届きません。
お母さんの願いが届かない時、ちょっとお子さんの心の中のコップの存在をイメージしてみてください。自分の躾方を反省する前に、どうすればいいのかが見えてきます。
余談ですが、昔は三世代家族が多かったので、子どもたちは、お爺ちゃんおばあちゃんをはじめ、互いに挨拶を交わしている姿を目にしたこでしょう。
つまり「挨拶は大切だからしっかりとしなさい」という言葉と「挨拶すると気持ちがいいな」という体験が結びつくことが大切です。家庭環境のおかげで自然と心の中のコップが満たされていたので、よき習慣が身についたのでしょう。
もし、仮に核家族一人っ子でも大丈夫です。よき経験の少なさを質の高い経験でカバーするのです。
質の高い経験?難しくないです!
それはお母さんやお父さんの笑顔です。
お母さんが「挨拶は大切だからしなさい」と諭すより、お母さんが笑顔で
お母さんの笑顔は最強です。「挨拶って気持ちいいなあア」という実感が子どもの心のコップに溜まっていきます。
心のコップの満たし方について、ちょっとした工夫を解説します。
挨拶の大切さって本当なの?親にできる「子どもの習慣化」への手法とは?
1.元気に爽やかな挨拶を家庭内で日常化させる
親御さんと教師は、いつもお子さんから見られている存在です。いい意味でも悪い意味でも、お子さんのモデルなのです。
ですから、親は、夫婦間、親子間で、日常の家庭生活の様々な場面で爽やかに挨拶を交わすよう、心がけなければなりません。
お子さんに対して、夫婦で足並みをそろえることが鍵です。お父さんがお母さんにする挨拶、お母さんがお父さんにする挨拶を子どもは全身で感じ取ってます。
そして、「親がいう挨拶の大切さって本当なの?口だけ?」を肌感覚で見極めます。
親も実践する挨拶が真実なのかを感じ取っているわけです。ご近所の方や知り合いの方とも笑顔で挨拶を交わしましょう。そんな姿を子どもは見て挨拶の真実を感じ取っています。
ポイントは、態度や姿勢はもちろんですが、明るい声の調子と笑顔の表情です。言葉は日本国中で共通ですが、挨拶の届け方は、お人柄で千差万別です。
お子さんに躾けるなら、お手本(モデル)は、ご自身です。
挨拶はコミュニケーションの基本なら、単に言葉を発するのではなく、
自分の挨拶した言葉が、相手に心地よく届いたかどうかが重要な視点です。
このような毎日の積み重ねで、お子さんのコップに心地よい水が満たされるのだと思います。いったん豊かにたまれば、お母さんお父さんの言葉が、スッと染み渡るのでしょう。
2.挨拶が上手にできたら、その場でほめる
コップに水を溜め方で最大の効果を発揮する方法は、
上手にできたら、その場で満身の笑顔で褒める
子どもが、元気よく笑顔でさわやかな挨拶できたら、
こんな会話なら、急ピッチでお子さんのコップは満たされることでしょう。
子どもは、その一つ一つの行動が自信となり、次へのチャレンジに繋がっていくものなのです。
挨拶ってちょっと勇気がいりますよね。このような会話と実践の積み重ねで、お子さんの将来はよき人間関係づくりの実力を身につけていくのです。
学力とはまた別の「幸せになる力」だと思います。
3.「ありがとう」や「ごめんなさい」の大切さもひとまとまりに伝える
爽やかな「おはようございます」は、コミュニケーションの第一歩を踏み出します。それと同じくらい人生で大切にしてほしい言葉が「ありがとう」と「ごめんなさい」という気持ちを伝える言葉です。
お子さんは「自然と口にできるかどうか」も、親御さんが良きモデルになることで意外に簡単に身につくものです。つまり、家庭環境に因るところが大きいのです。逆に親御さんが実践できていないことを言葉で身につけることはできません。
口で言うのは簡単ですが、夫婦間や親子間は、照れくさくて、何事も当たり前のように過ごしてしまいますよね。
お子さんが小さければ小さいほど、親が実践する「感謝の気持ち」や「ごめんなさい」と謝る姿を見せたいものです。「素直に気持ちを伝えること」もまた、よき人間関係づくりの基本です。
口先だけで言葉にするのではなく、心を込めて言えるようにしたいものです。
4.「挨拶できる機会」をつくってあげる「できない時」は促してあげる
子どもが自ら挨拶できるようになるまでは、よき経験抜きには考えられません。経験を広げる機会を意図的に作ってあげることも大切になります。
近所に親戚がいれば、
挨拶の機会をつくったり、そばで一緒に促したりしてみましょう。少しずつ変化が見えてくるものです。
経験をして、親御さんが「だんだん挨拶がうまくなってきたね。うれしいなあ」と楽しく会話をすることで、コップの中の水はどんどんと溜まっていくことでしょうね。
挨拶というものは、一朝一夕に身につくものではありません。幼いころからの家庭環境が大きく影響します。そして、幼いころに身に付いたよき習慣は、大人になってからも持続しお子さんを助けることでしょう。
子どもによって、それぞれの成長の波立段階や性格・個性の違いがありますので、親は焦らず長い目で子どもを見守ることも必要です。焦りは禁物、子どもの行動だけをコントロールしようと思わないことです。
親がする「挨拶の大切さ」を指導する前に
ここまで挨拶の身につけ方を解説してきましたが、親御さん自身に「挨拶とはどういうものなのか」について、さらに理解していただきたいと思います。
一般的に大人なら、こんな感じで挨拶について考えているのでしょうか?
お子さんに挨拶の大切さを伝える前に、あなた自身はさらに挨拶の大切さについて理解を深めていただけたらと思います。
挨拶の意義とは
子供の世界でも、大人の世界でも、日本でも世界中でも、挨拶はよき人間関係を築くパスポートみたいなものです。コミュニケーション能力を発揮する最重要の生きる技です。
凄く大切なことなのに、
子どもの世界でも大人の世界でも、コミュニケーションが十分取れていないために、誤解が生じることはよくあることです。そのコミュニケーションのきっかけとして、挨拶は大きな役割を発揮します。
一般的には、挨拶の意義は大きく二つです。
- 挨拶ができることは、常識のある人という評価を得られます。逆に挨拶が出来ない人は、常識のない人とみなされて社会的な評価は低くなります。
- 爽やかな挨拶は、相手からの印象がよくなり、よき人間関係のスタートが踏み出せます。逆に挨拶ができないと、第一印象が悪くなり相手に警戒感を抱かせ関係づくりを、自分で困難なものにしてしまいます。
ここでポイントは、自分で「挨拶は大抵できている」と考えていることです。面と向かってあなたの挨拶は問題があるとは言われないものです。挨拶とは相手側の受け取り方が大事になります。言葉自体ではなく、言葉を丁寧に届けることで、相手の存在を大切にしている行為なのです。相手を慮る、自分からする積極的なアクションなのです。
挨拶の大切さって本当なの?親が自信をもって小学生に教えたいこと! まとめ
今回の記事では「挨拶の大切さって本当なの?親が自信をもって小学生に教えたいこと」について、まとめてみました。
挨拶は、小学校入試でも重要視されています。それは、「家庭のしつけが子どもの挨拶に映っている」「この子は、新しい友達や先生とコミュニケーションが上手にできているか」について「挨拶」の様子などで見えてくるからです。
ただ単に「明るく元気に言葉を発する」だけでない、挨拶には人柄が表現されます。幼いお子さんでも隠しようがない真実です。
それだけ、心を通わせることができる本物の挨拶は難しいのです。
私の経験からの本物の挨拶とは、大人だからできるものではなく…しかし、子どもだからできないこともないのです。
私は、素晴らしい将来に活かせる自力ある挨拶というコミュニケーション能力を身につけた小中学生にたくさん会ってきました。
躾けや教育でお子さんの能力は育つのです。誰にも負けぬ、誰でも敬の心で挨拶ができる「あいさつ力」は、一生の財産です。
小さいうちのよき習慣が、その子の幸せになる力と考えるなら、親御さんも本気で考えてみてもいいかもしれません。しかし、特訓するわけではなく、お子さんとの自然の会話をお楽しみながら、実践できることなのです。
「ワダチブログ」では子育てや学校教育に参考になる記事が多数掲載されています。参考にしていただけたら嬉しいです。